仰せのままに
あるところに、小さな国があった。
資源が少なければ、文明も栄えていない、貧しい国だった。
国を存続すべく、王とその家臣たちは、毎日のように論議を重ねていたが、結論が出ることはなかった。
そんなある日、この国に一人の男がやってきた。
彼はいろんな国を巡っているという。
その噂を聞いた王は、彼を城に呼び、他国がどのように発展しているのかを聞いた。
男は答えた。
「恐れながら申しますが、この国が発展できずにいるのは、この国を生かしきれていないからではないでしょうか」
「いかにも。しかし、どのように生かして良いか、分かるものがいないのだ」
「それならば、これはどうでしょうか」
そう言いながら男が取り出したのは、小さなロボットだった。
「このロボットは大変優秀なんです。常にメインコンピュータとアクセスしていることによって、情報が最新のものに更新されているので、どんな難題でも正確な答えを導き出すことができますよ」
「本当にそうなのか?」
「ええ。他の国でも採用されていますよ」
男の言葉に王は半信半疑だった。
しかし、この国政をなんとかしたいと、藁にもすがる思いだった王は、その男からロボットを譲り受けることにした。
男の言う通り、そのロボットはとても優秀だった。
野菜の育て方から、明日の天気、国で起きる犯罪まで、すべて言い当てた。
それに加え、国政の悩みや問題についても、常に的確なアドバイスを与えていた。
最初はこのロボットの言うことを信じていなかった王だが、あまりにもロボットの導き出す答えが正確だったため、そのうち疑わなくなり、ロボットのアドバイス通りに国政を行った。
家臣たちも、このロボットが言うことなら、と何も反論しなくなった。
その数年後。
小さかったその国は、周囲の国を吸収し、いつの間にか大国へとなっていた。
しかし、成長したその国に、王や家臣たちの姿はなく。
小さなロボットが1台、置いてあるのみだった。
ショートショート、すごく好きなのですが、面白い話が全く書けません…。
人の感情を揺さぶるような、お話が書けるようになるのが目標です。