第五話
朝…
雛が目を覚ますとまだ恭介は寝ている。
朝のキスも、何もしようとは思わなかった。
「はぁ。」
起き上がり少し考えた。
昨日の事がまだ信じられない。
また考えてるうちに怒りが込み上げた。
そしてすぐに帰る支度をする。
「「帰るの?」」
支度中の音で恭介も起きる。
「ごめん今日は帰るね。」
恭介はいつもの雛じゃないとゆうのに気づき少し不思議そうに見ていた。
「家着いたらまたメールするから。」
そう言って家を出た。
言えなかった自分に腹が立った。情けなくて…
辛くて…
悲しくて…
ずっとこらえてたのが一気に涙となって出た。
家に着き恭介にも普通通りにメールを送る。
そしてこの事を胸に秘めたまま、また普段通りに過ごした。
前と変わったのは、恭介が優しくしてくれても何も思わなくなったこと。
学校でも姿を探さなくなったこと。
夜が眠れなくなったこと。
そして好きと感じなくなったこと。
ずっと我慢してたが、雛にはもう耐えきれなかった。
もぅ好きじゃない。
必要ない。
このままじゃダメだ。
日々を過ごしていく中で“別れ”を考える事が多くなっていった。
そして今まで男友達と遊ばなかった自分が馬鹿らしく思った。
全部恭介の為にやってきた事。
それが全部無駄だった。
馬鹿らしい。
私は我慢してたのに。別れるって言わなきゃ。
もぅ好きじゃないって言ってはっきり言ってやる。
それで後悔すればいい…
とさえ思っていた。




