四十七 Sunny
あれは5万年前の夏、少年時代の私は走り屋サトルの改造サニーの助手席で青ざめていた。BGMはフルボリュームのサニーだった。
サニーイェスタデマイライフワズ ... ... ...
真夜中の峠道、フルブレーキングでコーナー進入、ガクンと体がドアに押しつけられる。リアがスライドしてタイヤが叫び、ハイビームが闇を切り払う。時間はS字を描いて流れていた。
マイライフ ワズタン ライクウインブロ サンド ... ...
前が未来、後ろは過去、、、。
あの時の感触と同じです、大気圏内でのドックファイト。
「また、1機、さようなら、BGMはBonyMのサニーです。」
でも、レプリカントは機体が爆発したくらいでは何ともないのです、名誉以外に空中戦の意味はないのです。
「戦況はどうですか、隊長さん。」
「地球軍機は全部撃墜、センキョーゥベリマッチです。」
「やべぇ、変なのが来ます、背中に羽根、黒タイツです。」
まさか、ブラックテビル?、アミダとしては最も嫌な展開です。
「隊長、とにかく私のいう通りにするんだ!」
「は、はやく、指示をー。」
「かえるのうたを歌うのです。」
「イエローさんもはやーく!」
「かっ?!えるーのうーたーがー」
「えっ?!るーのうーたーがー」
いいぞ、いいぞ、
「きこえてくるよ」
「こえてくるよ...」
「どうですか、『クワックワッ』とか反応ないですか?」
「やべぇ、ビーム被弾、離脱します。」
「行ぐぞ脱す!」
隊長さんごめんなさい、ブラックテビルじゃなくてテビルマンのようでした。
妖怪兵器がないとサイちゃんには太刀打ちできません。




