第四話
恭介のお風呂上がりを待っていた雛のすぐ横には恭介の携帯が置いてある。
いつもなら何も気にならない携帯。
いつもなら気にしないのに…
何故だかこの日は気になってしょうがなかった。
見ちゃおーかな…
恭介が風呂から上がってこないか耳をすましながらの携帯を開きメールを見た。
そこには元カノ、他の女、愛子ちゃんのメールがたくさんあった。
別にメールだけなら気にしないし…。
胸が高鳴るのが自分でもわかった。
お願い…何もありません様に…
そう思いながら内容も見る。
今日の泊まり楽しいかったね☆
恭介が寝てたから起こさないで帰るね。
また遊ぼう!
ある女とのメール。
名前に聞き覚えがある。
中学の友達と言っていた。
お前が居たから楽しかったんだよ!
その恭介の返事に雛はショックを受けた。
なんで…?
泊まりって何?
何も聞いてない。
それ以外ぢゃない。
元カノにも色々誘っているのがわかった。
嘘…。
頭の中が真っ白になった。
――ガタッ――
恭介が風呂から上がる音がした。
雛はすぐに携帯を閉じて元の位置に戻した。
「「気持ち良かったー!」」
恭介はバスタオルで頭を吹きながら部屋に入ってきた。
「「あれっ?髪乾かしてないの?」」
「えっ?あぁうん…。」
言わなきゃ…。
あの女は何?
泊まりって何?
聞かなきゃ。
「「こっち来て。髪乾かしてやるよ。」」
恭介は雛の腕をつかみ座らせた。
ドライヤーのスイッチを付けて雛の髪を丁寧に乾かした。
「…。」
言えない。
怖い。
もし他の女が好きだって言われたら…?
恭介は浮気なんかしない。
前からそう思い込んでいた。
だからショックだった。
でも雛は悲しさと怒りを隠すので精一杯だった。
「「寝るかぁ。」」
いつも通りに恭介は腕枕をしてくれる。腕枕をしてもらいながらも頭の中はあのメールの事でいっぱいだった。
――!!――
恭介は雛にキスをしながら体制を変えて雛の上にきた。
口の次は首すじ。
そして胸。
手際よく服を脱がせていった。
そして一つになる。
――ギシッギシッ――
「っ…ぁ…。」
何も嬉しくない。
何も感じない。
気持ち悪い。
早く終わって…。
「「雛…好きだょ。」」
「…ん。」
終わりかけた時に恭介の好きにも答えなかった。
終わって雛は恭介といつも通りいちゃいちゃする事もなくすぐに寝た。




