闇聖女再び
神秘的な光が聖剣に集約し、高さ100mの1本の光の剣の柱へと変わる。
勇者は剣の柱を振り下ろすと。
【ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ】
予想に反し、ブレスが2つに割れていく。
割れたブレスは森を食らい周りを焼く。
勇者が作った剣の柱のすごい勢いで短くなっていく、と同時にブレスの割れ方が狭まり、ブレスの勢いに負けて踏ん張っても押し込まれていく。
剣の柱が消えると同時にブレスも終わり、何とか命拾いはしたが、勇者は両膝を突き剣を地に差し、【ハァハァ】と荒い息をしている、手に持っている聖剣も神秘的な光が消えていた。
ドラゴンの方を見ると、先ほどのブレスで兵と冒険者が作っていた包囲網が崩れていた。
包囲網の一部がブレスにより焼き払われていたのだ。
ドラゴンの1匹が羽を広げ頭を大きく下げた。
(飛び立つ姿勢?嫌、違う!頭が下がり過ぎてる。)
羽を羽ばたかせると同時に足で地面を蹴る。
地面すれすれで勇者に向かい飛ぶ。
(このままではマズイ!)
正面は勇者とドラゴン、左右は火災、逃げるなら後だが、もう一度ブレスか、このまま突っ込まれると終わりだ。
意を決し、あのスキルを起動する。
「《女人化&闇聖女》発動!《魔法使いに変身》魔法使用!」
俺に闇が集まり、螺旋回転しながら半円のドーム状に包み、身長が伸びる、体付きは女性になる、闇が体に巻き付き魔法使い特有の服に変化していく、そして《スコール》を発動した。
※《スコール》は天候系の魔法で、管理システムから付与されたエネルギーの約半分近くを使う事になる。
上空に魔法陣が現れ、晴れだった天候が一瞬で雷雲が発生、空から【ゴロゴロ】と鳴り始め。
「《雷撃覇》!」
スコールの雷雲を利用し《雷撃覇》をドラゴンに向け使用した。
【パシィィィィィン】と音と同時にドラゴンに落ちる雷、低空飛行中だったドラゴンは地上に叩き付けられる。
「な、なんだ?!何がおきている!!」
勇者の目の前で地上に伏せるドラゴン、雷の電気で痺れているようだ、勇者は事態を把握出来ずに困惑している。
私は森から走り出し勇者とドラゴンの間に入る。
同時に《スコール》で発生した雷雲から雨が降り出してきた。
(これで発生した森林火災は収まるはずね。)
「な、何だ!君は!危ないから避難しろ!!」
「はい、はい、ガス欠なんだから大人しくしてなさい。」
勇者を適当にあしらって、もう1匹のドラゴンを見ると、ヴィル達★2の4人が戦っていた。
(あの様すだと、しばらくは大丈夫ですね。)
「失礼な!まだやれる!!」
立ち上がろうとするが、足がプルプルしていてまともに立ちあがれない。
「もういい・・」
さっきまで痺れていたはずのドラゴンの口から炎が漏れていた。
(マズイ!ブレスだ!!)
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あとがき
1月4日にカクヨムで1000PV達成しました。
詳しくは活動報告にて。




