最終話 最後の戦場へ
三日後、予定通りアルカたちがハイレス王国の軍勢を連れてこの隠れ家に来た。
引き連れている軍勢はおよそ三万ほどで他国に貸し出すにしては中々多い方なのではないだろうか。
ハイレス王国の方々には感謝を禁じ得ない。
「行くかルルア」
「うん! 早くこの戦争を終わらせてゆっくりするのだ!」
「レイス、私もついていきますからね? 死ぬときは一緒です」
なんどもアリエルを説得したのだが、彼女はついていくと言ってくる。
絶対に譲るつもりがないようで俺も諦めてアリエルを連れて行くことを認めた。
まあ、どのみち戦争に勝ってテラソルス王国の僻地に土地を貰って暮らすか負けて死ぬかなのだから変わらないだろう。
「レイス、本当に協力してくれてありがとう。感謝する」
「別にいいって。それよりも勝ったら約束は果たしてくれよ」
「わかってる。勝ったらアリエル殿下とお前に土地を譲ればいいんだろう?」
「追加でルルアのも頼む。一緒に暮らすことになるだろうから」
俺たちは戦場に向かう前だというのにあまり緊張感がない感じで話し合う。
ここからテラソルス王国に向かって進軍するが、今すぐに戦闘がおこるという事はまずない。
であるならば、ここから緊張していては体がもたない。
「イリア、頑張ろうな」
「レイス……ああ。絶対に勝とうな」
何があっても負けるわけにはいかない。
ここで負けてしまえばすべてを失ってしまう。
だが、ここで勝てば自分が待ち望んでいた平穏な生活が手に入る。
「アリエル、絶対に前には出るなよ?」
「わかっています。私はあなたに守ってもらうつもりでいるので」
「今から戦場に行くやつの発言とは思えないけど、まあいいや。絶対に俺から離れるなよ」
「ふふっ、なんだか懐かしいですね」
戦場に主君を連れて行くなんて騎士失格も良いところだが、本人が引く気が無いのだから仕方ないだろう。
俺は俺で自分のできることをできる範囲でやるしかないんだよな。
「レイス様、今回は頑張りましょうね」
「エスカ、お前も来てくれたんだな」
「もちろんです。せっかくもう一度同じ戦場に立てるんですから」
「そうかい。俺もエスカには期待してるぜ」
過去に何度も同じ戦場で戦ってきたエスカがこの戦場にいるのであれば安心できる。
さあ、最後の戦場に向かう事にしようか。




