第二話
「雛ーちょっと来い。」
いつも通り朝から先生からの呼び出し。
髪の色、化粧、服装、
明らかにこの学校で浮いてる存在だった。
でも先生に何言われても直さない。
維持だ。
雛は昔から少し体が弱かった。
スポーツ家系に産まれた雛は、頭は悪かったが運動神経がとても良かった。
でも中学校の時大好きだったスポーツができなくなり落ちぶれた。
それからはもう何も頑張らない人間になっていた。
親も雛に期待してた分ショックを受けていた。
何も特徴がない自分を隠すため派手な格好をするのが雛の維持の意味。
でも昔みたいに親に“褒められたい”とゆう気持ちはどこかにあった。
「雛は本当足が速いね」
褒められるのが、期待されるのが好きだった。
親の喜ぶ顔の為に頑張っていたのかもしれない。
あの時の期待を裏切ってしまった罪悪感がまだある。高校入ってからはバイトと勉強が雛の中の精一杯。
スポーツができない分高校に入ってから勉強をした。でもどれだけ頑張って良い点数を取っても褒められる事は無かった。
「うちはスポーツ家系だから勉強できてもねぇ…。」
頑張ったのに…
“褒められたい”なんて子供っぽいけど、雛の中ではずっと思ってきた事。
こんな事恥ずかしいから誰にも言えないけど。
もちろん先生はこんな雛の事情なんか知らない。
だから
「勉強できるんだから、身だしなみもしっかりしろ!」
が先生の口癖だった。




