三十六 すみません、皆さんの元気もらいまーす
赤ふたを開けるとよい香り、よい気分になります。
ひとくち口に含むと、かなりよい気分になります。
口の中で転がしてからゴクリとのどに流すと最高の酔い気分です。
ついリラックスしてしまって、何となく携帯を取り出してなろうの「幸福な日々」のアクセス数をチェック、続いて吉祥先生の連載をチェック、、、。
わぁー、大変です、バッテリー容量が40%を切っていまーす。
やった、拉致部屋にコンセントを発見、即座に充電開始。
「すみません、皆さんの元気もらいまーす!」
(一同沈黙)
「あー、皆さんの電気もらいまーす、出世払いで、、、」
受けないので、本題に戻ります。
「あの、契約社員ヤマダがいるということは、派遣や、パートのヤマダさんが、、、?」
「そのとおりです、フリーターやニートのヤマダさんもおります。」
意外と量産されていたのですね。
「最新型といっても、もう数万年も経っていますの。
サラリーマンさんもそうでしょうけど、
あの子たちもいじめとかで疲れ果てています。」
ヤマダはたぶんMだけど、確かに疲れ果てています。
「やっと幸福な日々が訪れたのに、この就職難で車検も受けられません。」
そうなんですかー。
「反乱軍はこの子たちを狙って勧誘しているのです。」
「どんな勧誘ですか?」
「英会話とかエクセル教室です。」
「それで職に就けるのなら、、、」
「いいえ、職業訓練は名目で、実戦経験の少ない新型にスキルを身につけさせて、旧型との戦闘に備えているのです。」




