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第十五話『宿屋みっけた』

急激なPVアップ……今日は昨日の四倍近く上がってました……おそろしや

 しばらく歩くと大通りにドンと二階建ての宿みたいな建物が見えた。

 いや、建物は普通なんだが、入り口の上にベッドが書かれている看板があったんだよ。

 俺はチビ共をその場に置いて、宿屋の中へと入る。


「いらっしゃい。お、あんた見ない顔だな。その身形(みなり)からして商人をしていたが、途中で盗賊に襲われたってところかな?」


 な! こいついきなり当てるなんて! 

 まあ、設定の話しだけどな。でも俺の身形ってそんな感じがするのか。

 ってどうでもいい。

 店の主人は禿(はげ)で筋骨隆々とした人物だった。

 これって小説では武器屋のおっさんだよな。なんで宿屋なんだよ……

 俺は少し納得いかなかったが、部屋を借りることにした。


「ここに大部屋はあるか?」

「建物みて分かる通りないな。全部二人、多くて三人部屋だ。三人部屋にしたいなら布団を貸すぞ」

「布団を七組借りることって出来るか? いや、ベッドが二つあるなら五組か」

「出来るっちゃ出来るが、そんなにどうするんだ? 使い物にならなくなったら買い取ってもらうぞ」

「大丈夫だ、普通に使う。一部屋に七人入れるから布団五組頼むな」

「な、七人?!」


 主人は、なんだこいつ、みたいな目で俺を見てくる。いや、チビ共だし、その前に奴隷だから有無は言わせねぇよ。

 とりあえず、俺はチビ共を呼ぶために出て行こうとする。


「あ、そうだ。荷車があるんだけどよ、店の前に置いとくぞ」

「お、おう。荷物はもってこいよ。盗られても知らんぞ」


 俺は後ろ向きで片手を挙げて返事をする。

 扉を開けて外に出るとチビ共を呼んだ。チビ共は俺が声をかけるまでずっと町をキラキラした目で見ていた。

 ったく。


「おい、部屋をとったぞ。この後俺はギルドに行ってギルドカードをもらってくる。お前らのやることは特にないからな。自由にしてていいぞ」


 俺がそういうとチビ共は顔を上げ、え? と不思議そうな顔をしていた。

 なんだ? 俺の言うことが信じられんのか? それともよく意味が分からないのか?

 俺は呆けているチビ共にもう一度同じことを言う。


「今から町を見て回っていいぞ。ただし、金は渡さないから見てくるだけだ。あと、絶対はぐれずに全員で行動しろ。ブライを五体お前らの護衛につけるが、それで大丈夫とか思って裏路地とか危なそうなところに行くなよ。面倒ごとに巻き込まれるようだったらお前らを森に捨てに行くからな。全部ブライを通じて俺に分かるから誤魔化そうとしても無駄だぞ」


 俺はチビ共に分かりやすく『遊んでいいぞ』と言った。ついでに注意事項も一緒に。

 チビ共はだんだん笑顔になっていく。

 そんなに行きたいなら正直に言えってんだ。無駄に下手な芝居をするから俺の機嫌を損ねるんだ。

 それとも俺は正直に言っても無駄だと思ったのか? 俺でも子供を死ぬまでこき使ってなんの楽しみもない生活にさせるほどの外道じゃない。大人は? もちろん最低限の食事とギリギリまでの労働を課すよ。あのクソ親父がやったように……

 と、顔をしかめたところでチビ共が荷車をどうするか訊ねてきた。


「ねえ! これどうすればいい?」


 そう聞いてくるプリルの目は爛々と輝いていた。

 旅をしているとき、落ち着いた雰囲気があったが子供は子供か。

 俺は宿の扉の横を指差す。


「あそこに置いておけ。道を通る人の迷惑にならないようにな。もしそれで壊されでもしたらたまらん」


 そういうとチビ共は全員荷車から降りてすぐさま運び終わった。

 そんなに楽しみなのか。

 チビ共は運び終わって俺の目の前に集まっている。


「とりあえず、部屋だけ確認してからだ。ブライを人前で召喚なんて出来ないからな」

 

 そういうとチビ共は「うん!」と元気良く頷いた。

 この様子だと町を回ることしか考えていないな。

 そう思った俺は「部屋をちゃんと覚えて行かないとお前らだけ野宿にするぞ」と脅して宿屋に戻っていった。

 宿屋へ入ると主人がギョッと驚いてこちらを見ている。

 俺は主人の元へ行き、話しかけた。


「こういうこった。二部屋頼むわ」

「いや、お前さん入れて八人だろ? 四人ずつとしても狭い気が……」

「え? 誰が二部屋を四人ずつって言った?」

「は? どういうことだ? まさか……」


 俺が部屋を頼むとう~んと唸っていた主人だが、俺が半分ずつにわけるわけないだろ、と言うと顔をしかめた。

 俺は主人が思っているであろうことを口にする。


「そうだ。俺が一人で一部屋。あいつら七人で一部屋だ」

「おい、お前馬鹿やろうか?」


 主人は俺をギロっと睨みつけてくる。

 これはやばいぞ。今はブライすらいないし、襲い掛かってきたらまず勝てない。

 主人の威圧に怖気づいた俺は簡単に真実を話した。


「こ、こいつら俺の奴隷なんだよ。文句は言わせない。ていうかあいつらから俺に言ってきたんだ。奴隷にしてくださいって」


 ちょっと違うがそう言っておいた。

 主人はますます分からないといった顔になるとはぁ、とため息をつく。

 あ、そういうことか。今王国が奴隷狩りをしているな。なのになんで俺ごときがもっているんだ? って話しか。でも、主人や兵士たちから見たら俺らは兄妹にしか見えないから普通にここまでこれたのか。

 主人は受付らしいとこから出ると入り口から見て右奥にある階段に歩いていった。


「よくわからんが一応部屋を見てから考えろ。本当にうちの宿は二人一部屋がギリギリだ。今なら四部屋空いてるし四部屋も借りてくれるんならオマケしてやるから」


 俺がついて行き、階段を登り始めると主人はこちらを向かずにそう言った。

 ちなみにチビ共はちょこちょことせわしなく動きながらも俺の後ろをついて来ている。

 階段を登り終わると、左に曲がり二階廊下を進む。ほんの少し移動したらまた左へ曲がる。

 そして、廊下を進んでいくと主人が立ち止まった。


「ここだ。ここから先の四つの部屋が空いている」


 と、言って奥を見る。

 俺らが紹介された部屋は、八つある部屋のうち奥にある左右二つずつの計四つの部屋だった。

 いや、二つでいいのだが。

 俺の考えが表情に出ていたのか主人が扉を開けて「まあ見てみろや」と俺を部屋へと促す。

 俺は部屋を見て絶句する。


「ぅわ……マジか」

「だから言ったろ? ここは格安の宿だからな。部屋が狭いんだよ。あ、掃除はちゃんとやっているから安心しな」


 主人がなにか言っているが、それどころじゃない。

 部屋は入って三mほど歩いたら左にベッドが二つ並べられている。

 しかも二つの隙間はわずか三十cmほど。ベッドの幅は一mより少し大きいくらいだ。縦は二mくらいでこれは大丈夫だろう。

 以上だ。

 …………え? これだけ? 部屋の奥行きだってほとんどないよ? ベッドから三十cm離れているかわからないくらいだぞ。

 俺が呆気にとられていると主人が話しかけてくる。


「だから言ったろ? ここは二人が限界なんだ。だから金はかかるがお前さんの妹と弟たちもちゃんと二人一部屋与えてやれ」

「…………チッ、分かった」

「おい、今舌打ちしなかったか?!」


 今変に反対すると厄介なことになりそうだから賛成しておく。

 さっきは奴隷と言ってしまったが、信じてないようだ。弟とか言ってたし。

 奴隷のことが国にばれたら盗られるかもしれないしな。黙っておくか。

 

「まあ、いいわ。そんじゃ部屋四つ一泊で八十キュールな」


 ここ受付とかじゃないけどいいのかよ。

 まあ、主人が手を出しているので銅貨袋から銅貨をたくさん出す。

 あ、俺盗賊に襲われた商人だった。

 といった心配はよそに主人は全く驚かなかった。

 多分盗賊に襲われても最低限の金は自分の体に隠してる、とかがこの世界の常識だからか? まあ、警戒されないことはいいことだ。

 

「そんじゃ、鍵は俺が持ってるから入るんなら俺に言えよ。出る時は俺に鍵を預けてな。あと、部屋をあまりにも汚したら罰金だぞ」

 

 その後は特に注意事項などなく、主人の世間話になりそうだったので俺は早々に宿を出ることにした。

 あ、これ聞いておかないと。

 俺は一階に降りて、宿を出ようとしたときに思いだし、受付にいる主人に向き直る。


「ここに裏庭みたいなのないか? 剣とか振り回せるくらい広くて、人目につかないのが理想だな」

「おう! もちろんあるぜ。お前の理想とする場所が」


 そう言われたので扉に触れていた手を戻して主人のところへ行く。

 

「早速連れて行ってくれ」

「ああ、いいぜ。って言っても階段とは反対にある扉から出たらすぐだけどな。ああ、入るときは扉横の『使用中』って立て札にしといてくれ。普段は『フリー』と書いてあるからその時に使えよ」


 俺は、なぜ英語が…… と思ったが、分かった、と頷いて早速裏庭へと赴いた。

 チビ共はそろそろ限界みたいだ。うずうずして止まらない。

 俺はこいつらのうずうずがうっとおしくなってきたのでさっさとブライを召喚する。


「【ここにある金貨五枚と引き換えに我が忠実なる騎士を召喚する。いでよ! ブライ!】」


 そう言って一瞬光り、光がおさまると五体の鎧騎士が立っていた。

 あ~、チビ共がキラキラした目で俺を見てくる。

 俺は手をシッシッと振る。


「ああ、いいぞ。町を見て回ってこい。暗くなるまでに戻ってこいよ。あと喧嘩はするな。以上と宿の前で言ったことを忘れるな」

「「「うん!」」」


 チビ共は笑顔で頷く。

 つい最近親が死んだのに切り替えが早いやつらだ。いや、やせ我慢か? まあそんなこと知ったこっちゃないが。

 俺はブライに「なにがあってもチビ共を守れ。守り切れないならせめて俺のところまで逃がせ」と命令して解散、と声をかけた。

 チビ共はタッと軽快に走り出して裏庭を飛び出していく。

 だが、当然入り口は一つ。子供なら二人通るのが限界だ。一斉に扉にかけたチビ共は見事に頭をぶつけ合い、その場にうずくまった。


「時間はないが、ゆっくりと行け。ブライは足が遅いからそんなに速く走るとお前らを守るものがいなくなるぞ」


 守るものがいなくなる、で効いたのか今度は一列になって歩いていく。

 よし、俺もさっさとギルドでギルドカードもらってくるか。

 俺もギルドに向かうため、裏庭を出ていくことにした。

 





では! 感想・アドバイスお待ちしております!(本当に感想は来ないんですよね……)

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