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●*Start*●  作者: 蓮美
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第十四話

自分が精神病なんて信じられなかった。

次の日も、その次の日も学校に行こうとしたけど行く途中で必ず発作が起こった。


「何で…。」


でも明日にはまた前の自分に戻ってるかも。


そう何日も思い続け貰った薬も捨てた。

でも治らない。

家でも発作が起こる様になり外に出るのさえ怖くなった。

そして働くはずだった所の顔合わせにも行けずパーになった。


それから毎日毎日ベットの上で過ごし、ご飯も食べられなくなった。

そして携帯の電源も切り母とも話さなくなっていった。毎晩夜静かになると思うのは同じこと。

恭介、友達、おじいちゃん、母親。


こんな私が生まれてごめんなさい。


そう何回もつぶやき泣き明かした。


――カチカチカチ――


右手にカッターを持ち見つめるのは左手首。

あれから5キロは痩せただろうか。

やけに細く見えた。

手首にカッターを当てる。

「っ……」


――カタンッ――


カッターを手から落とす。左手首からは血は出てない。

へなへなとその場でしゃがみ込んだ。


「怖いよぉ…」


生きてたくない。

疲れた。

もうこんな人生なんてヤダ。

何回そう思っただろう。

でも死ぬ勇気なんてなかった。死ぬのが恐くてたまらない。


私が死んだら何人が泣いてくれるだろう?

皆悲しんでくれるかな。


「ははは…。」


何でだろう。

笑えてくる。




『将来は花屋さん☆』

小学校の時に参観日で母が来ていた時の授業は将来の夢についてだった。

みんな花屋やらケーキ屋やら…。

可愛いらしい夢。

そんな中自信を持って

「将来は世界テニスプレイヤーになる!」

そう言った小学校の時。

両親は喜んだ。

「雛ならなれるよ!」

パパやママに言われて喜んだっけな。


「テニス止める?」

父がいなくなってから体の調子がおかしくなった事に気づいた。でも母にも誰にも相談はしなかった。

自分でテニスはもぅ無理だと言った。

本当は止めたくなんてなかったんだ。

続けたかった。「わかった。」

そう言った母は少し声を震わせていた気がする。


夢を諦めたあの日。

今でも思い出せる。

あれからスポーツ番組を見なくなった。

見たら思い出すから。

そして今もまた夢を諦めなきゃいけなくなった。

あれからスポーツにはずっと背を向けてきた。

そんな中オシャレとかに夢中になって興味が湧いた。アパレル関係の仕事に就けると決まった時は喜んだんだ。

スポーツを諦めたあの日があって良かったんだと思えるくらい。


ねぇ。

私はもう夢を持てないのかな?

何も望めないのかな?


「うける…。」


泣きながら笑った。そして周りにある棚を蹴ってボコボコにして泣き叫んだ。

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