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プロローグ
透き通る風の音のもとに1枚の花びらが落ちる
近くの川からは優しい音楽が鳴り響く芝生の上に
彼女が夢を見ている。
楽しかった日々愛おしい人の声信頼おける仲間の声
本当に幸せな日々
その思いを噛み締めながら毎日夢を見る。
そう、、毎日
気まぐれな風は眠っている彼女にイタズラをし
彼女の美しい銀色の髪を思い切り揺らす
目を開けた眠り姫はとても切なげだそれと同時に
とても小さな声で呟く
「、、ぅ、、、」
目からは止まらない涙。何故彼女はそんな顔をする
のだろうか
その本当の答えは彼女とあの人達が知っている。
銀色の彼女は立ち上がり後ろにある小さな家に入る
何故彼女は1人なのか何故泣いているのか
何故その二の腕にはそれがあるのか
世間の民は喜び溢れるだろう
そしてまた怒り狂い戦争が始まるだろう
何故って?それは彼女が
あのお方なのだから
そう、、、
あの薔薇姫
消えた黒薔薇の姫「アリア」様なのだから
ここは呪われた森の奥誰も分からない
薔薇も騎士も民もこんなに近くにいる事は知らない