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第92話 敗北の運命に抗え、狂気の少女・フィニィとの対決

この度もお読み頂きまして誠にありがとうございます。


もうすぐで目標の100話!自分で読み返して見てもなんだか内容がぐだっとしている様な気がしますが、決して引き延ばしている訳ではないのです。信じて下さい(泣)


これでも一生懸命書いているので少しでも多くの方に楽しんで頂ければ幸いです。私もぐだつかない内容にならない様に努力したい所存です。


本日もどうぞよろしくお願いいたします。

「魔力の、限界?それってどう言う……」


 その言葉とエクラの苦しそうな様子に嫌な予感が胸を過る。シルマもただならぬ空気に不安そうな表情を浮かべながらエクラに回復魔術を施し続ける。


「どう言うも、なにも、言ったまんまの意味。はりきってヘラクレスに魔力送りすぎたかも。完全なる、魔力切れっ」


 小刻みに何度も息を吸いながらエクラは朦朧として答えた。魔力切れ、それってつまり……その言葉の先を予想した矢先、鉄を弾いた鈍い音が響く。


「くっ」


 嫌な予感と音につられてそちらに視線を移すとフィニィの蹴りをまともに受けよろけるシュティレの姿が見えた。


 シュティレ自信が鎧を装備していることと、現在もアムールが防御強化の歌唱を続けており、防御力は上がったままであるため、大ダメージを受けた様子はなかったが、防御を捨てた戦法を取っていたため、今の一撃は流石に効いたらしい。


 ヘラクレスの方を見れば動いてはいるものの、明らかにスピードも攻撃の威力も落ちている。地面を割るほどの一撃も今ではフィニィに片手で往なされるほどになっていた。


「シュティレ、大丈夫かっ」


「あ、ああ、問題はない。だが、ヘラクレスの様子が……っ!!」


 突如として訪れた戦況の変化に戸惑い、動揺して遠くから叫ぶことしかできない俺に向かってシュティレが答え、突然動きが鈍ったヘラクレスの方を見た後、目を見開き息を飲んだのが分かった。


「み、見てください。ヘラクレスさんがっ」


 満身創痍のエクラを支えながらシルマが青ざめる。俺も同じ光景を目の当たりにして全身が冷たくなるのを感じた。


 大事な戦力であるヘラクレスの体が消えかかっているのだ。いや、もう認識できない程に体が薄くなっている。これは確実に消える前兆だろう。


「ごめん、今はヘラクレスの存在を維持できない」


 エクラは弱々しく、申し訳なさそうにそう言ったと同時に存在感抜群だった屈強なヘラクレスの体が一瞬で消え去った。


「へ、ヘラクレスが」


『消えた……』


 俺は言葉を失った。流石の聖もこの状況に呆然と呟く。攻撃を打ち出し続けていたシュティレも事態の異変に気がつき、素早くフィニィから離れて一旦安全を確保する。


 アムールも戦況が変わったことを察して歌唱をやめた。同時に体から力が抜けて行くのを感じ、強化が解除されたのだと言うことがわかる。


「あれれぇ、魔力切れかぁ。召喚士なのに神霊の存在を維持できないとか情けなさ過ぎない?私に強気で喧嘩を売って来た割にはヘボいんだねぇ。期待外れもがっかり~」


 魔力消耗が激しく、ぐったりしているエクラと消えたヘラクレスを見て状況を察したのか、先ほどまで焦りの表情を見せていたフィニィは余裕を取り戻し、意地悪く笑って嫌味をぶつけて来た。


「うるさい、魔力なんて、休めばすぐに回復するしっ。そしたらまたヘラクレスを召喚してアンタをぶちのめしてやるんだから」


 血の気がない状態強気に言い返したエクラだが、フラフラの体で紡がれるそれはどう見ても精一杯の強がりだ。


「おい、まだ動くな。回復しきれてないだろう」


 見下されたことが悔しいのか、フィニィはフラフラになりながらも立ち上がろうとしたのでそれを支えながら宥めると彼女はひどく悔しそうにしながら俺に体重を預けて来たで

回復するまでこのままエクラの壁になることにした。


「やだー。怖い怖い。そんなに怖いヒトは魔力が回復る前に消さないとねッ」


 フィニィは口が避けるのではないかと思うほど限界まで口角を上げ、狂気的

笑い、今がチャンスとばかりに俺たちに向かってを翳し、その手に魔力を集中させて攻撃態勢を取る。


「やっばい」


 逃げ場のない状況で俺の口から情けない言葉が漏れる。シルマがダメ元で防御壁を張る態勢を取り、シュティレも相手が攻撃を仕掛ける前に隙をつけないかと、武器を握る手に力を籠め、慎重様子を伺っていた。


「それじゃ、今度は私のターンだね。うんと苦しめながら、ゆっくりと殺してあげる」


 素直に命を奪う気はないと宣言され、また血の気引く。普通に死ぬも全力でお断りのに長く苦しみながら命が淘汰されるなんてごめんだ。


「あ、盾の女神の(アイギズ)……」


 シルマが自信なさげに防御壁を張ろうとすると地面の中からまた黒い鞭が飛び出てシルマの詠唱を防ぐ。


「きゃあっ」


「わっ、危なっ」


 地面から飛び出た鞭が俺たちに命中することはなかったが、そのままの勢いで攻撃の風圧でよろけた俺たちめがけて二撃目を振り下ろす。


「無駄だよ。防御壁の内側から攻撃するって言ったでしょ。まあ、もう面倒くさいから防御される前にやっちゃうけどねっ」


 くすくすと笑いながら巨大な鞭に今にも潰されそうになっている俺たちをフィニィが口元を押さえて妖艶に楽しそうに笑う。


「むむむっ」


 崩れた体制から何とか持ち直し、流石にこのままでは危ないと感じたのかシルマの顔つきが変わる。


 いつもののんびりした表情から勇ましい顔つきに変わる。彼女にはそぐわない険しい顔つきに、俺は思った。まさか、ここに来て実力を開放するつもりか。


「そうはさせぬぞっ」


 シルマの実力ならこの勝負は一瞬で終わる。そんなことを思った時、離れた位置で攻撃に備えていたシュティレが流星を思わせる凄まじい速さで俺たちに駆け寄り、飛びあがって迫りくる黒鞭を全て槍で切り刻んで俺たちに背を向ける形で着地した。


「私の仲間に手を出さないで貰おうか」


 シュティレが槍の先をフィニィに向けて威嚇した。うわ、かっこいい!!マジヒーロ、マジイケメン(性別的に言うとManではないが)


 もう行動の全てが主人公である。なす術なく呆然と突っ立っているどっかの自分とは大違いでちょっぴり泣きそうになった。


「あはは、やるじゃん。それじゃあ、一撃目っ」


 他者を甚振る攻撃を楽しむ様に、更に言えば先ほどまでのお返しだと言わんばかりにフィニィが俺たちに向けて容赦なく仕掛けようとした時、小さな体がビクリと跳ね、その動きが止まった。


「油断大敵だぞ。フィニィ」


 どこからかアンフィニの声、そして次の瞬間、彼女の足元からブワッと黒い膜が上がり、あっという間に彼女の手足を拘束した。その拍子に彼女が持っていたぬいぐるみが地面に落ちる。


「やだ、何これぇぇっ」


 突如現れた黒い膜はそのままじわじわとフィニィの体を飲み込んで行く。まるで泥の中にでも飲み込まれている様なその光景に見ているだけで恐ろしさを感じたが、得体の知れない何かに飲み込まれている本人が感じる恐怖はその何百倍にもなるのだろう。


 その証拠に戦闘中、苛立ち以外であまり表情を崩すことがなかったフィニィが恐怖に歪み、涙目になりながらも必死でもがいて自らにまとわりつく黒い何かから抜け出そうとしている。


「あれは……まさか影か?」


 最初は目の前で起った謎の現象に驚いたが、よく見るとそれは根元が地面にしっかりと張り付いていた。それにフィニィの足元には影が見当たらない。足元に広がるのは黒い膜の様なモノのみ。つまり、あれはフィニィ自身の影と言うことになる。


この中で影を動かすと言う芸当ができるのはただ1人。シュバルツしかいない。そう言えば先ほどからアンフィニとシュバルツの姿が見えない。そのことに気がつき、2人の姿を探したがはやり見当たらない。


「いや、助けてライアー……っ。助けて、お兄様っ」


 シュバルツたちに気を取られている間にも黒い膜はずぶすぶとフィニィ飲み込み、彼女は泣きながら俺たちの方に手を伸ばし、最後に兄に、アンフィニの名を読んでそのまま黒い膜の中に閉じ込められた。


「な、なんだったんだ」


 それは一瞬の出来事だった。黒い膜はフィニィを飲み込んだことにより黒い繭へと変わり、俺たちの目の前でポツンと浮いていた。


 目の前で起こった “目の前の人間が得体の知れない何かに泣き叫びながら飲み込まれて行く”と言うホラー作品顔負けの恐怖の光景のせいで頭が全く回らない。


「クロケル、無事だった?」


「うわぁーーーーーーー!?」


 突如俺の影からアンフィニを抱きしめたシュバルツがにゅっと顔を出したことが目と脳では確認できたのだが、驚きの感情が先走り、絶叫した。


「し、シュバルツくん!?どうしてクロケル様の影から……」


 シルマが目を瞬かせて聞くとシュバルツは「よいしょ」と言いながら平然と俺の影から抜け出て来た。


「シルマの防御壁が消えた後からずっと、色んな影を移動して様子を窺ってたんだ」


「影を移動?」


 胸を張って言うシュバルツに疑問系になりながらも、俺には思い当たることがあった。シュバルツのコピー元である俺の世界のアニメキャラ「影坊主」もそう言う能力を持っていたのだ。


「でも、お前いつのまにそんな芸当を身につけたんだ。この黒い繭もお前の力か」


「あう……そんなにいっぱい言われるとわかんない……」


 ツッコミどころが多すぎて畳みかける様に聞いてしまったせいで、先ほどまで子犬の様な笑顔を浮かべていたシュバルツの表情が曇り、涙目になってシュンとしてしまった。


『あーあ、泣かしちゃダメでしょ。君の戸惑う気持ちもわからないでもないけどさ、せっかく助けてもらったんだから、御礼を言うのが先じゃない?』


「う、そうだな。今のは俺が悪い」


 聖に注意され俺は自分の言動と行動を恥じた。そうだよな。状況が飲み込めていないとは言え頑張って助けてくれた相手に向かって圧をかけるのはヒトとしてよくない。


 ましてやシュバルツは基本的には臆病なのだから。今回はもの凄く頑張ってくれたのだろう。であれば褒めるのが先と言うのは当然である。


 頭を振ってモヤモヤを吹き飛ばし、自分の器の小ささを反省しながら、何をどう答えればいいかわからず項垂れるシュバルツに深呼吸をしてから向き直った。


「助けてくれてありがとう、シュバルツ。後、いきなり色々と聞き過ぎてごめん。1つ1つ教えてもらって良いか」


「うん、クロケルの役に立てたなら、嬉しい」


 “助かった”と言う言葉が嬉しかったのか、涙目だったシュバルツは直ぐに明るい表情へと変わり、すっかり機嫌を良くして笑った。


「じゃあ、1つ目の質問だ。影を移動する能力はいつ身に着つけたんだ」


「えっと、クロケルが見せてくれたこのヒトの映像で覚えたよ。いつか使えるといいなぁって思ってアキラに何回も映像見せてもらって、いっぱい練習して今日、初めて使えたんだっ」


 ウワッ眩しっ。“子犬がいい子にできたでしょ褒めて”ってと同等の愛くるしさが眩し過ぎて目を潰しそうになりながらも俺は考える。“このヒト“と言うのは今の自分の姿「影坊主」を指しているのだろう。


 シュバルツが勉強熱心なのは知っている。完璧な「影坊主」になるために時間がある時やみんなが寝静まった頃にアキラに頼んでアニメを繰り返し見たり、技の練習をしていたのを何度か見たことがある。


 中々に大変な旅だし、夜ぐらい体を休めて欲しいと思っていたが、あまりにも一所懸命に訓練をしていたため敢えて止めなかったが、まさかここまで成長するとは思わなかった。もう完全に俺が知る「影坊主」になりつつある。


「木とかに身を隠すと気配を悟られやすいし、葉っぱが体を擦って音を立てちゃうかもしれないけど、影の中を移動するんだったら音も立たないし、気配を最小限に抑えられるでしょ。だから僕、頑張ったんだ」


「そうか。偉いぞ。じゃあ、あの黒い膜からの繭に閉じ込めるって言う恐怖、じゃなかった……強力な攻撃もお前が」


「うん」


「マジでか」


 勢いよく首を縦に振って肯定され、俺は驚きを通り越して引いた。あのホラー的な攻撃、そう言えば作中で「影坊主」も使っていたな。それも習得したのかよ。うそぉこの子ってばどこまで強くなるの。ポテンシャルあり過ぎだろ。


「そ、それは凄いな。ここまでの作戦は全部お前が考えたのか」


 シュバルツの成長に驚きつつ、質問を続けるとにこにことしていたシュバルツが今度は目を丸くして首を横に振った。


「ううん、違うよ。ボクは何にも思いついてないよ。全部アンフィニのアドバイスだよ。ね、そうだよね」


 そう言ってシュバルツは抱きかかえているアンフィニに呼びかける。みんなの注目を集め、先ほどまで黙っていた彼は純粋な呼びかけにぶっきらぼうに答えた。


「ああ。防御壁を破られて散り散りになった時に、こいつが不安と恐怖でパニック寸前だったからな。その場を切り抜ける為の助言をしたんだ」


「しかし、身をひそめることだけなら可能だろうが、どうやってフィニィの背後を取ったんだ。彼女には魔力の気配を読む能力があったはずでは」


 シュティレの冷静な質問にアンフィニは大したことではないと言う風に淡々として返答した。


「確かにあいつは魔力を読んで魔術を見切ることが可能だが、精神面が幼いことが最大の弱点なんだ。お前たちに負の感情や関心を向けて1つのことに集中すればするほどと隙ができる。そこを狙ったんだよ」


「なるほど。あの土壇場でよくそんな作戦を思いついたな」


 思いつくようで思いつけない大胆とも言える作戦に感心していると、アンフィニは緩やかに首を振り、自嘲気味に言った。


「いや、この作戦はずっと試してみたいとは思っていた。だがリスクも高いから自分1人では中々実行ができなかった。何かに集中していたとしても魔力を読まれる可能性はゼロではないし、今回のもほぼ賭けに様なモノだ」


「でも、結果的にこうして成功したんだから結果オーライじゃん」


 体力と魔力が回復して来たのかエクラがいつもの弾むような明るい口調でアンフィニに向けてグッドジョブと親指を立てる。


 前向きに返されたアンフィニは面食らったのか一瞬固まり、そして小さく笑った後に落ち着いた口調で言った。


「……ああ、そうだな。シュバルツのおかげかもな」


 アンフィニが誰かに感謝をしたのは初めてかもしれない。いや、感謝どころか誰かに頼るなんて今までになかったことだ。


 もし、防御壁を壊され、分断されてパニックに陥っていたシュバルツをアンフィニが見捨てていたら。もし、このフィニィの隙をつく作戦をアンフィニが1人で実行しようとしていたら……多分、結果は違っていただろう。


 これがアストライオスさんが言っていた運命を変える選択。人生と言う幹を歩いて行く中で現れる選択と言う名の枝。


 あれだけ協調性に乏しかったアンフィニが結果的に勝利に繋がる「正しい」選択ができたのは奇跡かもしれない。……どう言う心境の変化かは全くわからないが。


「アンフィニの機転とシュバルツの勇気ある行動には感謝しかないが……これ、どうすれば良いんだ。と言うかこの中はどうなっているんだ」


 アンフィニの変化にしんみりとしながらも、俺は目の前に不気味に浮かぶ黒い繭を見つめる。この中にフィニィが入っているんだよな。


「これは影でできた繭。一応、魔力が通らない仕組み。それ以外はよくわからない」


 映像でしか「影坊主」の技を見たことがないシュバルツは、この技の本来の性質を学びきれていないのか自信なさげにおずおずとして言った。


「はい。確かに中で魔力を発動させている気配は感じません。暴れている様子もないみたいです」


 シルマがそっと繭に触れて言った。こんな得体の知れない物体に良く触れるなお前。と思わなくもない。


「ええ~、あれだけ抵抗していたのに?何でかなぁ。中で眠っちゃったとか」


 エクラも不思議そうに首をひねって繭に触れる。そして人差し指の裏でコンコンと繭をノックした。だから、何で触れるの。そしてなんでそんな怖いことするかな。衝撃で割れたらどうするんだよ。


「この影の繭からは相当強い魔力を感じる。相手を眠らせる力があっても不思議ではないと思うが、シュバルツはそれについての心当たりはないんだな」


 シュティレに話を振られ、シュバルツはこくこくと首を縦に振って肯定した。本人の知る範囲では閉じ込めた相手を眠らせる効果はないらしい。


 俺は改めて繭とにらめっこをする。うーん、確かに何も反応がないが、ちょっと静か過ぎないか?雰囲気が不気味というか……こう、中で力を溜めて待機してるとかないよな?


『ちょっと、縁起でもないこと思わないで!と言いたいところだけど、僕も同じことを思ったよ。何か変な感じがするんだ』


 もう何百目の勝手なテレパスをした後、聖が俺の不安を後押しする様なことを言ったので俺は空中に浮かぶタブレットを二度見する。


「だよな。俺もアレから何か変なオーラを感じるんだ。それにこう言う場合って大概、上手く言ってないのがセオリーだし」


「ふむ、一段落ついた様じゃの」


 全員が様々な思いを抱えてフィニィが閉じ込められた繭を見つめる中、身の安全を守るため遠く離れた場所でミハイルと共に待機していたアストライオスさんがいつの間にか不敵な笑みを浮かべて背後に立っていた。


「みんなワシを守るために苦労をかけたな。安心せい、()()()()未来は変わったぞ」


 ひとまず、その言葉にちょっぴり嫌な予感を覚えながらも、誰一人欠けることなく戦闘を乗り切ることが出来たことに俺は胸を撫で下ろし、安堵の言葉が漏れた。


「はあ、よかった……」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


聖「次回予告!新たな能力が開花したのはクロケルじゃなくてシュバルツだった。と言うまさかの展開!序盤で手に入れた防御の力はいつ活かされるのか。そして、これでフィニィを無事捕獲することができたのか!?」


クロケル「余計なお世話だバーカ!でも、そうなんだよな。俺ってすっかり実況みたいになってるってて言う自覚はある、凄くある」


聖「次回、レアリティは最高ランクだが素材がないのでレベル1 第93話『戦闘後に勝ったと思って気を抜くのはとても危険なフラグです』ねぇ、あんまりへっぽこが過ぎると人気も人望も暴落するよ」


クロケル「誰がヘッポコじゃい。いいか、自己犠牲なんて何も生まないんだよ。何もできない奴が無暗に飛び出しても意味ないみたいなことお前も言ってただろ」


聖「言ったけど見てて情けないって言うか……あ、じゃあもういっそ“魔法騎士”から“ビビり系戦場実況者”にジョブチェンジする?」


クロケル「そんなジョブチェンジはお断りだ」








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