第29話 刺客を探せ!狙われたシャルム国王
この度もお読み頂きまして誠にありがとうございます。
うだうだと書き続けた結果30話目前です。急発進で書き始めた物語ですが、よくここまで続けられましたよ……。
設定もキャラを活かしきれていないので、せめて100話以上は書けたらなぁと思いますがどうかなぁ。物書きって面白いけど難しいですね。
本日もどうぞよろしくお願いいたします。
「お疲れ様です。クロケル様、シュバルツ君」
特に何もしていないが疲労困憊で帰って来た俺をシルマが笑顔で迎えてくれた。モニター後して俺の情けない姿を見ているはずなのに、俺を様付けしてこの笑顔。
……天使なのかな。流石、メインヒロインの容姿をしているだけある。懐の深さまでヒロインだな。
「ただいま、シルマ。ボク、頑張ったよ!クロケルを守った!」
ぴよんぴよんと跳ねる様にシルマに近づいてシュバルツは胸を張って言った。
「はい、見ていましたよ。恰好良かったですよ」
「えへへ」
シルマに頭を撫でられたことが嬉しいのかシュバルツは自慢げに、それでいて照れくさそうに頬を染めて笑っていた。
うーん。何と奇妙な光景なのだろう。何度も言うが見た目は高校生男子なのである。しかも身長も170前半ぐらいなので当然、シルマよりは高い。そのためシルマは命いっぱい背伸びをして頭を撫でているのである。
って言うかさっきまでのカッコよさは何処に。何事もなかったかの様に幼さ全開で褒めて欲しいと笑うのシュバルツを見ているとギャップで風邪をひきそうだ。
『うんうん。初陣にしては中々やるじゃん。一晩中頑張った甲斐があったねぇ』
ふよふよと浮きながら、聖が感慨深そうに頷いた。それを聞いて俺の脳裏に閃くものがあった。
「今朝言ってた頑張って、まさかこのことか」
そう尋ねれば聖は楽しそうに返答した。
「大正解!実はね、昨日の夜シュバルツが言ったんだ。クロケルを守れるようになりたい、だからもう一度自分がコピーしたヒトの映像を見せてくれって」
「俺を守る?なんでそんなこと……」
シュバルツの心変わりの要因は俺だったことに驚いたが、何故そう言う考えに至ったのか思い当たる節もなく、頭をひねっていると聖が俺の耳元まで近づいて来て小声で言った。
『シュバルツね、ラピュセルさんの一件で君に戦闘能力がないことに勘付いてみたいで。彼、君に懐いてるだろう。だから、今後危険なことが君を襲った際に君を守りたいって思ったみたいで』
「そうなのか」
ヤバいなんかジーンと来た。俺を想ってくれているシュバルツの健気さに涙が出る。そして臆病だったシュバルツにそう思わせてしまう自分の無能さにも涙が出る。
『一晩中必至で妖怪学園を見直して「影坊主」の戦い方やキャラクター性を学習。君思いで健気なシュバルツは一夜にして立派にコピー元の影坊主を学習しましたとさ』
なるほど。今朝から話し方が流暢になってやる気満々なのはそう言うことだったのか。確かに、先ほどの戦闘能力を見るに、かなり忠実にコピーできていたと思う。
祝詞はもちろんのこと、影を操る能力、戦闘時の険しい表情、凛とした声、どれをとっても確かにアニメの「影坊主」だと言える。
ちなみにコピー元のキャラは見た目も声優さんも俺の推しだったりするので、よりキャラクターに近くなると変にリアルさが増して情緒がヤバい。
戦闘時以外は本来の「シュバルツ」が出て来て子供っぽくなるのも、本来のキャラにはない一面を見ることができて二度おいしい。
しかし、リアル推し(厳密に言えば本物ではないが)を間近で感じることができて嬉しいと思う反面、気弱で可愛い弟ポジだと思っていたシュバルツにこんなにもあっさり実力の差を見せつけられた挙句に守る宣言までされてしまったことに、とてつもないショックを覚えた。
さっきも言ったが我が子の成長を実感する親、もしくは深夜番組や特撮で活躍していたが無名だった推しの声優さんや俳優さんが、突然売れてしまった時と同じぐらい嬉しいような、寂しいような、複雑な感情に囚われる。
「クロケルー!」
「お」
感傷に浸っているとシルマに頭を撫でられたシュバルツが俺の名前を呼びながらこちらへ駆けて来た。
複雑な思いを振り払い俺は両手を広げてシュバルツを迎え入れた。シュバルツは遠慮なく俺の胸にダイブし、目が眩むんじゃないかと思うほどキラッキラした笑顔で言った。
「これでクロケルを守れるよ。だからボクを頼ってね」
「うぐっ」
無垢で善意な言葉が俺の心を抉り取る。確実にザリッと言った。痛い痛い。心が痛い。俺は情けなさと悔しさと、とにかくいろんな思いをグルグルとさせながらもシュバルツの頭を撫でてやる。
「あ、ありがとう。シュバルツ。さっきは助かった」
「うん、クロケルの助けになれて嬉しい」
はああああ、なんて純粋な子。こんないい子の成長にちょっとジェラシーしてる自分がとんでもなく惨め。
いつまで経ってもシルマやシュバルツに守られっぱなしは良くない。2人に怪我をされるのも嫌だし、早くレベル上げしてなるべく頼る機会を減らそう。
聖、シュバルツ、シルマ、そして俺。この小さなパーティで俺が最弱であることが確定してしまってことに深く傷つきながらも俺は強くなろうと強く決意した。
「お疲れ様。中々の戦いだったわね」
「ホントです。シュバルツくんにあんな力がったなんて驚きです」
シャルム国王がタオルで顔を拭きながら俺たちの元へやって来た。クラージュもにこにことしてその隣で立っている。
「ぴゃっ」
「うわわ!おい、シュバルツ」
クラージュに微笑みかかられたシュバルツの顔が真っ青になり俺の首元を引っ張る様にして俺の背後に回った。軽く首が閉まって苦しかった。
視線をやれば震えながら首を振っている。どんなに力をつけてもクラージュへの恐怖は消えないらしい。
第一印象って怖いね。一旦植え付けられてしまった感情はどんなものであろうとも消えないんだもの。
「さ、いい汗もかいたことだし、シャワーを用意したから使いなさい。私も頂くから」
「皆様は応接間でお待ち下さいね」
シャルム国王とクラージュがそれぞれに案内の言葉を述べる。
「は、はあ。ありがとうごさいます」
にこりと笑って踵を返すシャルム国王の姿を見送りながら、いつの間にか背後に控えていたプロクスさんの案内でシュバルツと共にシャワールームへと向かうことになった。
シャワーを浴びてさっぱりした後、俺と聖は国王に呼び出されシルマたちとは別の部屋に通された。
極秘で大事な話があるとのことで、シュバルツはクラージュに連れられて名残惜しそうにシルマたちの元へと移動した。
「どうぞ座って頂戴」
「は、はい」
シャワーを浴びた後でも正装しているシャルム国王に促されて俺は着席する。極秘と言うことだけあって、部屋にはシャルム国王、俺、そして聖だけしかいなかった。
豪華な造りのテーブルには紅茶とお菓子の用意があり、どちらもいい匂いを漂わせている。
扉に目をやれば青い鎖の様なものが扉をしっかりと塞いでいる。この状況は覚えがあるぞ。なんとなく、話の内容が読めた気がする。
「アナタがアキラの大切な友人ね。クロケル」
「うぇっ!?」
突然本題に入られた上に俺たちが抱える事情をズバリ言い当てられたので動揺してしまい、モロに態度に出してしまった。自分でも驚くぐらい声が上ずっていた。
『はぁ、やっぱり君は誤魔化せないかぁ。人間観察が趣味みたいなものだもんね』
聖がため息交じりで観念した様に言えばシャルム国王は涼しい顔をして言った。
「最初にアナタたちと話した時からなんとなく思っていたのよ。今日、クロケルの相手をしてそれを確信したの」
「まさか、今日俺たちを朝トレに巻き込んだのはひょっとして……」
シャルム国王の全ての行動理由が一致して体が震えた。そんな俺にシャルム国王は自分で紅茶を注ぎながら平然として言葉を続ける。
「アナタはアキラと同じ世界から来たのね。だからどこかこの世界のことに疎いし、戦うことに関しても抵抗がある」
「はい、そうですね……」
そこまでバレれしまってのであれば隠しても意味がないと思い、素直に事実を認めた。シャルム国王はやっぱりね、と言いながら紅茶を一口飲んだ。
「さっきアキラが要求してきた強化素材はアナタのものね。と言うことはアナタ、まだ育成途中ってことよね。今のレベルを聞いてもいいかしら」
さらっとレベルのことを追及され、俺は石化した。やっぱりそこが気になるますよね。そうですよね。
本当はすごく言いたくなかったが、この状況で言い逃れはできない。まあ、シャルム国王は聖の元仲間だし、悪い人物ではなさそうだし、レベルのこと言っても構わないか……。少しだけ、プライドが邪魔をしてもたついたが、俺は自分の事情を話した。
「じ、実は俺、レアリティは5なんですけどレベルが1で……だから戦闘能力も皆無で役立たずなんです。さっきの朝トレでも全く役に立てなかったし」
言ったはいいものの、やはり少しだけ恥ずかしくて無意識に身を縮めてしまう。レア5レベル1と聞いた時、さすがに驚いたのかシャルム国王の動きが一瞬だけ止まったが、すぐに優雅に紅茶をすすり、そっとカップを置いた。
「そうだったの。通りで動きが面白いと思ったわ。反射神経は悪くなかったけど」
「うううっ」
動きが面白かったですか、そうですか。すみません、クールな見ためでなのに動きがギャグで。
「でも、魔法騎士なんでしょ。種類とか威力とかは関係なく、スキル以外に魔法は使えないの?」
「はい。まったく……魔法はおろか、レベルが低くて相手にダメージが微量しか入らないです」
口に出せば出すほど情けなすぎて体を小さくなってしまう。ああ、もう床しか見れない。意気消沈する俺を見て、シャルム国王は人差し指を顎に当てながらさらりと言った。
「アナタの場合、レベルが低いから戦えないんじゃなくて、戦い方が分からないだけなんじゃないかしら」
「えっ」
予想外の言葉に顔を上げてシャルム国王の顔を見れば、平然とした言葉が返って来る。
「アナタ、本来は戦場からは程遠い『一般人』なんでしょ。戦い方も魔法の使い方もわからないなんて、当然のことじゃないの」
言われてみればそう、なのか?確かに、前世では習い事を含め特別なことは何もして否かったし、霊感とか繊細な感性は持ち合わせていなかった。
転生後は唯一のスキルが問題なく使えたため、戦闘能力や魔法もレベルさえ上げれば自然について来るものだと思い込んでいたが、違うのか?
「そ、それは低レベルな俺でも訓練をすれば、それなりに使い物になるってことですか。魔法も使えるかもしれないと」
個人としてはとても喜ばしい可能性に爆上がりなテンションを押さえつつ聞けばシャルム国王は軽く首をもたげた。
「あくまで可能性の話よ。知らないことをやれって言われてできる人は少ないでしょ。保証はしないわよ。どうしてもって言うなら魔法学校を紹介してあげる。そこの校長と古くからの友人だから」
「魔法学校?」
『げっ!』
魔法学校、俺の様なオタクからすれば心躍る言葉だが、同じオタク属性のはずの聖からは心底嫌そうな短い声が飛び出る。
疑問に思い空中に浮かぶタブレットを見上げればシャルム国王は楽しそうに笑った。
「うふふ、嫌そうな声ねぇ。いいじゃない。アタシに会ったついでに、この世界の長として挨拶回りしてきなさい」
「君、ホントにいい性格してるよね。面白がってるでしょ」
聖の体はタブレットであるため表情は読み取れないが、悔しそうな声色から多分シャルム国王を睨んでいるだろうと推測できる。
「そうねぇ、アンタへの面白さ半分、クロケルへの親切心半分と言ったところかしら」
明らかに悔しがる聖を見下す様に眺めながら、シャルム国王はおかしそうに笑った。
「なんだ。お前、魔法学校とやらにも知り合いがいるのか」
『う、うん。まあ、シャルムと同じだよ。そこの校長、僕が神子だったころのパーティーメンバーなんだ』
テンションがた落ちの聖に問えば渋々と返答があった。
国王に校長……お前のパーティーメンバーどうなってんの。有能過ぎない?どんなチートメンバーだよ。
「どう、クロケル。魔法学校に興味あるかしら。流石に入学は無理だろうけど、学校体験ぐらいは許されるんじゃないかしら。きっとアナタの力のプラスにはなると思うわよ」
聖を完全スルーしてシャルム国王が俺に問いかける。
正直、とても興味深い。現状を少しでも変えることができるのであれば行ってみたいと思うし、単純に魔法学校と言う響きににもかなり惹かれるものがある。
「はい!魔法学校、興味があります。行ってみたいです!」
『ちょっ!クロケル!?興味が湧くのはわかるけど、やめてよぉっ』
全力で肯定する俺に聖夜が全力で嫌がって見せたが、ごめん聖。一度生まれてしまった好奇心はそう簡単には消せないんだ。
様々な作品において万人の心を掴むこと間違いなしのファンタジーの世界。しかも魔法学校とか興味しか湧かん。
「じゃあ決まりね、さっそく連絡を……」
シャルム国王が懐から端末を取り出した瞬間、ビシッと鞭がしなる様な音がした。その後にポタポタと水滴が零れる音がしたが、その音の正体を目の当たりにして俺は一瞬息を飲んだ。
「……った」
短い苦悶の声が上がる。先ほどまで優雅に談笑していたシャルム国王の左手から血が溢れ出ているのだ。白い手には深紅の血が良く映え、不謹慎ながら美しささえ覚えた。
流れ出る血は止まることなくボタボタと音を立てて流れ出て行く。零れ落ちた血が乾き、青い絨毯を真っ黒に染め上げるのを見て、突然の事態に茫然としていた俺は我に返った。
「こ、国王様!大丈夫ですか!?聖、誰か呼んできてくれ」
『クラージュさんの端末をハッキングして連絡するよ。シャルム鍵を開けて』
「ええ、お願い」
シャルム国王がそう言ったと同時に部屋を塞いでいた鎖がフワッと消えた。聖が急いでクラージュに連絡し、現状を伝える。
俺はシャルム国王の隣へと移動する。傷口が痛むのか、国王は苦悶の表情を浮かべていた。無礼を承知で体を支えて手を見せてもらうと、刃物で切り裂いた様な傷が手の甲に深く真っすぐに刻まれていた。生々しい傷口に慣れていない俺は目を逸らしてしまう。
「……戦場をしらないひよこちゃんは……あまり見ない方が良いわよ」
シャルム国王は浅く息をしながらそう言ったが、その顔が真っ青だ。血を流しすぎたのだ。
「血、とにかく血を止めないと……」
焦って右往左往とする俺の体を邪魔だと言いたげに弱々しく押しやった。
「平気よ、よく見ていなさい。魔法はこう言う時に便利だから」
シャルム国王は無事だった右手を左手の傷口に当てて、ゆっくりと深呼吸をした。すると右手か淡い黄緑色の光が溢れ出し、その光が傷口をどんどん塞いでゆくのだ。
時間にして数秒、血もすっかり止まり、あれほど深かった傷口も跡形もなく修復していた。まさか、回復魔法?この状況で自分で治癒したのか、この人。
一瞬の出来事に現状理解が追い付かない。視線のやり場に迷い、シャルム国王の顔を見れば、血を流しすぎて真っ青だったシャルム国王の顔色はすっかりもとの色白さを取り戻していた。
「いやだわ、命を狙われるのは久しぶりね」
あんなことがあったにも関わらず、シャルム国王は平然とそしてうんざりとして言った。なんでそんなに平気なんですか。めっちゃ血がしたたり落ちていましたけど。床とか赤黒くなって大惨事ですけど!?
無傷のはずの俺がパニックを起こしていると、バンッと扉が乱暴に開いてクラージュが部屋に飛び込んできた。
「旦那様!!ご無事ですか」
「ええ、自分で直したわ。気分も悪くない」
なんでそんな他人事みたいに言えるんだ。まさかこう言いうめに遭うことは慣れっこですか。ダメ出すよ、こんな危険なことに慣れちゃ。
血相をかいたクラージュに続き、エクレールさん、プロクスさん、シルマ、シュバルツがバタバタと慌ただしく部屋に訪れた。
クラージュたち主従組がシャルム国王に群がる形でその安否を確認し、一段落したところで俺と聖はここで起きたことを全て話す。
「談笑の途中で突然手が……何かの魔術でしょうか」
プロクスさんが顎に手を当てて考える様に言い、エクレールさんも頷く。
「陛下でも気配を感じなかったと言うことは、アサシンの可能性がありますね。この部屋には怪しい者はいなかった。であればどこかで術を施された可能性があります」
「アサシン……つまりは刺客、ですか。旦那様の命を狙うなど、言語道断。私が生まれてきてきたことを後悔させてあげます」
冷静に敵と分析する2人とは違い、クラージュはその瞳に殺気を宿らせ、ドスの効いた声で言った。
「それにしても、ご自身で治癒をするなんてすごいですね。怪我をした状態で魔力を使うのは普通の倍は体力と魔力を消費すると思いますが」
同じ魔術師としてなのか、シルマは心配そうな様子でシャルム国王を見るも、当の本人はとても涼しい顔をしていた。
「命を狙われるなんて昔からよくあったからね。もう慣れたわ。いつどこで、誰に襲われるかわからなし、自分の身は自分で守らないとね」
シャルム国王は肩をすくめてそう言った後、表情を曇らせた。
「でも、そうねぇ……早く刺客を見つけ出してこんな面倒くさいこと片付けたいわ。他の仕事もあるし、刺客ばかり気にしている暇もないし……どうしたものかしら」
手を頬に当てながら、シャルム国王は長いため息をついた。命を狙われているのに仕事のことも考えなければいけない。
国を背負うって大変なことなんだな。そんな国王を複雑な心境で眺めていると本当に偶然目があった。
その瞬間、シャルム国王は明らかにいいことを思いついたと言う表情を浮かべた。そして俺は察した。この感じは俺たちに取っては「面倒くさいこと」の巻き込まれるフラグだと。
「ねぇ、あなたたち、ちょっと手伝ってくれないかしら。もちろん、御礼は弾むわよ。ほら、魔法学校の件もあるし」
「……わかりました。お手伝いさせて頂きます」
魔術学校。それを引き合いに出すのは卑怯だ。了承するしかないじゃないか。
シャルム国王には良くしてもらったし、さっきの光景を間近で見てしまったので心配でもある。仕方がないと思いつつも俺は確信した。自分はトラブルに巻き込まれる体質なんだと。思わずため息が出た。
「よし、それではここにいる者で即席部隊を編成しましょう。打倒刺客!見つけしだい極刑ですっ」
クラージュが力強く言い放ち、プロクスさんとエクレールさんが「はい」と返事をして頭を下げる。
何が何だかわからないシルマとシュバルツも緊急事態だと言うことだけは理解し、その言葉を受け入れた。
こうして、国王の命を狙う刺客探しが始まったのだった。
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聖「次回予告!幽霊騒動の後はなんと刺客探しに打って出ることになったクロケル。レベルが上がらないまま更なる戦いへ赴くことになったクロケルの運命や如何に!」
クロケル「今回ばかりは無視できない事態とは言え、やっぱり気が進まない……」
聖「なにそれ!そこはこの俺が刺客を見つけ出す!って言うとこでしょ。主人公!」
クロケル「俺は突っ走り熱血系ヒーローじゃないの。自分の実力は弁えてるよ」
聖「次回レアリティは最高ランクだが素材がないのでレベル1 第31話 『意外なる刺客の正体』お楽しみにね」
クロケル「お前、誰に向かって言ってんの」