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第四十二話『またまた新たな?』

 あれから五日経った。

 ビルス金貨はドワーフの髭モジャ共の働きで約千枚作られた。

 そろそろかなと思った時ちょうど偵察のアヴァロンから情報が入った。

 ようやく敵が動き出したようだ。


 この五日は暇だった。

 両側に寄り添っているエイクとプリルを見る。

 そういえば、エイクが、遊んで! と言ってきたので暇潰しにと付き合ったときは散々だったな。

 あのやろうニコニコしながら何かを取り出したんだ? と思ったら木剣じゃねぇか。

 初めて遊ぶからだろうか、俺の制止の声も聞かずに斬りかかってきた。

 確か奴隷は敵意のある攻撃をしようとすると苦しむんだっけ。俺に攻撃しようとしてるけど、エイクは苦しんでいるような表情はしていなかった。

 つまり敵意はないのだ。いや、その木剣結構しっかりしてるから! 当たったら骨とか余裕で折れるから!

 全く、いったいどう育ったら戦いが遊びになるんだよ……

 俺はレベルの恩恵の反射神経&瞬発力で避ける、避ける、避ける。当たったら大変なことになる。あ~、回復形のやつ召喚したいな。

 そんな俺を喜々として追い回すエイク。

 エイクの様子はさながら犬が新しいおもちゃに夢中になっているようだった。

 



 …………………………


 俺は過去の振り返りから戻ってきて虚空を見つめると無言で拳を握る。


「いてっ! いきなりなにするんだ兄貴?」


 なんか思い出したらむかついてきたので俺の近くにいるエイクに拳骨をお見舞いした。

 エイクは頭を抑えて俺に抗議の目で訴えかけてくる。俺はそれを華麗にスルー。

 

 顔を背けた先にはプリルがいた。

 俺がジッとプリルを見ているとプリルは小さくプイッと顔を背けた。

 そういえばこいつも……

 プリルもやたら、遊んでほしいな、とせがんできたな。

 あれはエイクの後だったからイライラしつつも、こうなったら遊んでやるよ! とわけのわからないことを口走りながら付き合ってやったっけ。


 プリルの遊びは鬼ごっこと少々意外だった。いや、エイクがおかしいのか。

 普通の遊びでよかった、と思ったいた。

 しかし、いざ始まってみるととんでもない鬼ごっこだった。

 ルールは前世と同じ。鬼が逃げる人に触ったら鬼が交代する。

 ここまではいたって普通だった。

 でも鬼が逃げる人を捕まえる方法がえげつなかった。 

 

 まず鬼は石でも何でもいいので飛び道具を持つ。この時点でおかしい。

 そして始まると鬼は十秒数える。ここは普通。

 十秒経つと逃げる俺の足元になにかが刺さった。はい、これおかしい。

 俺は嫌な予感がして五感を最大限敏感にさせた。するとまたも風を切る音が複数。これもおかしい。鬼ごっこで風を切る音なんて聞こえない。

 俺は瞬時に横に飛ぶと俺の居た場所にグサグサッと先が丸くなっている矢が刺さっていた。これ鬼ごっこじゃない。

 と、それを呆然と眺めていると遠くから、ギャアァァァア!!! と悲鳴が聞こえた。これなんていうデスゲーム?

 俺は無言で部屋へと戻ったな。



 

 …………………………………

 

 またも過去の振り返りから戻ると手を指先までピシッと伸ばして振り上げる。


「キャッ! うぅ……お兄ちゃんなにするのよぉ~?」


 俺は無言でプリルの脳天目掛けてチョップする。プリルは涙目で頭を両手で押さえながら俺をその潤んだ瞳を使った上目遣いで見てくる。

 



 さて、こいつらはこれくらいにして敵はどうするか。

 とりあえずどんな感じか聞かないと。

 

「敵の数は? 後どれくらいでつく? ここに向かっているのか? 複数個の部隊にわけて行軍しているのか?」


 このくらいか? とりあえずこれ聞けば理解出来そう。

 

「カズハヤクニマン。アトフツカホドデキマス。モクテキチハココデス。ミタカギリハチコノブタイデイドウチュウデス」

(数は約二万。あと二日ほどで来ます。目的地はここです。見た限りは八個の部隊で移動中です)


 敵の数多いな。この中に多分精鋭とかいるんだろうか?

 しかもまだ帝国にもいるんだろ? 小国のくせにめっちゃ強いな。いや、小国がこの強さなのか? ……大国はより慎重に行こう。

 そして二日か。ここに来るらしいし、ここで迎え撃つべきか?

 でも、食べ物とか困るしな~。兵糧攻め? ってやつやられたらたまらない。山が燃えたことで全部逃げて行ってしまったからな。

 部隊八個か。


「部隊って全部バラバラに移動しているのか?」

「ハイ、ギリギリミカタガミエルイチヲイジシナガラコチラヘムカッテキテイマス」

(はい、ギリギリ味方が見える位置を維持しながらこちらへ向かってきています)

 

 う~ん、各個撃破は難しそうだな。

 いや、速攻で味方が増援に来る前に倒せばいいんじゃね?

 …………これっていわゆる脳筋思考だよな。冷静になろう。

 俺は一旦目を閉じ、腕を組み、俯いて頭を回転させる。少ない脳をフル活用して考えるんだ……


 そして俺は頭の上に豆電球が出たかのように顔を上げた。

 真顔でアヴァロンを見つめて口を開く。


「今回はちょうどビルス金貨も出来たことだし、その力を試してみるか」


 マイトスの極大魔法で蹴散らす、という案も出たが、また敵が魔法妨害魔法を使ってくるかもしれないし、それを対処してもまたそれに対処してきそうだしな。

 それに金貨百枚で出る騎士? 戦士? がどんなのか見てみたいしね。




 ということでわくわくした様子のエイクと、不安そうなプリルと、若干悲しそうにするアヴァロンを連れて外に出る。金貨もちゃんと百枚袋に入れて持ってきている。ちなみにスーラたちは探検い行ったらしい。なんでもあの精霊の泉から出た事がなかったので外の世界が珍しいらしい。俺だってこの世界のもの全部珍しいわ。

 さて、俺は早速この前の戦いで焼けていない地面にザザーッと金貨を落とす。

 俺はアヴァロンと同じ金額――白金貨一枚=金貨百枚――を設定して言葉を思い浮かべる。

 その言葉をゆっくり間違えないように一言一言はっきり言う。なんか緊張してきたな。


「【ここにある金貨百枚と引き換えに我が剣となる重戦士を召喚する。いでよ! バルダ!】」


 金貨の小山は光り輝き、辺りを赤く染める。

 だんだんと光りが弱まり、目が見えるようになってきたとき、そいつは目の前に立っていた。

 全身は真紅に染められており、厳ついヘルムをかぶっている。

 手に鎖を持っており、その先を見ると直径一mはあろうかというトゲトゲがついた鉄球がつないで合った。

 そしてそれを振り回すであろう体はブライよりも一回りも二回りも大きい。

 高さは二mをゆうに超えており、鎧の一つ一つのパーツが全て分厚そうだった。普通の人がこの鎧を着たら重さで潰れそうだ。

 今までの鎧とはまた違った形だな。てっきりアヴァロンみたいなやつが出てくると思ったんだが。


 そいつは俺の前に来て、俺をまっすぐ見つめる。

 

「ゴメイレイヲ」

(ご命令を)

「よし、成功だな。ちょっとそこで待ってろ」


 俺はそう言うと金貨を取りにアヴァロンと戻り、パンパンになった金貨がたくさん入った袋を数個持ってきた。

 それらを全てさきほどと同じところにぶちまけ、言葉を言う。


「【ここにある金貨全てと引き換えに我が剣となる重戦士を召喚する。いでよ! バルダ!】」


 先ほどよりも強い光りが辺りを染める。

 真っ赤な光りが弱まり、ピンク色くらいになったとき目を開けれるようになった。

 目を開けると、徐々にいつもどおりとなる景色の虹彩と目の前にいるバルダの姿が見えた。

 そして俺の前に来て首をやや下に向け俺を見つめる。でかいのが目の前にこんなにいると迫力感が半端ないな。


「「「ゴメイレイヲ」」」

(((ご命令を)))

「お前らは今ここに向かって来ているビルス帝国軍を相手してもらう。好きに暴れて来い。撤退はないからな。敵を殲滅するか、お前らが全滅するかの二択だ。分かったらアヴァロンに案内してもらって行け」


 俺がそう言うとバルダたちは歓喜した。といっても声は出していないし、鎖をジャラジャラと音を立てながら腕をぶつけ合っているだけだ。

 と、その間に俺はアヴァロンへと近寄り、小声で話す。視線は前を向いたままだ。


「こいつらを案内してこいつらの強さを調べて来い。あと、敵の被害の大きさや、敵の大将とか出てきたらそいつの情報。ついでにバルダがやられたらなんでやられたのかとかも調べて来い」


 ここまで言った時アヴァロンAはバルダたちに引き摺られるようにこの場を去った。

 さて、どれほどの強さなのかな? 

 俺はそう思いながら自分らの寝床へと向かう。

 チラッとエイクとプリルを見てみると鋭い眼光で辺りを警戒していた。

 

 そのとき山に空気を振るわせる爆発音が鳴り響いた。

 












 やばい、このままだと本当にゴリ押し展開になってしまう……

 とりあえずビルス帝国陥落まではゴリ押しで行きます。そのあとは……なんか弱点とか出して見ますよσ(^_^;)アセアセ...

 なんかこう、案をくださると嬉しいですね。

 「子供たちを攫わせる!」とか「ブライたちは極大熱魔法で溶かしてやる!」みたいな。今後の展開を考えれるようなものだとなおいいです。

※くれたらいいな~、程度です。ちゃんとおれ自身も考えますよ?



 感想・アドバイス・上のあれお待ちしております

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