第十六話『ミッション!ギルドカードを入手せよ!』
約束どおりストックを全部出します!
ただ、投稿する前に推敲するので一つ一つ時間がかかります(10~15分くわいかな?)
いつもノリで書いてるので推敲などしていないため、投稿寸前で読み直して軽く直してるのです。
では、どうぞ!
目の前には馬鹿でかい建物がある。
入り口は木製の扉で、普通に押して開けるタイプだ。
そして、入り口の上には剣と盾の絵が入った看板がかけられていた。
ここが、冒険者ギルドか。
思ってたとおり、この世界に冒険者ギルドはあるようだ。
こんな性格の俺だが、実は冒険者というのに憧れていた。
小説も大体は異世界ものを読んでいた。そのほとんどの主人公は冒険者という職業についていた。
だから正直この建物の前に立っているだけで心臓がバクバクと鳴っている。
……よし、行くか。こんなところにつったってても「この小僧ギルドに入ろうと思ったけど怖くて立ち止まってやがるぜ」とか笑われそうだし。
俺は意を決して扉に手をかけた。
ギィ、とお化け屋敷の扉のような軋んだ音を立てながら、扉を手前に引いた。
「おい! 酒持ってきてくれ!」
「こっちもだ! あと肉も頼むわ!」
「こっちもお願い! まだまだ飲み足りないわ!」
あちらこちらから大声が響き、俺の鼓膜を揺らす。
鼻からはむわっと酒の匂いが入ってきて匂いだけで酔いそうだ。
もう日が沈むと言うのにギルドの中はとても明るかった。物理的にも精神的にも。
周りを見渡すと、なかなか広い。
たくさんの丸い机と椅子があり、そのどれもが満席であった。
なかなか露出の高い防具らしきものをつけているねぇちゃんがいたが、あれで攻撃を防げるのか疑問に思った。スタイルが良くて目の保養にはなったが。俺もまだ高校二年生なのでこういうことは興味津々だ。
左右にはそれぞれカウンターがあった。左からは酒やら食事が出てくるので右がギルドの受付だろう。
俺は柄にもなく目をキラキラ……はしていないと思うが、多少顔が綻んでいただろう。
そこで、俺はここにいたら邪魔だろうと気づきギルド受付に進んでいく。
ちなみに護衛にはアヴァロンを連れてきている。がちゃがちゃ音がしないし、冒険者にからまれたりしたら助けてもらうことにしている。
少し進んだ時、机の横を通り過ぎようとしたら冒険者らしき男が話しかけてきた。
「おい坊主。そっちはギルド受付だぜ? 飯はあっちだ」
と真っ赤な顔をしてふらふらしながら腕を上げ、左のカウンターを指差した。
全く、どんだけ飲んでるんだよ。アル中になるぞ。
俺は無視して通り過ぎようとする。だが、男は俺の腕をつかんだ。
「だからそっちは冒険者用の……」
男は言葉を止めた。
男の喉にいつの間にか槍の矛先が当てられていたからだ。
俺はアヴァロンを手で制する。
「ねえ、手を離してくんない? そうしないと俺のアヴァロンがなにするか分からないよ?」
俺は出来るだけ声に威圧をのせて言った。
男はさっきまでの酔った顔つきとは打って変わってどんどん青ざめている。
「もう一回言わせる気? 手を離せ。三度目はない」
俺がそう言うとようやく手を離した。
それにあわせてアヴァロンも槍を元のように引っ込めた。槍の矛先は天井を向いている。
男はあからさまにホッと息をつくと急に表情を変えて俺に問い詰めてきた。周りもなにが起こったのか、とこちらを注目している。チッ、なんでこういうときに限って静かになるんだよ。
「お前は魔術師か?」
「……ああ。そうだ」
俺は別にこれくらいなら答えていいだろうと思い答えた。まあ、嘘だけどね。
俺に魔力はないと神様が言っていた。
だが、男たちにはこの鎧がゴーレムだと思ったのだろう。
俺はそう推察した。
そして男を一瞥し、歩み始めた。
この間俺が木の床を踏み占める音がギルド内に響いていた。
俺はカウンターにつくとロリ巨乳の可愛い受付に声をかけた。いや、狙って声をかけたわけじゃない。たまたまだ。うん。
「ギルドカードを発効して欲しい」
確かこれでいいはずだ。
宿屋の主人が「冒険者になるならギルドカードを発効してもらえ」と言っていたからな。
俺はそう頭の中で言って受付の対応を待った。
受付のロリ巨乳はニコッと営業スマイルを作り、喋った。
「はい、わかりました。お一人様でしょうか?」
なぜか飲食店みたいな対応をされる。よく分からないが頷いておく。
「では、血を数滴ください。それでカードを発効しますので」
ロリ巨乳はそう言ってカウンターの下に手を入れた。
と次の瞬間俺の目の前に短剣の切っ先が迫ってきていた。
アヴァロンがロリ巨乳の手首を折らんばかりに握り締めている。
と、ロリ巨乳は苦しそうにしながらも喋る。
「こ、これくらい避けなきゃ冒険者としてやっていけないですよ」
「それなら大丈夫だ。今のもアヴァロンが止めると分かってたから動かなかった」
嘘だ。目の前で短剣が止まるまで全く気づかなかった。
俺は命を狙われたわけだが、これはしょうがない。ギルドでの決め事みたいなやつだろう。無駄に人を死にに行かせるわけにはいかないからな。いや、主人は冒険者になるのに制限はないと言っていたな。どういうことだ? ま、細かいことは気にしない。
これも本当は俺の目の前で止めるつもりだったんだろう。ならいい。
俺はアヴァロンに「離せ」と命じるとロリ巨乳の手を離した。
ちなみにアヴァロンには人前で喋るな、と言ってある。ゴーレムは普通話さないそうだ。当たり前か。面倒ごとは世界征服だけで十分だ。まあ、本音は世界征服すると一気に面倒が転がってくるので今のうちに楽したいだけである。
ロリ巨乳は観念したようにカウンターに短剣を置く。血をとるのは本当らしいな。
「では、この小皿に入れてください……」
若干落ち込んでいるのは気のせいだろうか。
まあ、そんなことはいい。俺は短剣の切っ先を人差し指に当て、少し切る。血がジワーっとにじみ出てくる。
それを数滴落とすとロリ巨乳は「これで結構です」と言って小皿を持って奥に行ってしまった。
さて、すぐに戻ってくるだろうが、厄介なことになりそうだ。
ギルド内は険悪なムードに包まれている。全員俺を注目していることから俺が元凶だろう。チッ、早く帰りたいのに。チビ共も、すでに帰っていると思うしな。
…………あ、チビ共もギルドカード作らないと。でもあんな洗礼があるしな~。身分証明書みたいなのを早く持たせてやりたいんだが。ま、洗礼が来たらアヴァロンに止めさせるか。それで文句言ってきたら主人を呼んで説得させよう。
と、そこで奥から人が戻ってきた。今度は妖艶な雰囲気をかもしだしているお姉さんだ。甘い香りがいいな。
お姉さんはこっちまで来るとその艶かしい唇を開いた。
「はい、カードは出来たわよ。これは冒険者という身分を証明出来るものだからなくしたりしないでね? 再発効には結構お金がかかるわよ。
そして、冒険者は世界でも有名な組織なのよ。世界各国にあるから冒険者は国境を越えることも出来るわ。まあ、そんな簡単ではないけれどね。
でも、その恩恵を受ける変わりに、ギルドの出す緊急クエストには絶対参加よ。お偉いさんの護衛とかよっぽどのことがないとギルドカードが没収されるわ。例え持って逃げても機能を停止するから使えなくなるわ。その前に捕まるでしょうがね。
ま、説明はこんくらいかしらね~。いろいろ言ったけど、ようするに『緊急クエストは必ず受けること』『あとは基本自由』ってことよ。ギルドカードの内容は普通に書いてあるわ。変更があると自動で書き変わるから便利よ」
お姉さんは「質問は?」と聞いてくる。
長めの髪を少し揺らし、営業スマイルで首をかしげる姿はとても色っぽい。
俺はお言葉に甘えて無表情のまま質問をした。
「ギルドカードで国境を越えることが出来るって言ってたが、そのわりには名前や出身地など聞かれていないな。国境を越えるのはかなり大変なんじゃないか?」
そうだ、そうやすやすと国境を越えれるわけがない。
それに、この国は隣国と、今は停戦中だが、いつ戦争が始まるか分からない状態にある。
冒険者に敵国の情報を頼んだりしたら簡単じゃないか。
「それは大丈夫よ。冒険者ギルドってね、さっき言った通り世界中の国に最低でも一つはあるのよ。冒険者ギルドはどこの属国でもなく、世界中で商売してるの。
だからもし、敵国の情報盗めと言われたら断るわ。そうじゃなくて冒険者に直接商談を持ち込んでも無理ね。ギルドにもきまりがあってそれを破ると世界中にきまりをやぶった人物の特徴や、似顔絵を送って必ず殺すから。そんな無謀なことはしないわよね。
ちなみにきまりと言っても簡単なことよ。『ギルドに不利益なことをしたら殺す』ってだけ」
きまりで『殺す』って単語が出てくるってすごいな。
てか、きまり抽象的過ぎるわ。まあ、常識があれば大丈夫だろう。
と、もう行くかと思ったらお姉さんに呼びとめられた。
「あ、忘れてたわぁ。魔物の素材やアイテムはギルドに売ってね。カウンターで受け取るから。大丈夫よ。値段を誤魔化したりしないから。逆に少しは色がついてるわよ。ということではい、これ」
俺が、ギルドに売れ、と聞いた時に顔をしかめたのが見られたのか補足してくれた。そして、腰に下げるような巾着袋を渡された。話の流れからこれに魔物の素材とかを入れろってことか。もしかしたらアイテムポーチかもな。
よし、これで大体聞き終えたか? ……絶対聞き逃しがありそうだがまた今度でいいだろう。
俺がありがとう、と言うとお姉さんは「バイバイ」と手を振って奥へと消えて行った。
…………良く見たらしわがあったな。かなり巧妙に隠してあったけど、現代日本には遠く及ばないため注意深く見れば分かる。これは心にしまっておこう。
俺は受け取ったギルドカードを持って出口へと急いだ。
だってこんなに視線を受けてるところ早く出て行きたいじゃないか。




