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第八話『結局奴隷にすることにした』

「誰だ?」


 俺はいつの間にか村の内に入ってきていた、馬車に乗っているローブを目までかぶっている男と思わしき人物に警戒しながら聞く。

 本当にいつの間に来ていたんだ? 村人もみんな驚いている様子からして誰も気づいていなかったようだ。

 

「初めまして。今日はお日柄もよく…………」

「御託はいい。面倒だ。簡潔に、五秒以内にまとめろ」

「私は奴隷商です。奴隷について困ってそうだったので話しかけました」


 おお、早口で言い切ったな。

 というか奴隷商か。いろいろ話を聞くか。

 奴隷商は俺に向かって歩いてきた。

 

「そんじゃ、こいつらを奴隷にしたいのだが」

「いいですけど、全員ですか?」


 奴隷商は俺に、OKだと言った後村長に全員ですか? と聞いた。

 村長は、うぬと頷いた。おいおい、村人の意見ちゃんと聞けよ。

 だが、村長に反対するのもは一人もいなかった。逆に賛成とでもいうようにうんうんと頷いていた。

 おいおい…………そんなに俺に復讐したいのか?

 奴隷になったら俺に攻撃できないのによ。


「お前ら本当にいいのか? 悪魔だと言っていた俺だぞ。しかも奴隷になったら主人の俺には攻撃できないんだぞ。

 正直俺の命を狙ってきたお前らに同情なんてしない。

 逆に俺の奴隷になったらお前らを馬車馬のごとく使いまくるからな」

「「「はい!」」」


 なんなんだこいつら……奴隷になるのが嬉しいなんてどんなプレイだよ。ドM過ぎるだろ。

 まあ、いいや。こいつら働かせて稼ぐか。戦争になったら戦争にかり出してやるし。使い道は多そうだ。

 俺は奴隷のことについて奴隷商に聞く。


「そんじゃ、詳しいことを聞いて行きたい。奴隷についてのことをほとんど話してくれ」

「はい。分かりました。

 奴隷とは主人の持ちものとなります。戦争で使おうが、農作業で使おうが、性的なことで使おうが主人の思いのままです。

 ですが、奴隷にも最低限の処置は行わなければいけません。寝食の用意や、死に至るような暴行はしないなどです。なんでもいうことを聞く使用人みたいな考えがちょうどいいかと思います」


 ほうほう。寝食の用意をしなければいけないのか。五十人ともなると金がかかるな。

 ってなるほど。こいつらは俺からせびろうとしてたわけか。

 村の金は全部奪われたし、ここにいても全員死ぬから俺について行こうというわけか。

 チッ、ならいいや。余計な金は使いたくねぇ。


「あ~、やっぱいいや。寝食の用意とかしないといけないんだろ? 余計な金がかかるからいいわ」

「待ってください! 食料や寝床は自分たちでなんとかします! ですからお願いします!」


 俺が断ると村人が俺に懇願して来た。

 なぜだ? お前らの目的はなんなんだよ。

 そういえば奴隷が主人に攻撃できるのか聞いてなかったな。


「一応聞いておくが、奴隷は主人に攻撃は出来ないんだろうな?」

「もちろんです。物理的な攻撃はおろか、間接的な攻撃、つまり毒を盛るなど主人の害になるようなことをしようとすると奴隷を苦しめます」


 そうなのか。だとやっぱり村人の考えが分からん。

 まあ、いいや。馬車馬が増えてラッキーということだな。

 

「じゃあ、あいつらは食料も寝床も自分たちでなんとかすると言っているがその場合用意しなくても問題ないか?」

「はぁ……そういう展開はなかなかないですから。私も初めてですよ。奴隷が主人にこんなに尽くしたいと思っている姿を見るのは」


 なんか勘違いしているようだが、まあいい。


「なら奴隷の登録? を頼む」

「はい。わかりました。では村人さんは私の前に一列になって並んでください。あと、全員ということですが、子供もいいのですか?」

「はいもちろんです。よろしくお願いします」


 村人たちは奴隷商の前に一列に並ぶ。

 奴隷商は俺に所持者という証を作るために血をくれと言ってきた。

 俺は指先を軽く切って血を数滴小さな皿に落とした。

 奴隷商は満足して村人の列の最前列へと向かって行った。

 





 奴隷商がこれだけの契約となると時間がかかる、と言っていたので俺は王国軍の兵士たちを見に村の周りを見て回っていた。

 肩口から胴まで切り裂かれたものや、腕を切り落とされたもの、様々なやつがいる。

 死体からは異臭が立ちこめ、空気を吸うと脳に衝撃が走る。

 前世でグロ画像とかめっちゃ見てきたけど現実は違うな。

 だが、盗賊のときと同じように罪悪感とかはない。元々俺は人間が嫌いだ。狡猾で卑怯で欲深い。それに俺の命を狙ってきた。命を狙うなら命を狙われることも考えているだろう。

 目には目を、歯には歯をが俺の座右の銘……かな?

 まあ、やられたらやり返すってこった。

 それにしても…………


「おえーーーーーーーーー」


 この匂いに耐えれなくなってとうとう我慢出来ずに吐いてしまった。

 










 俺はひとしきり吐いてなんとか持ち直したあと、村人たちのところへ戻ることにした。

 前世で人間滅ぼしたいとか思ってたけど、こんなグロいなんて思わなかった。いや、グロいとは思ってたけど視覚以外にも苦しい部分があってきついな。

 

 村人たちのところへ戻ると、ちょうど最後の一人にまで減っていた。

 全員きっちりと数列に並んで待っていた。

 

「はい、終わりました。主人に尽くしてくださいね」

「はい!」


 最後の一人も終わったようだ。

 ってこいつら本当に奴隷認証みたいなやつやったのか? 本当はやってなくて俺の寝首をかくとか出来そうだな。

 俺は奴隷商に聞いてみる。


「おい、奴隷商。もし、こいつらが俺を怒らせた場合、俺はどうしたらこいつらを罰することができる?」

「罰する、と念じれば指定の奴隷を苦しめることが出来ます」


 俺は罰する、と念じてみる。

 指定は? と脳内で聞かれたので、全員と答えると。


「「「うわあぁぁぁぁあああ!!!!!」」」


 村人……これからは奴隷か。奴隷は急に胸を押さえてうずくまって叫びだした。

 こんな感じで苦しむのか。

 俺はどうしたら止めれるかと思い、なんとなく心の中で、許す、と思うと奴隷たちは叫ばなくなった。


「ほう、ちゃんと全員奴隷にしたようだな」

「本当かどうか確認するために主人の力を使うとは……」

「外道か? どうとでも言え」

「はい、無表情で相手を苦しめ何も感じない。私楽しみになってきましたよ」


 奴隷商はふふふ、と不気味な笑みを浮かべると頭を下げた。


「では、私はこれで行きますね。あなたとはまた会いそうです」

「いや、ちょっと待て。盗賊を二十名弱捕まえたからそいつらをやる。どうせ奴隷にするのもただじゃないんだろ?」

「よくお分かりで。言わなければ自分の物で出来たかもしれないのに。まあ、そんなことしたら私の戦闘奴隷で殺しますが。やっぱりあなたは面白そうです。ぜひまた会いましょう」

「俺は会いたくないがな」


 奴隷商は盗賊を受け取ると、ではと言って馬車を引いて行った。

 危ない危ない、危うく戦闘になるところだった。

 でも、なぜかあいつとはまた会う気がする。

 俺は奴隷へと向き直る。

 多少痛みがとれたのかなんとか立ち上がってこちらを見ていた。


「そんじゃ俺らも行くぞ」

「はい! どこまでもついて行きます。ご主人様!」


 男に言われるご主人様は気持ち悪い。

 だが、これで多少の戦力(とはいってもブライ一体分にもなるか分からないが)と俺の手足となる奴隷が手に入った。

 よし、これから金集めて国落とし、しますか。

 俺は、国王を足蹴にするのを想像して笑うのだった。

 

なんかもう、怖いですww

今までしょうもない作品ばかり書いてきたからか(今回もあれですが……)このお気に入りと評価の数でびっくりしてお茶を噴出しました。キーボードがべちゃべちゃ……

ま、それはおいといて感想・アドバイスお待ちしております。もちろん評価もです(*^-^)

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