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大好きな聖女様、僕と付き合って下さい!  作者: zinnto
冒険者、初めての町で
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特訓

あれ以来、ナーサは二人きりになるのを避けるようになった。


(二人きりになりそうになると、顔を真っ赤にして走って逃げるって、もしかして既に惚れられている?いつの間にハーレムルートに!?テンプレって言えばテンプレだけど…)


と考えていたが、とりあえず放置してヴィルから短剣の基本の型を教えてもらった。


(素振りしていると、たまにナーサが壁チラするんだな~、出来ればニナにしてほしい。)



ヴィル夫妻が出発の日が来た。


「トモヤ、ちょっとこい。」


ヴィルが内緒話をして来た。


「トモヤ、均等に愛せないならハーレムは止めとけ、最後に地獄を見るのはお前だ。」


と、皆に聞こえない声で耳打ちしてきた。


「違いますよ!」


俺は慌てて言い返したが取り合ってもらえず。


「ハハハ!では行ってくる。」


ニタニタしながらリーリさんの元に戻り、2人で宿を出て行った。


「トモヤさん、何が違うんですか?」


とニナがニコニコしながら聞いてきた。


「いや~、そのですね・・・」


「フン!どうせ良からぬ事でも言ったんでしょ!」


(ナーサさん、鋭いです。)


ナーサの顔はまだ少し赤いが、ニナも居るので話しかけれる様だ。


「と、とりあえず素振りでもするわ~」


と誤魔化し宿の裏に逃げようとした。


「ちょっと待ちなさいよ!」


「どうした?」


「素振りだけじゃなかなか上達しないから、模擬戦をしない?」


「え?!早いんじゃ?」


「何よ、文句でもあるの?!」


「い、いやないです。」


目を細めて睨んできたので思わず同意してしまった。


「ニナ、悪いけどこいつの回復よろしくね。」


「はい、いいですよ。」


3人で宿の裏に移動する。


「あんたは短剣で、私は木剣でいいわ!」


「え!刃がついてるし、危ないですよ!」


「舐められたものね!今の貴方の実力だと無手でも勝てるわよ!」


「いや、さすがにそれは言い過ぎだと。」


ニナの額に青筋が浮かんだ。


「つべこべ言わずに掛ってきなさい!!」


「は!はい!!」


(やべ~、マジ切れだ!仕方がない木剣を切るようにすればいいか。)


と高を括って短剣で右からの横払い、木剣を切る積もりで切りかかると、ナーサは一歩踏み込み、切りかかった右腕を掴んだ。


「遊んでいるの?真剣にしなさい!!」


「トモヤさん、それはさすがにダメですよ。」


(ゲ!!2人からダメ出しもらった!怖いけど、もっと真剣にしないといけないな!)


「怪我させそうで怖かったんだ、これからは怪我させるつもりで行くよ。」


「はぁ~ダメダメだね!殺す気で来なさい!」


「え!!!それはさすがに!」


「何甘えてるの!練習にならないでしょ!」


「私が居ますから、大丈夫です!」


(聖女のニナがいるから大丈夫か!)


「分かった!真剣にやるよ!」


腕を放してもらい、今度こそ真剣に切りかかる。


まずは上段斬り、左に(かわ)された同時に木剣で腹にキツイ一撃をもらった。


「カハ!ゲホゲホ。」


「さっきよりマシだけどまだまだよ!」


今度は横払いで切りかかるが、バックステップで躱した後すぐに前にステップして、頭に【コン】と音が鳴るぐらいの一撃をもらった。


「いた~~!」


「良い音したわね!」


俺が左手で殴られた頭を摩ってると、ナーサの顔が怒った顔は消え、ニコニコ笑っている。


(殴られたお返しだ!)


「ナーサ、いつもその笑顔でいたら可愛いのに。」


「へ?|にゃにおいってるにょかにゃ《何を言ってるのかな》?」


ナーサの顔が【ボン】と音が出るぐらい一気に真っ赤になる。


「え、いや~ナーサって美人だから笑っているとモテるだろ~な~と思って。」


「ウヒョ~~~~~|ちぃみ、心ににゃいこといにゃわにゃいで《君、心に無いこと言わないで》!」


目がグルグルと回りだし、体まで真っ赤になってしまった。


(少しやり過ぎたかな?)


「ほら、ニナもそう思うでしょ?」


「し・り・ま・せ・ん!!」


ニナがプイとそっぽを向いた。


この日、これ以降練習にならず、2人の間をアタフタしながらウロウロするしかなかった。

面白いよ!

続きが読みたいよ!

頑張れよ!


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