君の手に触れただけで君の心の中が見えるなら? 僕は君の手に触れるのが怖い。
___僕は、物心つく頃から “他の人にない” 特殊能力があったんだ。
相手の手に触れただけで、その人が何を考えているのか分かってしまう。
それは、相手の心を見る力もあるんだよ。
僕の好きな女の子の気持ちを知る事ができるんだ。
・・・だけど?
僕は彼女の心を知ることが怖い!!!
___もし? 彼女に他に好きな男性がいると想うと?
僕のガラスの心が壊れてしまいそうで、、、。
僕は、君に近づくこともできないでいるよ。
*
___僕の名前は、『小園加 嶺一』31歳、電気関係の仕事をしている。
僕は、元々人見知りで恥ずかしがり屋で、奥手な男だ!
女の子と今まで、まともに話した事もない!
___そんな時に、僕の男友達が僕に気を遣って。
ステキな女性を紹介してくれたんだ。
彼女の名前は、『時中 いおり』26歳、事務の仕事しているらしい。
・・・正直言うとね!
今までにも、同じ男友達が僕に彼女ができるように、、、。
何度か? 女性を紹介してもらっていたのだけど、、、。
僕は、女性と二人きりで話した事がないから。
何を話していいのか? 共通の話題も見つからずに、、、。
いつも間ができて、無言でいる事もあったし。
当然だけど? 同じ女性と2度と会う事はなかったんだ。
・・・それに、たまたま相手の女性と手が触れる事があ
った時には、相手の考えている事が分かってしまって。
僕の方が、たまらず! 【スミマセン! 用事が出来たので、直ぐ
に行かないといけなくなって...。】 咄嗟に! 僕は、そう言って
家に帰る事もあったんだよ。
*
___その時、その相手が何を想っていたかというと、、、?
まるで、【僕の耳元で囁いているように聞こえるんだ。】
【あまり喋らない人ね!】
【もっと、男なんだから女性をリードしてほしいわ!】
【無表情で何考えているのか? 全然、分かんないじゃない!】
【わたしのタイプじゃないわ!】
【面白くないから、早く! 家に帰りたい!】
【こんな男とは、結婚したくないわね!】
【・・・取りあえず、いい訳を考えて家に帰れるようにしよう!』
だから、その女性に悪いと思って、僕から先に、、、。
『・・・あぁ! あのう、』
・・・いつも、こんな感じだよ。
▽
___でも、彼女は今までの女性と何かが違ったんだ。
それが、“何かは?” 未だに僕にも分からないけど...。
___だけど?
僕が、彼女に初めて興味を持ったんだよ!!!
彼女も、今までの女性と違って。
何度か? 僕は彼女と会う事が出来たんだ、、、!
___彼女と一緒にいると?
凄く! 癒されるというか? 和むというか?
僕は、彼女とずっと一緒に居たいって思ったんだ。
・・・でも?
彼女の気持ちが、僕と一緒なのかは分からない!!!
僕が頭の中で、葛藤している中、、、。
彼女から、話しかけられたんだ。
『___ねえねえ、小園加さん? あれ見てください! とっても
可愛いお花さんが咲いてますよ~』
『・・・そうだね! とてもかわいいね!』
『・・・何か? 悩み事でもあるんですか?』
『・・・えぇ!?』
『真剣な表情をしてたから? スミマセン! 話しかけない方がよか
ったですよね!』
『・・・いいんだよ! 別に何も考えてないし! いおりちゃんと同じ
モノを見て! 共感できたのが嬉しいんだ!』
『わーあ! 嬉しい! 小園加さんって、優しいですよね!』
『・・・えぇ!?』
『ウフフ。』
___このまま。
時間が止まればいいのにと。 何度も考える事があるんだ!
君といる時間は、特別な時間だから。
・・・だからなんだよ。
僕は、君の手に触れる事が出来ない!!!
僕は! この時間を今は! 一番大事にしたいから!!!
___こんなにも、失いたくないと想った女性は初めてなんだ!
いつまでも、僕の隣に、、、。
最後までお読みいただきありがとうございます。