第六話
「恭介今日話しぁるから放課後話そう!」
「「わかった。」」
その放課後まで落ち着きなく過ごす。
どうやって別れを告げよう。
あんなに好きだった人をこんなメールを見ただけですぐに冷めてちゃうなんて。私の気持ちもそんなもんだったのかな。
「「話しってなぁに?」」
恭介がいつも通りに雛の前にくる。
「…。」
言わなきゃ…。
「「どーした?」」
恭介は雛の頭に手をポンとのっける。雛はその手を払いのけた。
「別れよ。」
一瞬沈黙になる。
「「はっ?」」
「ごめん。前にメール見ちゃったんだ。」
恭介の動きが止まった。
「なんなのあれ?」
「「なんなのって…。」」
明らかに焦っている。
「私には遊ばせないで自分だけ隠して遊んでたんだ?」
「「別に遊んじゃダメなんて言ってないじゃん。」」
なんでこんなことを言うんだろう。
私は妬きやすい恭介が嫌な思いすると思ったから。だから我慢してきた。
なのにダメなんて言ってない。だって。
ふざけんなよ。
怒りが込み上げた。
「とりあえずもう好きじゃないから。」
「「ってか勝手に携帯見るとかどーゆう事?」」
「…。」
「「最悪だべ。」」
確かに最低な事したかもしれない。
でも見てなかったらこの事気づかなかった。
一人だけ我慢して。
一人だけ頑張ってた。
「…。
じゃぁね。」
「「待てって!」」
通り過ぎようとした雛の手をつかむ。
「「ごめんって。」」
「…。」
「「直すから。考え直して。」」
「もぉ無理。」
雛は恭介の手を振り払って歩き出した。
「「雛っ!」」
もぅ振り向かない。
それに考え直すこともない。
「終わっちゃった…。」
まだ胸のドキドキがおさまらない。
終わったんだ。
きっぱり別れたんだ。
もう気持ちは清々しかった。
涙なんて出ない。後悔もない。
雛は携帯を出してすぐに遊ぶ約束をした。
皆に
「別れた」
と最初に報告した。
だって皆私を誘ってくれなくなったんだもん。
私が断るの知ってたから。
次の日には高校の友達にも話した。




