第二話(世界は怖い....。)
ブクマありがとうございます!
ぎりぎり間に合った市電の中でぼっちの俺は、どこかで聞いているかもしれない誰かさんに向かって問う。
君は『ヤンデレ』というものを知っているだろうか?
そう!主人公に好意を持ったが、その好意が強すぎるあまり、精神的に病んだ状態になることを指す....あれだ!
始まりは何かのエロゲーだったと思うけど..まあいいや。
School D〇ysなんて最高だったぜ!
なんでそんなこと聞くのかって?そんなのあたり前ではないか!
「ヤンデレは神だからだああ!」
......あ。
俺は周りを見渡す。
あるおっさんは、馬鹿を見るような目で俺を見ていた。
..すいません。
またある人は目をキラキラさせながらコクコクうなずいていた。
おお同志よ!
またまたある女子高生は友達と一緒に俺を指さしながら何か言っていた。多分キモイとかそっちの方面だろう。
そこで俺がとった行動は..
もちろん謝った。市電の座席に座ってから頭を下げたので会釈ぐらいにしかならなかったけど。
そこまで常識がないわけじゃないからね!....なんかきもくなったな。
顔を上げるとおっさんがふっと鼻で笑い顔をそむけた。
「はあ......」
ここでは何とか回避できたが、学校でも言ってしまいそうで怖い。
学校デビューは失敗はしたくねえなと心に決め、目を閉じ視界をシャットダウン。
これでいまだ来る冷たい視線も屁じゃねえぜ!
しかしなんでだろうか、目を閉じると睡魔が襲ってくる。
「寝るか」
目を閉じたままつぶやき、座席に深く腰掛け直す。
自己紹介の時のシュミレーションでも夢の中でしておくかと思いながら俺の意識は落ちていった。