第二十三話
卒業式まであと一ヶ月もない。
私このままじゃだめだ。
皆に甘えてばっかで。
心配させるだけで何もしてあげられてない。
雛はすぐに財布を取り出し前に行った病院のカードを出し電話番号を見た。
「明日の予約お願いします。」
もう一度病院に行き薬を貰う決心をした。
もう逃げたりなんかしない。
ちゃんと向き合うから。
「ママ、私明日もう一回病院行ってくる。」
『そう…。それで雛が楽になるならいいよ。』
母も反対なんてしなかった。
「もうすぐ卒業式なんです。出たいので強めの薬貰えないですか?」
先生は副作用に怠さが出ると言ったが卒業式に出られるならそれでも良かった。
「それでもいいです。」
「「わかりました。」」
安定剤と吐き気止めを処方してもらう。
これで大丈夫。
きっと大丈夫。
そう自分に言い聞かせた。病院から帰る途中雛が行っている学校の生徒が歩いている。
「あれ…今日登校日だったかな?」
「「ちょっとー!!しっかりしなさいよー。」」
母は少し笑いながら生徒を見ていた。
でも雛には寂しげに見ている様に見えた。
まま…。
私普通じゃなくてごめんね。
家に着くと学校から卒業式についての手紙が届いていた。
髪を染めること。
服装を正して来ること。
時間指定など。
【雛は期待裏切らないって信じてる。】
いつかそんな言葉を担任に言われた事がある。
先生には反抗ばっかりして、迷惑かけてきた。
学校を辞めると言った時、【辞めるな】と一人だけ言い、自分勝手やってきて担任の責任になって困らせてきたのに【雛を信じてるから】と言い続けた。
卒業式くらい…。
しっかりしよう。
もう準備はできた。
あとは卒業式を待つだけ。




