第十一話
母にはもぅ楽にさせると決めた日。
あれから数日。
少し母を見る目が変わった。
『雛ー。学校行かなくて本当大丈夫なの?』
雛が離婚してた事を知ってるなんて母は知らず話す。
「大丈夫だよ!でも明日久々に行ってみるかな。」
『そうしなさい。』と母はまたご飯を作り始めた。
学校か…。
あれからメールはくるけど返してはいない。
メールは恭介からもきていた。
「行かなきゃ。」
次の朝少し遅く起きたが学校に行く準備を始める。『雛ー!』
教室に入るなり静香やその他の女子が駆け寄ってきた。
『何やってたのさぁ!』
皆連絡とれない雛を心配していた様だった。
近寄らないで。
心配なんかしないでよ。
笑いかけないで。
「ははっ…。」
ちゃんと笑えてるかな。
軽く笑って席に着いた。
「「何で学校来なかった?」」
恭介がすぐに雛の前に来た。
話しかけないで。
「関係ないじゃん。」
『はっ?何お前。』
恭介は少し笑いながらイラついたみたいだ。
「愛子ちゃんと浮気してたの聞いた。」
今付き合ってないんだからこんなん言ったって意味ないって分かってる。
でも恭介が愛子ちゃんとの関係バレてないって思ってるのは腹立つ。
『誰に?』
「誰でもいいじゃん。」
『…。』
「信じてた私が馬鹿だったわ。好きとかより戻そうとか。馬鹿じゃないの?」
『…ごめん。』
「とりあえずもう話しかけないで。てか連絡ももぅしないから。」
雛はそう言って席を離れた。
涙はこらえた。
皆の前で泣くなんてみっともない。
またすぐに和也に電話をして迎えてにきてもらった。
『またかぁ!俺だって暇じゃないんだぞ!』
「知ってる。」
家まで送ってもらい着替えてから少しドライブをしてラブホテルに行く。
『最近雛変じゃね?』
「そぉ?」
『なんか口数少なくなったってゆーか。』
「そんな事ないよー!」
雛は和也の手をバシバシ叩いて元気アピールをする。
『まぁ元気ならいーんだけど。てか明日から一週間出張だから。』
「そっか!頑張ってね。」
『雛…。』
――ギシッ――
ひとつになる瞬間も
上で汗ばみながら動く姿を見ても
名前を呼ばれても
何も感じない。
だからもぅこの行為さえ何か物足りない。
つまらない。
『もぅイクわ。』
一気に突くスピードが早くなる。
早く終わって。
終わる瞬間恭介の顔が浮かんだ。
何であいつが思い浮かぶんだよ。




