特別編 《VRジーニアス》
時は遡り第一回イベント前、巨人モンスターの湧きが収まったダンジョンで全員で採取や発掘で素材を集めているレオ以外のメンバー。
「レオは相変わらずと言うか、戦闘に関して手を抜かないな。だからVR酔いになるのだから。」
アクエリアスは溜息をつきながら採取を行う。
「でも、レオ君だからこその集中力だよ。あのレベルの集中力の維持は難しいよ。戦闘に特化しているけどね。」
ジェミニが発掘しながら、アクエリアスの言葉を返す。
スコーピオンが採取や発掘をしながら周りの警戒をしていると、ある人物に視線が止まる。
何かを考えながら採取を続けるサジタリウスだ。戦闘中も要所で敵の隙を作り、使用するスキルも間違わない。更に弓と言う基本がある程度出来ないと使いにくい装備で自分達に置き去りにされること無く着いてくる。スコーピオンはとある‘‘可能性’’を考える。自分が至ったからこその《VRジーニアス》の可能性を。
「スコーピオン〜あんまり女の子をジロジロ見てたら変態さんと思われるよ〜。」
アリエスに言われて、スコーピオンは考え事を中断する。
「スコーピオンの考えてる事はね〜結局は結果論だからね〜考えてもしょうがないよ〜」
結果論、そう言ってしまえば確かにそうだ。《VRジーニアス》はVR空間内で結果を出しだからこその認定、結果を出さなければ認定されない。レオですら《VRジーニアス》の認定がされないのは脳の使用率は高いが行動が特化し過ぎていることや脳の使用率が高い時と低い時の差が大きい、それに加えてVR酔いになることらしい他にも理由はありそうだけどな。でも事実としてレオは《VRジーニアス》の認定がされていない。だからこその同類をオレの近くで探してしまう。
仲間内で何故、自分が至ったのか、自分は大した結果は残していない。レオの様に戦闘に特化している訳でもなければ、素晴らしい発想で何かを生産した訳でも無い。ただ‘‘倒した’’だけ『D.ファンタジー』でソロ討伐は不可能と言われたレイドボスを倒しただけ。
しかも運営がログを確認すれば仲間に色々な準備やLv上げ、戦闘中の動きの指導を受けた結果がレイドボスのソロ討伐。だからこそ《VRジーニアス》の認定がわからない。
オレの《VRジーニアス》は‘‘自分’’だけの力で倒した結果じゃない‘‘仲間達’’に頼り続けた結果の《VRジーニアス》だから納得はしないし出来ない。でも認定されてしまったから仲間内で探す同類を。
オレはそこまで考えて思考を切る。今は仲間と楽しいゲームをしている。難しい事を考えても馬鹿な自分には答えは出ない。なら今を全力で楽しめばいいと考えて。仲間達を見渡す。
自分には最高の仲間がいる。それで何の問題があるのか、問題なんて何一つ無い。楽しいならそれでいい。
「そろそろ湧いてくるぞ!採取も発掘も手を止めろよ!」
槍を構えて出現してきた敵に真っ先に向かって行く。
「さぁ、掛かって来い!!」
無駄な事を考えるよりも楽しんだらいいだけだ。仲間達も楽しんでるからな!




