第二十七話『城制圧!』
俺は今城と城下町を隔てる門のようなところに来ていた。
すでに木製の門は壊されており閂が外れて開かれている。
そこから俺はアヴァロンに、速度を落とせ、と命令した。
徐々に大きくなっていく喧騒。どうやら夜襲がきたと騒いでいるようだ。
あ、これは冒険者ギルドに迷惑かけちゃったかな? すんまそん。
まあ、まだ顔は知られていないし大丈夫だろ。
「あ! お前は! そうかお前がこの夜襲のくろまグハッ!」
……うん、なにもない。
なにかがいた気がするけどアヴァロンがすでに槍を振りぬいていた。
全く、俺はなんてフラグをたててしまったんだ……あんなこと言ったら顔がばれるなんて定石中の定石だろ。
「おい! こんなところに人がいるぞ!」
「あれは……おい! 夜襲を仕掛けてきた鎧と同じ格好をしているやつがいるぞ!」
「おそらくあの肩に乗っているやつが操っているんだ! 仕留めろ!」
……………ふう。
俺は無言でもう一体のアヴァロンに向く。
そして親指を立てて、逆さにする。グッドの逆バージョンだ。
次にそれを首まで持っていき、横一線。
とどめに一言。
「殺れ」
そういうと今まさに襲いかかろうとしていた兵士たちの上半身と下半身が分かれた。
兵士の数はおよそ三十。これを一瞬で殺した。
兵士たちはまだ死んだことに気づいていないのかこちらを睨む。
が、だんだんと自分の様子に気づいていく。
なんで視点が低く……? あれ? 俺の足は?
相手が死んだことも分からせない槍の一閃。アヴァロン怖ろしい子!
ともかく、これで全国指名手配ルートは避けれたな。
俺はアヴァロンに戦況を尋ねた。
「タダイマノコチラノヒガイハゼロデス。ダイイチブタイ、ブライハンハスデニジョウナイニシンニュウシテイマス」
(唯今のこちらの被害は零です。第一部隊、ブライ班はすでに城内に侵入しています)
第一部隊っていつの間にそんなの出来ていたんだ。
多分アヴァロンが指示しているんだろうな。本当に使えるな。
さて、いろんなところでドンパチやっているようなので俺は国王のところに行こうかね。
「よし、アヴァロン。俺らは国王の元に行くぞ」
「ハイ。ワカリマシタ」
(はい。分かりました)
そう言うとアヴァロンは疾風のごとく駆けた。
しばらくすると城内に入った。
だが、城内に入ってすぐの大広間でブライたちが固まっていた。大広間は、本当に何もない大広間でパーティーをするときに使うような場所だった。今は飾り気もなく、装飾ない真っ白な壁と天井が周囲を覆っていた。
不審に思った俺はアヴァロンを制止する。
俺はアヴァロンの肩という少し高いところからブライの向こう側を覗いた。
すると真っ赤な玉が飛んできた。
俺は体を仰け反らして回避する。
玉は後ろで壁に当たると火の粉を散らして四散した。
おいおい、そういうことか。
おそらくブライ班は魔法で足止めを食らっているのだろう。なんせブライは魔法が使えないからな。まあ、その分物理的方面がかなり強いがな。
てか、他のアヴァロンたちはどうしたんだ? あいつらがいればこんな防衛線一瞬で崩せるだろ。
俺は俺を肩に乗せているアヴァロンに問う。
「ほかのアヴァロンはどうしたんだ?」
「ハイ、スコシマッテクダサイ」
(はい、少し待って下さい)
アヴァロンはそういうと俯いて念話を開始した。
数秒後、アヴァロンは顔を上げた。
「ホカノアヴァロンタチハコクオウヲオサエテイマス」
(他のアヴァロンたちは国王を抑えています)
「…………」
多分この防衛が弱いし、面倒だから自分たちはバレないように先に行って、ブライたちに足止めをさせていたんだろう。あいつらに面倒なんて気持ちがあるのかしらんが。
防衛している魔法使いらは自分らが足止めしているとまんまと騙され、こうしてここで魔法をぶっ放しているわけだ。多分魔法使いは全員で五十名ほどだ。
てか、魔法って言ってもそこまでかっこよくないな。
確かに火の玉を作ったり壁を出現させたりすごいと思うけど、なんか俺の思ってた異世界魔法と違う。
まあ、ここにいるのは雑魚魔法使いだと信じて見るか。
俺はアヴァロンに、俺らもバレないように国王のところに行くぞ、と言った。
アヴァロンは俺を肩から降ろして小脇に抱えて忍者のごとく滑るように移動を開始した。
端の壁まで移動するとブライをどける。案外魔法の耐性もあるようでそこまで酷い傷はなかった。よかった、金がなくならなくて。
金で思いだす。
そういえばスーラたちはどうしたんだ? 結構時間が経ってるぞ。
そんな考えは次の瞬間どこかへ行った。
ブライをどけて進んですぐに流れ弾が襲ってきたのだ。
「うぉお!」
俺は情けなくも声を出してしまい、敵に気づかれた。
流れ弾はアヴァロンの作り出した障壁で四散した。
チッ、やっちまったもんはしかたねぇか。
俺は開き直って大声でブライとアヴァロンに命ずる。
「全員前進! 魔法使い共を一掃せよ!」
そういうと待ってましたと言わんばかりにブライたちが走り出した。
魔法使いたちは、無駄無駄~! とどこかで聞いた事のあるセリフを言いながら火の玉やら水の玉やらを連射していた。
数百の魔法がブライたちを襲うが全く怯む様子もなく、魔法使いに肉薄する。
「な! なんとグヘッ!」
「なぜ、急にグボハッ!」
「クソ! 我ら誇り高き魔法使いがたかが鎧を来た輩なんぞに……グフッ」
魔法使いたちは二十体のブライによって切り倒されていった。
おいおい、片付けが面倒だと言っただろ。ま、そこらへんはこいつらに押し付けるから自業自得ってことで。
さて、魔法使いたちの奥にある扉に向かうか。
俺は臓物やらが飛び散る床を見ないように、そしてあたりに充満した血の匂いを嗅がないように息を止めて、アヴァロンに進ませた。
なぜかと罪悪感は沸かないのだが、さすがにこの光景と匂いは慣れない。
アヴァロンは大きな真四角の扉を開けて中に入る。後ろからブライたちも続いてくる。
俺はがちゃがちゃうるさかったので、城内の敵を制圧してこい、と新たな命令を出してみたのだが、動く気配はなかった。
俺は、もう倒したのか? と問うと一斉にがちゃっと頷いた。
はぁ、どうしようか。あ、そうだ。
俺は先ほどのことを思いだし命令する。
城内の掃除してこい、
と。
ブライたちは一瞬肩を落としかけたが、俺が睨みつけるとビシッと敬礼をして走り去った。
掃除が嫌だとかどういうことだよ……全く。
俺はブライたちが走り去るのを見てからアヴァロンに、進め、と言った。
薄暗い廊下が続く。
先ほどのパーティー会場と違って暗い雰囲気だ。まるでラスボス前の道みたいだ。
しばらくすると扉を見つけた。
俺はなんの戸惑いもなく、開けろ、と命じた。
アヴァロンは言われた通りそのまま歩いていきバンッ! と開けた。
「おぉ……スゲーな」
俺は思わず感嘆の声を上げた。
俺が出たのは多分謁見の間だと思う。とても広く、赤い絨毯が大きな入り口から王の下まで続いている。そしてそれを挟むようにぶっとい支柱が両脇に立っている。王の座ると思われる場所は一mほど高くなっており、手前に階段がある。
これが謁見の間をみた俺の感想だ。ちなみに俺の今いる場所は大きな入り口(多分正式な入り口)から見て左にある支柱の影になる部分だ。
まあ、パーティー会場から謁見の間に行くとかないからな。あってもこんな感じであくまで移動用だろう。
「ぐぬぬ……」
なんか呻き声が聞こえたと思って顔を向けると人がアヴァロンに押さえつけられていた。
うつ伏せにされ、両腕を背中でガッチリホールドされて身動き一つ出来ていなかった。
よく見るとその人物は丸々として醜悪そうな顔をしている。体も肥えていて属に言う『豚王』というやつだな。
俺は豚王に近づいて行った。
なんとか毎日更新頑張っています(*^-^)
でも、最近詰まり気味でちょっと困ってます(;^_^A アセアセ・・・
国を制圧するまではなんとかなりそうなのですが、そのあとがなんとも……
ま、ノリで書いてるのだからこれくらいは覚悟しなければw
今までどおり思いついたら書いてという方針で書いて行きます(*^-^)
感想・アドバイスお待ちしておりますm(_ _)m




