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金で戦力整えていざ異世界征服へ!  作者: Rolly Dice Key
ドラゴンだと……狩りにいくしかないだろ
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第二十話『まさかの精霊か!?』

 俺は少し目が覚めたので周りに意識をめぐらす。

 たまに遠くで魔物の断末魔のような叫びが聞こえてきたり、がちゃがちゃと鎧の音がしたりしていたが、寝ていたということは結構グッスリ眠れていたと思う。

 アヴァロンはちゃんと仕事をしているようだ。

 俺は半分寝たままの脳で安全を確かめるとまた寝ようと目を瞑る。

 と、その時俺の服をなにかが引っ張った。


(ん? なんだ? まあ、いいか。まだ眠い)


 俺は気にせずそのまま寝ようとする。

 しばらくすると服を引っ張るのを止めたようだ。

 ふ~、ちょうどイライラし始めたところだったからちょうどよかった。

 俺は無意識に力が入っていた手の力を抜いて寝ようとする。

 

ムニー


「誰だ?! アヴァロン!」


 急に頬をつねられて飛び起きると共に、俺を守っているはずのアヴァロンを呼んだ。

 俺を守っているのになぜ俺に誰かが触れている。

 くそ、油断しすぎたか。アヴァロンがいるから絶対平気だと思ってた。

 俺は腰のただの金貨袋に手をかけていつでもブライを召喚出来るように構える。クソ、油断するなって主人に言われたばかりなのに。

 俺は起きて周りを見渡すが誰もいない。いや、目の前にアヴァロンがいるが。

 俺がキョロキョロしていると頭をトントンと叩かれた。

 上を見上げるとそこには…………


「精霊?」


 俺が見た物は、大きさ三十cmほどの小さな女の子。

 首にかかるくらいの緑色の髪と瞳、そして来ているローブを腰の部分だけ紐で縛っている服と、全身緑尽くめだ。緑ってことは風の精霊か?

 俺はこいつをよく知っている。うん、俺が異世界で会いたかったやつ第二位の精霊、またの名をフェアリーだ(あれ? フェアリーは妖精だっけ?)

 ちなみに第一位はエルフだ。精霊がいるってことはエルフもいるのかな?

 

 俺が精霊を見上げてそう聞いたら精霊はコクと可愛らしく頷いた。

 やばい、これは可愛い。見た目小さいし、あまり人間に見えないし精霊の性格を小説と同じと思ってるからか、嫌悪感は感じない。逆に可愛すぎて困るくらいだ。

 俺が軽く感動していると精霊は俺になにかを頼んでいる。

 なんだ? と思って精霊の伝えようとしていることを読み取る。


「え~っとなになに。……多分だが、『助けて』的なことを言ってるのか?」


 精霊はコクッと頷く。

 次に精霊は空中で四つん這いになって臨戦体勢の獣みたいになる。


「ん? 獣? あ、魔獣か」


 精霊は首を横に振る。

 と、今度は口を大きく開けてなにかを吐き出そうとしている。口もちっさいので迫力なんて欠片もない。猫の欠伸より可愛い。

 俺が首をかしげていると今度は両手を上下しだした。手が羽で飛んでいるようだ。

 これって……


「今やってるのって翼か? それで前にやってたのは火を吹いていた? ……まさかドラゴン?」


 精霊はビンゴ! とでも言うように大きな丸を作る。

 え? マジで?! ドラゴンとか俺が会いたいやつ第三位じゃねぇか!

 てか狩りたい。

 …………アヴァロンならいけるかな? 百万キュールもしたんだ。それだけ力はあるはずだ。

 俺は決めた。


「よし、ドラゴン狩りに行くぞ」


 幸いまだ日は傾き始めたところだ。時間はたっぷりある。

 俺がそういうと精霊はホッと胸を撫で下ろした。

 そして、ふわふわと浮いたまま飛んで行きある程度進むと、こっちこっち、とでも言うように手招きをした。

 俺はアヴァロンを見る。


「ドウシマシタ? ゴシュジンサマ?」

(どうしました? ご主人様?)

「お前ドラゴン狩れるか?」

「『カイリュウ』ナラ、ワタシヒトリデモイケマス」

(『下位竜』なら私一人でも行けます)

「『下位竜』? まあ、いい。なら狩りに行くぞ。ブライを全員呼んでおけ。ドラゴンのところに行くまでに絶対追いつかせろ」


 俺がそう言うとアヴァロンは頷いた。

 ドラゴンか……絶対高く売れるよな?

 そりゃあ、もう金貨数十枚とか目じゃないくらいに。

 よし、ブライ何体生贄に捧げても殺してみせる。

 俺は心に誓ってドラゴンを倒すべく精霊についていった。


 














 え~っと、これはどういうことだ?

 今俺は森の奥にある湖に来ていた。

 その湖は光のエフェクトが出てるんじゃ? と思うほど澄んでいて、その前に立つとなぜか謝罪したくなる。

 別に何を謝罪するのだ? と思ってもなぜか心が謝らないことを許さない。

 そして、その湖の周りには様々な精霊がいた。

 赤、黄、青、緑、茶、白、黒……いや、精霊なのに黒はいいのか?

 それらが、数十、いや数百は飛んでいた。

 俺を先導していた妖精霊もその中に入り、パタパタと羽を羽ばたかしている。どことなく嬉しそうだ。

 俺がその光景に心を奪われていると湖が光りだした。


「っ……!」


 俺は小さな呻き声を上げ、腕で目を覆う。

 しばらくして俺は腕を外し、湖を見る。

 

「こんにちわ」


 湖の真ん中には、長い銀色の髪を垂らし俺に微笑む女性の姿があった。

 女性は精霊とは違って普通の人間と同じような大きさだった。

 目の色は髪と同じで輝くような銀色。袖から伸びる腕は、真っ白で病気か?と思うよりは美しいと感じるような肌だった。顔はとても整っていて、優しい母のような雰囲気をかもしだしている。

 だが、俺は母のような雰囲気を前に急に嫌悪感が襲ってきた。


「お前は誰だ」


 俺は警戒心むき出しで身構えて女を睨みつける。謝罪の気持ち? そんなのとうの昔に投げ捨てたわ。

 女は、この場面からして精霊たちの親みたいな存在の気がする。が、俺は今にも噛みつきそうなほどに睨みつける。

 精霊からは悪意とか感じられなかった。いや、正確には今まで受けてきた嫌な感じ(・・・・)が感じられなかった、だな。

 だから俺はあんなに簡単についていったのだ。まあ、常に金貨袋に手をいれて金貨をつかんで、アヴァロンにも臨戦体勢でいろと命令していたが。

 でも、今目の前の女からは、弱いが今までの感じがする。

 だから俺はこんなに警戒心むき出しなのだ。

 そんな俺の様子に女は大層驚いていた。なんだ? 精霊の親玉だから下手に出ると思ったのか? 残念だが俺はそんなの知らん。

 俺の変わりように気づいた精霊たちはオロオロと飛びまわっている。

 女はその薄く、吸い込まれそうな唇を開いた。


「どうしてあなたはそんなに私を警戒するのですか?」

「なぜお前なんぞに答えにゃならん」


 俺は噛みついた発言をする。

 だが、すぐに失敗に気がついた。精霊の親玉ならここの精霊全部を使って俺を攻撃とか出来るよな。

 精霊って異世界小説の定番で、魔法が得意だもんな。この数の精霊が一斉に俺に魔法を使ってきたらいくらアヴァロンでも守れない気がする。今ブライが俺の元に戻って一〇体いるがそいつらを盾にしても心もとない。

 決して表情には出さなかったが俺は内心焦り始めていた。

 

「そうですか……でもお願いですから私の話を聞いてください」


 女はそう言うと頭を下げた。

 精霊たちは親玉の急な行動にびっくりしている。

 でも、俺は騙されんぞ。

 前世でもいたよそういうやつ。表面上は謝ったりお願いしたりするけど、内心はどうやって(おとし)めようか考えているやつ。

 俺はその行動に警戒心も解かずに黙って見ていた。いや、正直焦って言葉が出てこなかった。それに引くに引けない……

 しばらく見ていたが頭を上げる様子はない。すると、女の傍にいた青尽くめの精霊が可愛らしくペコリと頭を下げた。それにつられて精霊が全員俺に向かって頭を下げた。

 これが人間だったら頭を一人ずつ踏みつけて何も言わずに去るところなんだが、精霊だしな……親玉に命令されてる可能性もあるが、精霊だしな……


「……分かった、話だけは聞いてやる」


 女は顔を上げて、ありがとうございます、と言ってもう一度頭を下げた。

 精霊たちは、イエーイ、とでも言うように近くの精霊とハイタッチをしていた。

 まあ、ドラゴンならちょうど俺も会いたかった――狩りたかった獲物だしな。ただ、それを利用されるのが嫌だったから反論しただけだ。

 しばらくして女は顔を上げた。その顔は真剣身を帯びていた。


「今現在この精霊の湖に向かって一匹のドラゴンが飛んできているのです」


 マジでドラゴンいるのか。

 俺は女が言うであろう言葉を先に言った。

 

「で、俺にそのドラゴンをどうにかして欲しいと。そういうわけか?」

「はい、賢いお方ですね」


 お前にほめられても嬉かねぇよ。てか、普通に気づくわ。逆に(けな)されてる気がするわ。

 俺は大事なところを聞く。


「そんでそのドラゴンを倒して俺に見返りはあるんだろうな?」


 ここが一番大事だ。

 正直俺自身が狩りに行きたいだけだから見返りなんていらないんだが、利用されてると思うのは(しゃく)だ。

 俺は鋭い眼光で女を睨みつける。


「もちろんです。見たところあなたは魔力がないようですね。それなら私があなたに力を……」

「いらん」


 俺は女の言葉を途中で遮って斬り捨てた。

 女は「なっ?!」と始めのときより驚いていた。何をそんなに驚く?


「一応言いますけど、私は精霊王なのですよ?」

「それがどうした?」


 女は顔面にパンチをもらったかのようにのけぞる。こいつは一人でなにをしているんだ。

 確かに精霊王ともなると強力なのだろうな。だが、俺は絶対に裏切らない、絶対服従のやつしか下に置かない。

 女はなんとか立ち直ってこちらを見る。

 そして若干泣きそうになりながら問う。


「じゃあ、何が欲しいの?」


 とうとう敬語を止めたか。声も上ずってるし涙腺崩壊必死なのだろう。

 俺はなんだか気分が良くなってきてもう一撃いれる。


「俺を満足させるようなものが出せないなら断る。それにお前の力なんてたかがしれてる。ドラゴンより強いなら倒せばいいし、倒せないならそのドラゴンを倒した俺はお前より強いことになる。なにも俺にメリットはない」


 俺が止めと言わんばかりにそう言うと女は空中で女座りになり、前に両手をつき頭を垂れた。おー、随分と効いたなこりゃ。

 俺は笑いそうになる顔を必死に押さえつけ無表情を保ちながら話しかける。


「だがな、俺も鬼じゃない。今回は貸しってことで助けてやるよ。ただし、ドラゴンの素材は全部俺のものだ。いいな?」


 女は俺の言葉を聞いてバッ! と勢いよく顔を上げた。勢いありすぎて髪がボサボサになってるぞ。

 そして徐々に笑みが広がっていき、満面の笑みになったところで、ありがとうございます! と大声で言った。

 よし、これでこいつに貸しを作れた。正直あまり信用してはいないがな。

 だが、それよりもドラゴンの素材が手に入る。これが大きいな。

 倒したのは俺だから俺の物なのだが、それを約束していないから、と言って奪う可能性もあったからな。まあ、精霊がそんなことするわけないと思うが。

 とにかくこれでいいかな。

 ドラゴンの居場所は教えてくれる。素材は俺の物。

 あ、そうだ一つ忘れてた。


「おい、お前もついて来い」


 俺はそう女に向かって言う。

 女は自分を指差して、私? と言っている。


「そうだ、お前だ。俺一人命をかけるなんておかしいだろ。お前も来い」


 こいつはこんなんでも精霊王らしい(・・・)からな。援護くらいは出来るだろう。

 よし、そんじゃドラゴン狩りに行くか!









御一読ありがとうございますm(_ _)m

今日の朝PV確認して「うっひょー! なにこれ? 1万6千とかやばすぎwww」と笑っていたのですが、さっき確認してみると「…………2万超えてる……しかもまだ6時の時点で……」と呆然としていました。

お気に入りとか200件超えたし、日刊ランキングなんて50位以内入れたしもう嬉しすぎてヤヴァイです!

……とまあ、これは置いといて感想・アドバイスお待ちしております(*^-^)

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