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【人工妖精作成計画】

【人工妖精作成計画】

人工妖精計画とは妖精の遺伝子を特殊な培養液の中に漬け込んで作り上げた人工的な妖精、神の模造品を作り出すものである。詳しい原理は解明されていないが妖精は生まれ持った特殊能力で混虫の力を取り込むことができる。人工的に量産が可能となれば大量の混虫による兵を量産することが理論上は可能となる。これより培養液より作成した人工的な妖精を壱號からの番号付けで呼称して実験を開始する。


八月九日 壱號作成。培養液から出した際に崩壊が開始。ほどなくして絶命。培養液の調整に失敗したものと思われる。


九月二十二日 弐號作成。培養液から外に出した際の構成物質の崩壊はなかったが、思考ルーチンに著しい問題が発生。研究員の喉笛を食い破った後に逃走。適切な形で処理される。細胞組織の崩壊を防ぐために吸血鬼の遺伝子情報を混ぜたことが失敗の原因であると考えられる。


十月十八日。参號作成。個体としては初の成功例となるが情緒面に不安定さが見られる。闘争を好まない思考ルーチンのために複数の薬物を同時に投与。発狂後に脳死状態となる。個体としては使用不可となったが、薬物投与の貴重な研究データが得られる素体となったためにさらに様々な薬物を投与。電気信号実験、シナプス実験、海馬実験など様々なデータを検証した後に実験に素体が耐え切れなくなり喪失。


十一月十五日。四號作成。非常に好戦的な思考ルーチンとなるが能力に著しい欠陥が発見される。混虫と融合させた際に乖離が不能となる。古くからの文献を調べると純粋な妖精族は混虫との融合、乖離が自在である記述が残されているために欠陥品であると判断。処理。


十二月一日。五號作成。思考ルーチンに問題はなく従順である。情緒面では初の成功例となるものの所有能力に異常が見られる。培養を急いだことが原因か。配合バランスなどの基礎データの基となる個体。以降の思考ルーチンは五號のデータを基礎とする構成とする。異常となる融合能力の欠如のために別実験である『蟲毒』実験の実験体として提供。番号認定は抹消。


一月六日。六號作成。思考ルーチン、情緒面ともに問題はなし。融合後の能力に他の個体と比べた際の若干の弱体化が見られる。乖離は可能のため、以降は六號を基本とした細胞構成で量産を開始し軍部への投入を検討する。



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