第四十五話『ビルス帝国の決断』
遅くなりました(--;)
スーラたちの魔力が尽きた今攻め込むのは止めたほうがいいよな。
そう考え、更地の中心にポツンとある森の中で俺らは休んでいた。
「どれくらいで回復しそうだ?」
俺がそう問うとスーラは横になったまま指を一本立てた。
「おう、一時間か。案外はや……」
「んなわけないでしょ! 一日よ! 精霊は魔力が多いのはもちろん、回復速度も人間なんかとは段違いに速いんだけど、全快するには丸一日かかるのよ」
へ~、人間も魔力が尽きたら全回復まで丸一日かかるんだ。ま、魔力回復速度上昇とかそんな感じの装備がありそうな気がするが。
って今はそんなこと考えていないで、これからどうするかを考えねば。
とりあえず城攻めは明日に見送るとして寝床だな。
そういえば俺って拠点とか作ってないよな。
拠点とかやっぱりあったほうがいいのか?
でも結局は世界を征服しに回るわけだから使わなくなるよな。
っと、話が逸れた。今日はどうするかだったな。
とりあえず今日は野宿でいっか。元造幣所まで戻るのも面倒だし。
あ~、でもここら一帯更地だから食べ物が…………戻るか。
そう判断した俺はアヴァロンAに乗って戻ることにした。
エイクたちもアヴァロンに乗せる。なんかアヴァロンにも区別つけたほうがいいな。同じアヴァロンだと指示を出すときに困るかもしれん。てか絶対困る。
そう考えていると先ほど一体消失したことを思いだした。
補充しておかないとな。
俺はアイテム袋からノンスール硬貨の白金貨を一枚取り出す。
そしてポイッと前に投げ捨てていつもどおり言葉を言う。
「【ここにある白金貨一枚と引き換えに我が忠実なる聖騎士を召喚する。いでよ! アヴァロン!】」
俺は言葉を高らかに言った。
だが、いっこうに光りが出る様子がない。
しばしの静寂。風が虚しく吹き荒れる。
なんか急に恥ずかしくなってきた。今まで普通に叫んでいたのになんでだよ……
ふとアヴァロンに乗ったエイクたちを見上げると、あれ? といった顔でこちらを見つめていた。こっちを見るなボケ!
チッ、どういうことだ? 今アヴァロンはここに九体、ノンスールに五体、計十四体だから召喚制限は大丈夫なはずだぞ。
…………わからんな。諦めよう。
こういうのは諦めが肝心だ。わかんないなら後回し!
俺はピョンッとアヴァロンAの肩に乗り、進ませた。俺の身体能力がおかしな気がするが異世界で細かいこと気にしてもしょうがないだろ。
一日休んだら城攻めいきますか。
でもなんかもう面倒だな。歩いたりいろいろして疲れたし。
そうだ、明日は指揮とか全部アヴァロンAに任せて俺は高みの見物としよう。
いや、スーラたちに城壁でも吹き飛ばさせるか? そうすれば降伏するかな?
とりあえず明日はさっさと終わらせたい。久しぶりにふかふかのベッドで寝たくなってきた。あ、それなら城を吹き飛ばすって案は使えないな。やっぱブライでゴリ押しか……いや、それだとブライを倒すやつらに蹂躙されちゃうし……
なんて思考の海にどっぷり嵌っていると山についた。
日は暮れ始め、空はオレンジと黄色を混ぜたような色になっている。鼻には焼け焦げた匂いが入ってきて少し不快な気分になる。
相変わらず山の入り口付近は焼け野原と化している。敵がやったんだけどな。
アヴァロンが風を切って走り続けるとすぐに木々が生えているところまで登った。
森に入って焦げた匂いはマシになったが、薄気味悪さを感じた。
日が沈み始めたからか、森の中は薄暗くなっており木の葉の擦れる音しかしない。生き物の気配もしない。動物はおろか、虫すら見かけないのだ。薄気味悪すぎるだろう。
徐々にスピードを落としていき、次第に歩くペースに落ち着いた。
エイクたちはさっきまでアヴァロンのスピードに興奮していたが、今は落ち着いて…………はいないな。ギャーギャーうるさい。
しばらく歩くと、開けた場所に出た。
ガンガンとなにかを打ちつける音、誰かが指示を飛ばす声、それに対しての返事。
いろんな音や声が聞こえる方に目を向けると、ドワーフのやつらがせっせと動いていた。
なんだ? と思いよく見ると家の土台らしきものが作られていた。
近くでは丸太を切っているやつや、その丸太を運んでいるやつ、運ぶ丸太を作っているやつなど作業を分担してなにかを(ていうか家だな)作ろうとしていた。
アヴァロンAを見ると、どうですか? みたいな雰囲気を出していた。多分ちゃんと働いているこいつらを見てもらいたかったのか。
「こいつらはどうでもいいから早く寝床へ連れて行け」
アヴァロンは困ったような雰囲気を出していたが、俺が目を細めるとすぐに走り出した。
まあ、働いているところはちゃんと見た。あいつらの仲間はちゃんと助けてやろう。…………生きているか知らんけどな。
縁起でもないことを思いながら俺は寝床へつくまで目を瞑っていた。
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森で謎の大爆発が起きた頃、ビルス帝国では緊急会議が行われていた。
城の一室に国の重鎮たちが集まり、話し合いというかただ喚き散らしていた。
「だから言っているであろう! あれほどの極大魔法……いや、それすらも超えているような者たちを相手に勝てるはずがない!」
年老いた腰が曲がっている老人は円卓をダンッと叩く。
「しかしあれほどの魔法、そう何発も連発できるはずもなかろう。それなら今が攻め時だ。すぐに精鋭だけでも先に出動させて敵を足止めさせるべきだ」
若く、いくつもの傷がついた鎧を着た者が言う。その鎧はいくつもの戦場を切り抜けてきたことを思わせる。
若き者は老人にキッと睨まれるが気にせず堂々とした姿勢を保つ。
「だが考えてもみよ。今回の少ない情報では、今までに見たどの敵とも違う特徴を持った敵が現れたそうじゃないか。敵はまだなにかを隠し持っている可能性が高い」
悠々とした口調でそう言うのは貫禄をかもしだしている男。
数々の修羅場を切り抜けてきたと思わしき貫禄を放つその者はフルへイムをかぶっていて表情は読み取れない。
「だがそのようなことを言っていては……」
「もういいよ。まとまらないから」
先ほどの若き者が喋っている途中で女王が口を挟んだ。
みな口をつぐみ、女王の言葉を待つ。
女王はみな自分の言葉を待っているのを確認すると口を開いた。
「交渉をしてみよう」
なかなか続きが思い浮かばず二日も過ぎてしまいました!
ついでに面白そうな小説を読んでいたらかなりの時間が……
言い訳? を活動報告に載せておきますのでよかったらどうぞw
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