表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●*Start*●  作者: 蓮美
24/27

第二十四話

久しぶりの制服。

最後なのでYシャツに丁寧に自分でアイロンをかける。


これで最後なんだ。


先生との対立、母への反抗、彼氏との付き合い、別れ、友達との出会い。


色んな事があった。

辛い事もあったはずなのに今感じるのは自分が幸せだった気持ち。

笑っている自分を思い出す。


明日…

私は高校を卒業する。







――チュン…◇――


カーテンから差し込む光りで目が覚める。

時計を見るとまだ6時前だった。

寝たのは覚えてるかぎり3時頃だった。


眠…。


目をこすり寝返りをする。

「「ひな、起きなさい。」」


6時半に母に起こされた。


もうそんな時間?


意識はなんとなくあったはずだけど、少し寝てたみたいだ。


「おはよ。」


「「おはよ。」」


母は台所に立って朝ごはんを作っていた。

この部屋から出た時、台所からする匂いと包丁で何かを切る音。


高校行ってた時この音を朝毎日聞いていた。


そんな前の事でもないのになんとなく懐かしく感じる。


「「先に準備しなさい。」」


「うん。」


今日は素直に反応する事ができる。

先にシャワーに入り髪を乾かして黒スプレーで髪を真っ黒にする。

そしてセットしてから朝ごはんの並んだ食卓につく。


「「なんか見慣れないから…。そんな髪見たのいつぶりだろ。」」


母は少し薄笑いした。


「最後だからね。」


雛も少し照れ気味に笑い返す。

箸を持つがなかなか進まなかった。


緊張してんのかな…。


結局あまり口にしないで制服に着替え始めた。


もし卒業式中に発作が起きたらどーする?

いや大丈夫だよね?

今日は薬がある。

きっと大丈夫…。


鏡に向かって何回もそう言い聞かせた。

――ゴクッ――


薬を飲む。


これで大丈夫…。


ソファーに座り心を落ち着かせる。


「「雛、そろそろ行くよ。」」


「うん。」


玄関で靴をはき外に出る。もう日差しが温かくなっていた。


暖かい…。

朝から外に出るの久しぶり。


「「雛!!写真撮るから玄関の前に立って。」」


「あぁ。うん。」


玄関の前に立つ。

母はカメラをかまえてシャッターを押した。


――カシャ――


顔がひきつってたのに気づいたのは、現像した写真を見た時だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ