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異能力『おとす』で俺はヤンデレハーレムを作りたいお  作者: 兜虫
序章(単なるフラグ立て)
2/36

第一話(引きこもりだけど今日から高校生活をまじめに始めることを決意する)

「うわっ、まぶし......!」


 俺は空を見上げ、余りのまぶしさに目をそらす。

 昨日までザーザー降ってた雨が嘘みたいだ。

 今日から新学期。そして俺が高校デビューを果たす日。

 梅は3月ぐらいには散り、今は緑色の葉がぽつぽつと見え始めている時期ごろ。

 家を5分前ぐらいに出て、300mぐらい進んだところで俺はビルの壁に手をついた。


「くそっ、ここまで体力って落ちるもんなのかよ......」


 足に伝わる疲労を感じながら俺は悪態をつく。

 ここ一年ぐらいしてなかったなと思い、母に『行ってきます!』と伝えて家を出たまではよかったのだが..

 何といってもカバンが重い!


「はあ......きちいな。やっぱ運動とかしとけばよかったか......」


 中には拡張現実オーグメンテッド・リアリティ起動装置トリガー。あと、俺は剣道やってますよーと言いたいがために持ってきた一本の竹刀と木刀。全部合わせて三キロ弱といったところだろうか。重い。


「ん?」


 そこで気づく。どこかからか何かが吠えている声が聞こえる。

 俺は後ろに顔を向ける。

 お、えーとなんだっけ?ネコ目イヌ科イヌ属までは思い出せるのだが、それ以降が思い出せない。

 んーネコ目って言われているぐらいだから猫か。猫か?

 そう考え、茶色の毛並みをもって普通の猫に比べ、かなり大きいはずの猫の頭をなでる。


「おーよしよし。いい子だねー。撫でてもにげたりしないなん......っていったあ!」


 かまれた!ガブリっていかれた!さっきは喉をゴロゴロ鳴らしてとても気持ちよさそうだったのに!まさか猫にも嫌われているのか!俺は!


「この、離れろデカネコ!」


 猫がびくっとして口を離す。デカって言われたのが聞いたのだろうか?

 まあいい。今がチャンスだ!

 俺は慌てて立ち上がり、全速力でダッシュする。


「チックショー!覚えてろよー!」


 そして、捨て台詞のようなものを吐いて逃げだした。

 違うからな!負けてないからな!



 一つ補足で言っておこう。そのとき見た猫を後々図鑑で見たら犬って書いてあった。


「はぁ......疲れた......ひどい目にあった」


 俺はゼイゼイと荒い息を吐きながらおもむろにかまれた指を顔のそばに寄せる。


「ん?あれ?」


 俺は頭にはてなを浮かべる。

 さっきかまれたとき血、出てなかったか?それに傷跡もなくなっている気がする。


 変だな......。やっぱ思い違いか?


 そう思いながら視線を前に戻すと近所の小学生が何やらこっちを見ていることに気が付いた。

 名前は..克人(ヒーロー)だったか?

 昔は名前が同じ(まあキラキラネームだが)ということで親が仲良くなり、よく遊んだものだ。

 昔つけていた幼稚園生用の黄色い帽子をつけておらず、裏は白、表は赤色の運動会で使われる為に開発されたはずの赤白帽をかぶっている。

 遊んでやっていたのがたしか四歳の頃だったから、今はその二年後。計算すると六歳、となるとヒーロー様は今日から小学校に初登校ということらしい。

 トモダチ百人作って、楽しく学校生活を謳歌しろよ。けっして俺みたいになるなよ。

 そう、心の中から本気で願いながら片手を挙げ声をかける。



「よう!ヒーロー!そういえば小学生になったんだな。元気にしてるか―」


 いかにも兄ちゃんっぽく、言ったんだ。いや言ったつもりだったんだ。


 だけど......


「ヒッ!」


 え、おい。


「知らない人から声かけられた―!怖いよー!」


 おい。


「うわーん!」


 お......


 ヒーロー君はそのまま駆け出していきました。

 俺は上げた手を下げることも忘れ、呆然と立ち尽くす。



 ......いや、わかってたんだ。俺の顔が怖いことなんて。


 目つきは鋭くて目力があるともいわれた。

 声は低く、怒った時なんてまるで覇王色の〇気を使ってるみたいともいわれた。


 まあ、ほんといろいろあったのさ。


 だけど..なんで俺のこと忘れているんだよー(泣)

 それだけは落ち込む。まじで。


「はあ......よしっ」


 過去は過去と、気を取り直し、俺は百均で買った腕時計を見る。


「あ、やっべ」


 市電に間に合うかなーとつぶやき足を踏み出した。

ブクマありがとうございます!

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