第九話
朝を迎えて二人で煙草を吸っていた。
『雛から呼び出すなんて珍かったじゃん。』
「暇だったから。」
雛は短くなった煙草を消して化粧を始めた。
『今日学校だったんじゃないの?』
「いいの。」
学校なんて行く気にならなかった。
それにもう3年で皆大学受験の勉強等で授業もほとんど終わっていた。
『単位やばいんじゃない?』
恭介と別れてから学校をサボる事が多くなっていた。
「卒業したら知り合いの所で仕事をする事になっていから単位が無くなるまではもう学校に行かなくてもいいんだ。」
まだテストもあるがもう頑張る気にもならない。
「帰ろう。」
『そーだね。』
二人はラブホテルを出て別れた。
雛は家に着き携帯を開く。メールは学校のクラスメートからだ。
雛が休む度に誰かしら
「どーした?」
とメールをくれた。
クラスメートの女子とは皆と仲良く、いつも何気ない優しいメールをくれる皆が好きだった。
嬉しいかった。
でももう違う。
浮気を隠してた皆が憎くてしょうがなかった。
きっと悩んだと思う。
言うか言わないか。
周りで相談し合ってたかもしれない。
それでも結局は教えてくれなかった。“友達”の意味がわかんなくなっていた。
メールなんて返す気にもならない。
結局返事はしなかった。
学校に行かないで遊ばないで家で考え続けた。
恭介の浮気意味。
友達の意味。
自分が頑張ってた意味。
「あ"ぁ"っ!!」
夜寝る時、目をつぶると必ず愛子と恭介が抱き合っている姿、友達と笑い合っていた姿が頭に入り込んできて眠れなくなった。
思い出しは起き上がり頭を振り声をあげた。
あんなに好きだった友達と恭介。
今ではこんなに憎んでる。
「最低だ私…。」
毎晩皆を憎む度に泣いた。




