さて頑張ろう6
お久しぶりです、久々に続きを投稿します。
ギルド内PvPから3日後の朝10時、俺は理々亜とスーパーに食材の買い出しに向かう準備をしながら他のみんなの話を聞いている。今日は何をやろうかと話をしているだけなんだ…だけなんだが…
「だから次のイベントに向けて経験値稼ぎでいいだろ?」
隆太の意見は要は全員で休憩を交代しながら経験値を稼ごうと考えているが宗介が…
「僕はみんなの武器の強化やメンテをした方がいいと思うな。」
と、言って…
「僕はギルドの店舗で販売してる商品をもう少し充実させた方がいいと思うよ?」
と陽司さんも意見を出して…
さっきから三人が主張する意見をやりたいと頑なに引かない。
三人が白熱した議論をしている中で理々亜以外の女性陣はスイーツを食べながら寛いでいる。
これは終わらないな…しょうがないか。
俺は手を叩き全員の意識を集めた。
「これじゃあいつまで待っても決まらないから俺の意見だ。PTを分けて行動すればいいだろ?やりたい事が同じ面子でPT組んでやればいいだけだ、全員で動かないといけない理由は無いからな。じゃあ買い出し行ってくる。誰か買い出しに来るか?」
結果的に三組に分かれての行動になった。
買い出しに俺、理々亜、祭。経験値稼ぎに隆太、香、朝日。装備の強化と販売物の追加に宗介、燕、陽司さん、姉貴、飛鳥、苺。
買い出しの俺たちはエレベーターの中で地下の駐車場に降りているが俺は頭を抱えていた。
「なんで今日は意見を言うのに効率的な動き方を誰も言わないんだ…」
理々亜が簡単な答えを出す。
「いつも全員で行動して意見が合っていたからじゃないか?前にも何回かあった事だから3人の話をスルーしていたんだろうな。紅が意見を纏めてくれるからって、紅葉さんと香は確実に紅の意見を待っていたな。」
溜め息をつく俺を理々亜と祭が励ましてくれる。気分を切り替えて買い出しに行くか。
車に乗り30分程の道を走り大型食品スーパーに到着。先ずはこの前の肉パーティーで大量に使った肉類を見に行くか。
この大型食品スーパーは購入金額で宅配サービスもあり各店舗で一回ずつの会計をする。肉屋で状態の良いブロック肉やスライスした薄切り肉に加工したベーコン等を選びながら祭を見ると視線が一点を見つめていた。
「祭?食べたいなら買うから言ってくれよ?別に何でも買うなんて言わないけどフランクフルトぐらい気にするなよ。おっちゃん、そのフランクフルト焼きたて3本を別に包んでくれる?会計は纏めてで大丈夫だから。」
祭は少し驚いた顔で俺を見る。俺、何か変なことしたか?
肉類の宅配サービスの書類に住所とサインをして宅配する肉類の内容を再度確認する。
「あの…理々亜先輩、ウチ紅先輩に気を使わせてしもた?ウチの家の買い物やったら決めたモンしか買わへんから…偶に欲しいモンあってもお母さんに自分で買うなら早よしいって言われるから…何か変な感覚やねん…」
紅も少し時間かかるみたいだから少し紅の事を知ってもらうかな。
「祭、紅は基本的に誰かと接する時は不器用なんだギルドホームの時もそうだっただろう?でも紅は不器用でも頑張って近づいて仲良くなる努力をする。今回は偶然だがフランクフルトって簡単なやり方があっただけだよ。」
祭はまた驚いて紅を見て私に気になっていた事を聞いてくる。
「紅先輩ってあれだけ纏めるの上手いのに不器用なん?ちょっとイメージしづらいけど何かわかりやすい話ってあります?」
紅の上手い部分と不器用な部分を説明する話…難しいな同級生なら有名な話だから考えたことは無いけど…
「私も上手く説明できるかわからないが一言で言えば人見知りをする大型犬と同級生が言っていたな。簡単には懐かないが懐くと凄く甘える、という感じらしい。」
私の言葉に祭は吹き出して笑った、紅を犬と表現したのがツボに入ったようだな。
「どうした、何か面白い事があったのか?」
フランクフルトを3本持って紅が戻って来て祭に視線を向けてから女同士の秘密とだけ紅に言ってフランクフルトを受け取って齧る。
「さて買い出しを早く済ませて帰ろうか。」
すでにフランクフルトを食べ終わった紅は串をゴミ箱に捨てて買い出しを続行する。
「あっ理々亜、確かゴミ袋が残り少ないから祭と一緒に買って車に運んでくれるか?あと日用雑貨品も思い当たる分は追加で買って車に運んでおいてくれ野菜や魚介類は俺が買って配達までやっておくから頼むな。」
そう言って私にマネーカードを渡して魚介類を見に行った。いいタイミングだな祭が聞きたい事があるなら答えられる範囲で話をするか。
「さて祭、聞きたい事があるなら可能な範囲で答えるからゆっくり話しながら買い物を済ませるか。」
祭からの質問に答えながら日用雑貨品で足りない物を買って車の近くの喫煙所で待っているだろうから連絡して車の移動と同時に拾ったもらうか。
「三連突き!からのシールドバッシュ!」
カプリコーンの実力を見るために狩り場を選んだけど何かチグハグな動きだな?何がって言われたら説明できねーのがモヤモヤして気になるな。
「アリエス、わかるか?オレがチグハグに感じる部分。何かカプリコーンの動きが悪く無いけど綺麗に動けてないんだよ。気になるな」
アリエスは少し考えて一言だけ一緒に戦って見ればいいんじゃないかな、とだけ言って魔法スキルで簡易的な安全地帯を作って本を読み始めた。
「カプリコーン!オレも手伝うからよフィールドボスを周回しないか?ここのフィールドボスはデカいイノシシだからカプリコーンのタンクの練習にちょうどいいぜ?」
カプリコーンは一瞬、本当に一瞬迷っていつも通りの元気な返事をするがオレはある事に気づいた。
「カプリコーンってもしかしてタンク役が嫌なんじゃねえか?」
カプリコーンは少し考えて頷いた。
「ならなんでやりたくない役やってるんだ?言いたくないなら無理には聞かねえけど溜め込むなら止めとけ、ゲームが楽しくなくなって嫌いになるからな。」
カプリコーンと一緒にアリエスが作った安全地帯に入って話を聞く。
カプリコーン曰く 他の三人と楽しくできて空いていたポジションがタンクだから。今更になって別の役割に変えたいと言い出せない。四人の時はタンク役で感謝されて尚更言えなかった。等の理由で本来やりたかった軽装の双剣使いを諦めていたらしい。
「ってか今からでもアビリティリセットしてやりたい事やればいいだけだろ?何で悩んでるんだ?今ならタウロスがタンク役やるから役割変更したって問題無いだろ?他に何かあるのか?」
するとアリエスがカプリコーンにした質問で答えが出た。
「カプリコーン(カプちゃん)は今更になってやりたい役割を言って気を使われたくないんだよね?だから我慢してるんでしょ?」
カプリコーンは気づかれた事に驚いたが素直に頷いた。
アリエスは本を読みながらこっそりとスコーピオンに個人チャットを送りカプリコーンが我慢していたタンク役の話を聞いて全部、吐き出させた。
「どうだ言いたいことを全部言ったらスッキリしただろ?んで、そのままタンク役続けるか? 役割変更するか? 決めるのはカプリコーンだから好きにすりゃいいけどな、やるからには本気で楽しんでやろうぜ?俺たちは最初から本気で楽しくやる為に色々考えたからな失敗したっていいじゃん、本気で楽しく感じたなら正しくゲームをやってる証拠なんだからよ」
カプリコーンは悩んだが答えを出す。
「よし!じゃあギルドホームでパパッと装備変えて狩りの続きするか!注文はしてあるから安心しろよ!」
スコーピオンとアリエスが立ち上がり驚いているカプリコーンと一緒にギルドホームに向かう。
「これで店舗用の装備は作ったから自分達の装備に集中しようか、みんなは大丈夫?疲れてない?ごめんね僕の意見から先にやってもらって。一度休憩しようか。」
タウロスの店舗の商品を追加したいという意見を先に済ませて自分達の装備の案を考えているとレオ、アクエリアス、ライブラがログインして来た。
満腹度の回復に料理アビリティを取得しているピスケス、サジタリウス、ヴァルゴが料理を作り出すとギルドホームにいた全員にスコーピオンからメールが来た。
不思議そうに全員が内容を確認して驚いたり慌てたりしている後輩達を落ち着かせて装備作成に戻るジェミニとタウロス。
まだ落ち着かない後輩達を何とか落ち着かせて話を進めていると定期的にスコーピオンからメールが届く。主にカプリコーンの装備作成の注文とアビリティリセットの確認だ。俺は迷わずにカプリコーンのアビリティリセットに問題無しと返し装備が出来上がるまでの引き止めを任せた。
後輩達を女性陣に任せて俺もカプリコーンが使いやすそうなナイフ類の作成に掛かる。
「ただいま〜帰って来たよ〜あっ執事さん、みんなは何処かな?」
執事は全員がリビングに集まっているとアリエス達をリビングにエスコートする。
リビングには………
いつも通りの時間が流れていて其々の定位置の席に座っていつも通り喋っていた。
カプリコーンの席にだけラッピングされた袋と布で包まれた棒状の物が二本椅子に立てかけられている。
だが周りの誰もがカプリコーンの席にある物には意識は向けずに至って普段と変わらない景色があった。
その穏やかな空間と時間にカプリコーンは大声で叫んだ。涙を流しながらありがとう、と今までで最高の笑顔で仲間達はハイタッチして喜んだりカプリコーンに抱きついて一緒に泣く後輩達だったり執事とメイド(サン)が予め用意していた料理をテーブルに並べてプチパーティーが始まった。
プチパーティー中にレオがカプリコーンにやりたいプレイスタイルを改めて確認を取り、考えごとをしたが一瞬の間でプチパーティーは最高潮に盛り上がった。
「じゃあ、そろそろログアウトして夕飯にするか?明日からも楽しくやろうぜ!」
スコーピオンの言葉がきっかけで続々とログアウトして行く。
ログアウトして夕飯になるとちぃとこぅも起きてご飯をねだる。俺が2匹のご飯を用意して全員で夕飯を食べ風呂も済ませて話題はA伝に変わる。
新たに取ろうか悩んでるアビリティやまだ情報が無い次回イベントの準備はどうするかと話が止まらない。
俺は煙草と言ってベランダに出ると宗介も来た。
「今回は珍しく紅君が解決しなかったね、隆太が良い所を全部持って言っちゃったよ。」
宗介が咥えた無害煙草に俺が火をつけて紫煙を吐き出す。
「宗介、お前知ってて朝のトラブル起こしただろ?多分、陽司さんと姉貴も知ってただろ?」
目を細めて宗介を睨むが……馬鹿野郎と言って宗介の肩に手をかけて…
「こんな良い事なら最初から教えやがれ!」
と宗介にヘッドロックを掛ける。宗介は笑いながら痛いと言いながらロープと叫ぶので解放して明日からの予定を相談する。
「聞いた分だけだが、朝日はある程度ソロでも何とかなる軽装の双剣使いを目指したいらしい。多分尖ったプレイスタイルより丸い万能型をイメージしてるから、その辺りも込みで明日からの予定組むか。陽司さんも来ないかな?組みやすくなるけど…」
俺の視線に気づいてくれてベランダに出てくる陽司さん。
「どうしたんだい?僕まで呼んで今日は隆太がMVPだから良いけどね。明日からの予定でも考えてるのかい?」
ベランダで無害煙草を吸う三人で明日からの予定を相談しながら部屋の中を見ると、かなり散らかっているが明日にでも片付ければいいと予定の相談を続ける。
声も静まり夜も深い時間になり姉貴と理々亜に香もベランダに出る。
「男だけで予定組んだら男臭い予定になるから私達も参加するわよ。」
姉貴らしい言い方で話し合いに参加して明日からの予定を調整する。
さて明日からも楽しいゲーム生活だ!
後輩組との仲良くなる話として書きました。いかがでしょうか?




