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第十三話『殺らなきゃ殺られるんだ』

今更ですが結構グロい気がします……気のせいかな?

一応残酷な描写ありにしてるので大丈夫かな?

 今現在血生臭くて、薄暗い洞窟の中にいる。

 周りには血やら臓器やらが飛び散っている。

 チビ共はそれらを見て嘔吐している。さすがに俺ももらいゲロしそうだ。

 そして、嘔吐を我慢している俺の目の前には盗賊のボスがいる。


「さて、お前をどうしてやろうか」


 今俺は実に悪人面をしていると思う。

 だが、これは制裁だ。やられたらやり返す。俺が子供の頃から貫いてきた信念だ。

 先生に怒られても、親に殴られても、いじめられても貫いてきた。

 もちろんやられたことは返した。ん? お前最低だな、って? それが俺だ。それに力のない俺はやり返したら倍になって返ってきた。

 ともかく、こいつにはかなり苦しみを与えないと気がすまない。

 なんせ大金を逃したのだから。


「ねぇ……ぉぇ……この人どうするの?」


 あの少女が俺の服の裾をつかんで聞いてくる。顔色がすごく悪いな。

 俺は視線をボスから離さないまま返事をする。


「俺が大金はたいて買ったような奴隷たちを殺したんだ。じっくりいたぶって殺してからこのアジトから金目の物全部掻っ攫う」


 俺がそういうと少女は裾を握る力を強めた。

 お、良いこと思いついた。ちょうどいいから確かめるか。


「おい、チビ共。ちょっと来い」


 俺はあることを思いついてチビ共を集める。俺は半身になってボスからも目を離さない。

 チビ共はふらふらと気分が悪そうだったが、なんとかこちらまで来た。

 みんな来たところで俺は肉を切るときに使っていたナイフを取り出す。

 チビ共はなんだ? と言う風に俺を見ている。


「よし、お前ら。あそこにいるやつはお前らの親とか村人を殺すように指示したやつだ。直接殺してはいないが、あいつが殺したも同然だ。

 そこでだ。お前らあいつに恨みないか? 今ならその恨みを晴らせるぞ。今のところ俺の最強の兵士があいつを抑えているからな」


 チビ共はゴクリと喉を鳴らす。

 あいつがお母さんを……あいつがおじちゃんたちを……などの声が聞こえてきそうな顔をしている。

 俺は「やるか?」とナイフを差し出す。

 すると、一人の少年が前に出た。

 ウルフカットのような髪型に金色の瞳をした狼のような雰囲気の少年だ。


「お、俺……やる。母ちゃんを殺したやつを……殺る!」


 そう言って少年は俺の持つナイフに手を伸ばす。

 

「ダメ!」


 少年が手を伸ばす手をあの少女がつかむ。

 やっぱり子供は親に似るのかね? 正義感が強いのか?

 ってそんなにあの子供思いの男と話していないけどな。

 

「……なんでだ? 俺らの親が、村の人たちが殺されたんだぞ!」

「それでもダメ! 人を殺すのはダメなの。人を殺していいのは自分の身が危険になったときだけ。相手が悪い人だからって無抵抗の人を殺すのは間違ってるよ!」


 なるほど。この世界は殺らなきゃ殺られる世界だと思ってたから、そんな人道的な教育がされているとは思わなかった。

 俺は他のやつに言葉を投げかける。


「どうなんだ? お前らはどう思う?」


 俺はチラチラとチビ共を見てボスから目を離さない。

 チビ共は心の中での葛藤がすごいようだ。顔がどんどん険しくなっていく。

 しばらくした後、チビ共は考えがまとまったようだ。


「私はやらない」

「僕も」

「俺もだ」


 そこからも続いて全員がやらないと言った。

 チラチラとチビ共を見る時間を増やしていく。

 ほぉ、自分に勝ったか。

 

「よく言ったな。もしこれでお前らがボスを殺そうとしてたら俺はお前らを置いて行ったよ」


 恨みで殺そうとするなら、俺もいつか身が危ない可能性が出てくるからな。村に入った時全員張り倒して奴隷にまでしたんだからな。

 でも、ここでこれほどの恨みでも人を殺さないと分かって少しだけ安心できた。いくら俺が村人を張り倒して奴隷にしたからと言ってその村の人たちを殺したやつよりは恨みは小さいはずだからな。 

 

「だがな……」


 俺は完全に後ろにいたチビ共のほうに向く。ボスには背を向けている状態だ。

 と、チビ共の方へ振り向いた瞬間。


「『焼き尽くせ』

 【ファイアーボール】」

「アヴァロン!」


 おそらくボスが魔法と思わしき言葉を発し、俺に攻撃してきた。

 やっぱりか。

 予想していた俺は振り向いた瞬間にアヴァロンに守らせる算段だった。

 俺は首だけ回して後ろを見てみると、案の定火の玉は障壁に阻まれて空中で消えた。そして、ボスはアヴァロンによって首と胴体が離れて動かなくなる。ボスの場所には赤い湖が出来ていた。

 俺はもう一度チビ共に向き直ると口を開く。


「例え相手が無抵抗だとしてもこうして油断をすると自分が殺られるんだ。

 無抵抗な人を無闇に殺さないってのはいい心掛けかもしれん。俺はそんなの知らんがな。

 だが、悪人はどこまでいっても悪人だ。容赦なんてしちゃいけない。悪人はあの手この手で生き延びようと、相手を殺そうと考えているんだぞ。

 つまり、甘い心を捨てろ。俺の奴隷になるなら俺に迷惑をかけるな。殺すべきだと判断したら容赦なく殺せないやつなんて余計に他のやつに危険を呼び込むだけだ」


 あ~、久しぶりに長々と喋ったな。

 俺はふぅ、と一息つくと洞窟の入り口へと向かう。これ以上ここにいると鼻が腐りそうだ。

 チビ共は俯いて動こうとしない。

 まあ、いい。どうせすぐに来るだろう。


「アヴァロン! ……お前はブライのように念話とか出来るのか?」

「ハイ、デキマス」

(はい出来ます)

「そうか、出来るならまだ中にいるブライたちを呼んで…………ってうぉい! お前喋れるのか?!」

「ハイ、カンタンナコトバナラ」

(はい、簡単な言葉なら)


 驚いた。まさかパワーアップだけじゃなく知能まで上がるとは。

 いや、そもそも鎧に知能なんてあるのか? ま、そこは神様がってことで納得しよう。

 てか、声は高くも低くもないなんとも中途半端な音域だな。ま、不快ではないからいいけど。

 

「……やっぱ、念話でブライにこの洞窟を全て調べて金目の物全部持って来いって言え」

「ワカリマシタ」

(わかりました)


 それじゃ、俺は外の荷車で待ってるとしますか。 

 俺はついさっき死にそうになったことも忘れて暢気に一人で歩いて洞窟を出て行った。


 

投稿してから日刊ランキング300位以内に何回も入ってます。

みなさまの評価&お気に入りのおかげですm(_ _)m

これからも頑張るのでよろしくお願いします

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