05.現状
...え、私たしかに死んだよね?
さすがにあれで生きてるってことは無いわ。
いや、あったとしたら私本物の化け物だよ。自分が怖くなるよ。
なのに今私意識...あるよね。...はい。
なんでかなー。わかんないなー。
し、か、も、さっき美人さん巨人だと思ったけど自分がちっちゃくなってただけでした。
自分の手見た時の衝撃と言ったら...!
驚きすぎて寝てた子供用のベッドから落ちそうになっていつの間にか周りにいたメイドさん達の顔を青くさせちゃった。...て、てへぺろ?
まぁ、前世の記憶を戻してはや3日。今はやっと落ち着いてきた。
状況から察するにこれは、転生、ですかね。
前世ではチートで今世は転生って...もうラノベファンの夢詰め込んだ存在だよね、私。
さっき鏡で見た私の姿から察するにまだ1歳ぐらいかな?
太陽の光でキラキラと輝かんばかりの銀髪にどこまでも透き通っている紫水晶みたいな瞳。生まれてから1度も外に出ていない雪のように白い肌。そして、ピンクのバラのようなぷるぷるの唇とほっぺ。
...前世よりはましだ。(前世は綺麗系、今世は可愛い系なだけであってどちらも本人が無自覚なだけの美形だ)
ひとまず安堵する。
そして今世の名前だが、エリーナ・フォン・アペリアルと言うらしい。
アペリアル公爵家の第二子で長女である。
なんでももと侯爵家の父が前王の姉の娘である母と結婚し公爵家に上がったらしい。
フォンとは王位継承権を持つものが付ける王族の名であり、本当だったら侯爵家に降嫁した母は返上しなければならないものだ。
では、何故ついているのか。
それは、幼少の頃姉のように慕っていた現王がフォンの名はあるだけで何かに役立つだろうとシスコン的なものを発揮して名ばかりのフォンを渡したからだ。
そして、その姉大好きな現王は姉の娘である私の事もとても気に入っているようで私にまでくれた、という訳だ。