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第三十話『神様からの贈り物』

 俺は目を覚ます。

 あのクソ神。絶対仕返ししてやる。

 そう思いながら目を開ける。

 すると目の前に飛び込んできたのは涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったプリルとエイクの顔だった。

 俺が目を開けるのを見て笑ったかと思うと俺の体に顔をうずめて泣き出した。

 俺がチラッと視線を他に移すとプリルとエイクのすぐ後ろで他のチビ共も泣いている。

 更に後ろにはブライとアヴァロンたちが勢揃いで直立していた。どことなく心配そうな雰囲気を出している。


「鼻水と涙で服が汚れる。離れろ」

 

 俺がそう言うとプリルとエイクは大人しく離れた。

 俺は上体を起こし周りを確認する。

 ここは…………医療室か?

 なかなか広い部屋で、ブライたちの隙間から覗ける奥にはなにかが入ったフラスコなどが置いてあった。

 いや、普通これだけで医療室と判断するのはおかしいのだが、どうしてもあのフラスコの中身がポーションに見えてな。

 と、それはともかく俺はわき腹を見る。

 わき腹は淡い青色の光に包まれ、肉がもりもりと再生していた。うげ、気持ち悪い……

 でも、心なしか痛みは幾分マシになっている。

 俺はアヴァロンを呼び、俺を肩に乗せさせた。

 

「お兄ちゃんどこに行くの?」


 下に目を向けると泣いた後でまだ目が赤くなっているプリルがこちらを見上げて不安そうに言った。

 

「ああ、この国は多分外にある城壁で戦うことを想定していたんだろうから今からはそいつらを掃除しに行く。おそらくこの城にいた兵士の数倍はいるだろう」


 普通に考えてそうだ。

 門から城まで一直線の道。しかも東西南北全てにある。

 それはあの頑丈そうな城壁で敵を食い止めるため、迅速に食料や武器の補給を行うためだろう。

 まあ、その城門を開けっぱにしたり、簡単に町へ人を入れたりと馬鹿なところを探せばいくらでも出てくるが、まあそれは異世界だし……ね?

 そういうことで外にいると思われる兵士を殲滅しに行く。これで、兵士がそこまでいなかったら……たんなる馬鹿だな。他の国の攻略が楽になりそうだ。

 するとプリルは俯いた。数瞬後キリッとした顔つきで顔を上げたかと思うと、


「私もついて行きます!」


 とのたまった。

 

「は? 無理」


 俺は即答した。

 

「はい! ありがとうござ……え?」


 プリルは、分かったついて来い、と言われるのを想定していたのか途中まで礼を言っていた。

 いやいや、こんなやつ連れて行っても足手まといだし今の俺には白金貨五十枚あるし。

 そんなやり取りをしていると、エイクが割り込んできた。

 

「兄貴! 俺も連れてってくれよ!」

「だから無理だ」


 エイクまでもが足手まといになろうとする。

 全く、こいつらは自分の力量を見極めろ。じゃないとすぐ死ぬぞ。

 俺はアヴァロン一体だけ、チビ共を見張っとけ、と言うと他のやつらを全員引き連れて医療室を出て行った。

 こいつらには力をつけてもらって稼いでもらわなあかんからな。





 俺は城の外に出て立ち止まるよう命令する。

 さて、もう行きますか。


「そんじゃアヴァロン、ブライ。最後にもう一暴れだ。派手に行ってこい」


 俺がそういうといつもより強く頷き、いつもより幾分か速いペースで走り出した。どことなくブライとアヴァロンたちに怒りのような感情が見えたのは気のせいだろうか。

 あ、四方向に別れさせるの忘れてた。

 ま、いっか。

 俺はアイテム袋を逆さにして『白金貨十枚』と思うとアイテム袋から白金貨が落ちてきた。

 目の前にばら撒かれた白金貨を見て言葉(・・)を言う。


「【ここにある白金貨十枚と引き換えに我が忠実なる聖騎士を召喚する。いでよ! アヴァロン!】」


 そして発光し、現れるアヴァロン。

 そいつらに俺は命令を与える。

 

「よし、十体全員いるな。それじゃお前らは四方に散って軍隊を無効化してこい。殺しても構わないが掃除が面倒だぞ。ちなみに住民には手を出すな。反抗してくるやつは手を出しても構わん。行け」


 俺は早口にそう言うと アヴァロンはコクリと頷いた

 俺は門の外にいるため、ここまで一直線に通っている町の外へと続く門が月光に照らされてわずかに見える。暗闇にも大分慣れてきたな。

 ここからは、無音で信じられないような速さで門へと走るアヴァロンと、がちゃがちゃと大きな音を立てながらそこそこ速く走るブライの姿が確認できる。あいつらは南門担当か。

 本当は俺も戦場に行って上から高笑いをして敵兵士を怒らせてから虐殺したかったのだが……あ、殺しちゃいけないんだ。

 とにかく豚王の時もそうだったが、人間は最後の最後まで何をしてくるか分かったもんじゃない。だから今回は見送りだな。


 俺はひんやりと冷たい夜風を頬に受け、アヴァロンの肩の上でこれからの計画について考える。


 まずは奴隷商だな。奴隷商を脅して使える貴族を奴隷化。甘い汁すすってただけで能力のない豚共は追放。

 俺の国にゴミはいらん。あと政治をさせるものは全員俺に絶対服従だ。

 反旗を翻すなんてことになったら面倒なことになる。

 

 そんでその後は、この国の金を全部巻き上げて(もう巻き上げたか)他国に侵略に行くか。ずっと忘れてたけど、神が期限は十年とか言ってたからな。

 大体俺はこの世界の大きさとか知らないし。それにここはここらでは一番小さい国らしいじゃないか。

 早く他の国を落として十分な(戦力)を集めないと……

 あ、そういえば金は共通なのだろうか?

 人間界が共通だとしても魔界は違うだろ。

 それで召喚したら何が出てくるんだ……?

 とそこで俺は神が言っていたことを思い出す。


『もう一つはいっとるから後で見るといい』


 俺は腰に下げてあるアイテム袋の中に手を突っ込み中身を調べる。このときわき腹を見たが、ほぼ傷跡もなく修復し終わっていた。神様すご。

 中身を調べていると唐突に掌になにかが滑りこんできた。

 俺は手を引き出す。そして手に握られていたものは……


「…………飴玉か」


 手の中には薄い赤色をした飴玉と手紙のようなものがあった。

 うん、多分いちご味だと思う。

 じゃなくて、これ御褒美か? 

 …………あ! そうか! 最初も力をもらうときこんな飴玉をもらったな。

 俺はそれを思いだし飴玉を口に含む。

 うん、やっぱりいちご味だ。

 俺は早く力を見たくて噛み砕こうと思ったが、神がじっくり舐めろといっていたのを思いだし、ゆっくり口の中で溶かしていく。

 その間に一緒に握られていた手紙を読む。




『おぬし飴玉がはいっとってびっくりしたじゃろ? おぬしのことじゃからすぐに唯の飴玉じゃないと気づいたじゃろ。

 そう、その飴玉は新しい力をおぬしに授ける。おぬしが求めているものもあるぞい。出血大サービスじゃ!

 まあ、能力は新たに【白金貨十枚】で召喚できる騎士を増やすものじゃ。


 ま、伝える事はこれくらいじゃな。そんじゃ、他国も早く落とすのじゃぞ~。


 PS:人間界には大国が四つみ小国が八つ、魔界は一つじゃ。魔界は魔王という存在がおってのぅ、そいつが魔界全体を統括しておる。頑張れ』


 


 俺は小さくなっていた飴玉をガリッと噛んだ。

 俺の望むものもある……しかも手が届く。

 と、そのとき突然眩暈が起きた。アヴァロンが慌てて俺を支える。

 すぐに落ち着いた俺はアヴァロンに、大丈夫だ心配するな、と言って元通りに座りなおした。

 なんだったんだ? もしかして飴玉を噛んだからか?

 でも飴玉はあのときすでにほとんどなくなっていて、噛み潰したのも感触では五mmほどしかなかった。 

 …………ま、次からはちゃんと舐めるか。次があるか分からないが。

 

 持ち直した俺はアイテム袋から早速白金貨を十五枚取り出す。

 そして白金貨十枚で召喚すると念じる。

 思い浮かんできた言葉(・・)を言いながら目の前に白金貨を投げる。


「【ここにある白金貨十枚と引き換えに我が忠実なる魔法騎士を召喚する。いでよ! マイトス!】」


 

 なかなか閑話ができない……

 ま、気楽に書いて行きますか(*^-^)


 感想・アドバイスお待ちしておりますm(_ _)m



 明日の更新は予約投稿で『12時』にしようと思います

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