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幸福な日々  作者: 豊洲 太郎
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三十八 どうやら貴方の負けは確定ですね、支店長。

 「はい、山田です。」


 「アミダですが、ご昇進おめでとうございます、いま宜しいですか?」

 「あの世からの電話ですね、どうぞ。」

 「ちょっとお尋ねしたいことがありましてね。」

 「どうしました。」

 「契約社員山田さんの件ですが、、」


 「申し訳ありません、元部下のプライバシーの事はどうも、、、」

 「そこを何とか、、、」

 「私も今ではすっかりカタギで、妻子もありますので、、、」

 「世界平和に関わることなんです。」

 「なにぶん昔の事ですし、兵役時代のことは、勘弁して下さい、、、」

 「契約社員さんたちの生死に関わることなんです、もう1万年も車検無しで隠れているのです。」

 「ウチの会社では求人はありません、アイツはそういう奴なんです。」

 やっと、話す気になってくれたようです。

 「もし、ですね。契約社員さんと戦闘になったら勝てますか?」

 「諸元表では彼の方が火力は上なんですがね。あんな指示待ちのハナ垂れには、負ける気がしませんね。」

 「もし英会話やエクセルで武装していたら?」

 「、、、そ、そこは、私の、弱点かも知れないです。」

 やはり。

 「もし、ワードで差し込み印刷なんかされたら、職場の人気者。だんだんタメ口になって、若手で飲み会三昧。変な噂を流されて貴方はだんだん孤立化。立場上、会費を取られても誘われない貴方はオフィスで独り言しながらエクセル入力、グラフを作る段になって時計を見ると終電間近だ、そこに追い打ちをかけるように英語の電話です。そして翌朝、媚びるような愛想笑いの貴方がいる、、、。」


 「どうやら貴方の負けは確定ですね、支店長。」


 「無念です、、、。」

 サラリーマン山田のすすり泣きが聞こえてきます。

 「元気出して下さい、支店長。」


 「英会話なら私に任せて下さい。」


 「本当ですか?」

 「ちょっと教材代はかかりますが、効果は保証します。」

 「ありがとうございます、アミダさん。」

 「詳しくは、改めてご連絡いたします。無理を聞いていただき感謝しております。それでは失礼いたします。」


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