第二十一話
めぐの家は車で5分程の所にある。
『いらっしゃい!』
めぐは笑顔で迎え入れてくれた。
『車大丈夫だった?』
「うん。最近は近い所なら車でも平気。」
『そっか。良かった☆』
今も不安。
なんて言えないけど。
大丈夫きっと。
そう自分に言いかけた。
二人は話したり、ゲームをしたり、映画を見たりして楽しんだ。
『ふぅ。そろそろ寝るか!』
二人が横になったのはもう外が明るくなり始めてた時だった。
雛も久しぶりの泊まりに疲れて横になるとすぐウトウトしていた。
『雛?』
めぐは雛が起きているかどうか確かめた。
「ん…?」
もう寝そうな所で目が覚める。
『雛は楽しい事と辛い事どっちが多いと思う?』
いきなり不思議な質問をしてきた。
「辛い事かな。」
雛はすぐに答える。
『そう思うよね。でもさ、私は違うと思うんだよね。』
「何で?」
『楽しい事と辛い事って平等にあると思うんだ。でも辛い事が起こると落ち込んで楽しい時期が来ても楽しめなくなる。そうやって見逃してるだけだと思うんだ。』
確かに…。
『辛い事だけじゃないよ。きっと辛い中にも幸せってあると思う。』
「辛い中にも幸せ?」
『うん。今は気づかなくてもいつかきっと気づく時あると思う。』
「そうなのかな…。」
『きっとね。』
それ以上話しをしなくなった。
雛はそのままぐっすり眠ってしまった。
「ん…。」
時計を見るともう昼過ぎになっていた。
隣ではまだめぐが眠っている。
辛い中にも幸せか。
本当にそんなのあるのかな?
辛い時は辛い。
幸せなんて…。
『おはよー。』
横を見るとめぐが目を覚ましていた。
「あっおはよ!」
二人は起きて顔を洗ったい遅いご飯を食べた。
「じゃぁまた来るね!」
『うん。ばいばい☆』
母が迎えに来て車の中で泊まりで何をしたか話しながら家に向かう。
『大丈夫みたいで良かったね。』
母は雛の話しを聞きながら運転をした。




