第187話 二次元系ギャルは何故か正しさとカリスマ性がある
この度もお読み頂きまして誠にありがとうございます。
私、基本的に体重は気が向いた時にしか計らないのですが先だって久々に計測してみたのです。タ●タのやつで。
あれってBMIとか筋肉量とかも出るんですよ。あくまで推定数値でしょうけどね。
そしたら見事細マッチョで……最近、仕事のストレスで気が狂う様に筋トレと糖分とタンパク質を摂取したせいかもしれません(泣)だってお豆腐バーおいしいから……。
通りでこの前スカートが太ももでつっかえると思ったぜ。ウエストはガバガバなのに。改めて確認したら足が馬かよって筋肉だった。我ながら怖かった(震)
あ、因みに糖質ってある程度は摂取した方が痩せるんですよ。要は「燃やすもの」を蓄えるんです。ヤバいのは脂質。アレ、全然落ちないから……。
甘い物が食べたいときは洋菓子より和菓子がお勧めです~、安倍川餅とかおはぎとか!そして水分もとても大事。と、そんな上から目線アドバイスはいらんですね、そうですね。
本日もどうぞよろしくお願いいたします。
「みんなストーップ!情報を聞き出すにしても、そんなにプレッシャーをかけたら話せるものも話せなくなるでしょっ」
かつての英雄たちの穏やかなのに重圧があるという奇妙かつ器用なプレッシャーがその場に渦巻く中、エクラが両手を大きく振りながら割って入り、毅然として言い返した。
凄いな、この空気の中そんな強気で立ち向かえるのか。しかも相手はかつて世界を救った英雄たち、プレッシャーも然ることがら醸し出される威厳も桁違いと言える。俺なんてさっきから妙な恐怖で声も出なかったのに。
流石はアストライオスさん孫、と言ったところか。それともギャル属性だからなのか。
なんかさ、二次元系ギャルにそう言う傾向、あるよね?ギャルってかチャラ系キャラの方が勇ましいみたいな。
二次元じゃなくてもメディアの取り上げられ方と言うか、主に若者の支持が高めだよな。あれか、自分の意見を曲げないところとか、物怖じしないはっきりした物言いが良しとされている感じなのかもしれないな。
俺が好きなゲームやアニメのギャルもカリスマ性あるキャラが多いし。そう言うステレオタイプがあるのかもしれない。実は礼儀正しいみたいな風潮もある気がする。
まさに二次元系ギャル。エクラはまさにそのタイプなんだろうな。って自分で表現しておいてアレだが二次元系ギャルってなにさ。そんなジャンルねぇよ。
「そんなこと言われてもなぁ。この何もかも停滞した状態から脱却するには情報を集めることが一番重要だろ。それに、その子からはまだ明確に協力すると言われたわけでもない。言わば立場としてはライアーと同じ捕虜だ。いつまでも甘い顔をしてはいられない」
俺が無駄にノリツッコミをしている間にもエクラVS英雄たちの口論は続いていた。エクラの真っすぐな言葉に対し、明らかに面倒くささを含んだ雑な口調で容赦のない現実を突きつけたのはケイオスさんだ。
「確かに、状況だけで言えばそうかもしれない。でもそう言う言い方はないでしょってハナシをしてるの」
例えケイオスさんの言葉が正論だったとしても、その態度は良くないとエクラは決して引き下がらず意見を述べる。
「確かに、状況だけもればそうかもしれない。でも、そう言う言い方はないでしょってハナシ」
例えそれが正論だったとしてもそれは自分の正義に反するので受け入れたくないと、エクラは強気の姿勢を崩さないまま負け地と意見を突き返した。強い、強すぎるぞエクラ……。
「エクラ、あなたがお人好し……いいえ、優しいのは分かるわ。心が弱っているフィニィを守ってあげたいと言う気持ちも理解できる。でも、それは後先のことを考えての発言かしら?突発的な優しさはただの無責任な甘さでしかないのよ」
エクラのフィニィを守ろうとする真っすぐな正義感に頭を悩ませているのはシャルム国王もケイオスさんと同じらしく、眉間に皺を寄せながら言葉を選びつつエクラの行動や発言を諫める様な言葉をかける。
「無責任だとは思っていません。あたしは心を痛めているフィニィちゃんを助けたいと思っているだけです。それに、先のことより今を大切にすれば自ずといい未来に繋がると思います」
「……言うじゃない」
何を言われても自分の意見は曲げようとせず更に自分の意見を突きつけて来るエクラに面食らいつつも少し苛立ちを覚えたのか、少し言葉を溜めた後に冷静な口調で短く言った。
ああ、俺にはわかる。また仲間内で意見が対立して空気が凍って行くのが分かる。しかし、この件に関してはケイオスさんやシャルム国王の考えも、エクラの考えも正しい。個人の物事の味方や価値観が違うだけでいずれも間違いではないのが厄介だ。
どっちの味方をしても圧力がかかりそうで俺は余計なことは言うまいと口を噤み、なるべく気配を決していた。消していたのだが……何故かエクラと目が合ってしまった。アッ、これは運の尽きだわ。
「クロケルさん、クロケルさんはどう思う?精神的に弱っている子に圧力をかけてまで情報を聞き出したいと思う?」
「そんな言い方はないだろ。圧量なんかかけているつもりはないっての。協力してくれる気はあるのかないのかって話だろ。勝手に俺たちを悪者にするなよ」
「ええ、そうね。私たちは同意が欲しいだけ。それについては別に悪いことではないわよね?」
ガッディム、意見を求められた。くそっ、何故俺に聞く。別に他の連中を売りたいわけじゃないがこの場にはシルマもシュティレも、意見を聞ける奴はいるじゃねぇか。
目が合ったからか!?だとしたらだよなんで目が合ったんだチクショウ。俺の馬鹿!ずっと下を向いていればよかった。
どうしようもできなくなってチラッと他の仲間たちに助けを求める意味合いも含めて視線を送って見たが、無常にも全員に目を逸らされた。
何人かは申し訳なさそうに頭を下げてから目を逸らしたが、俺を見捨てたことには変わりないので同罪である。絶対恨んでやるぅ。
「ご主人様、この場合修羅場回避のための適切な言葉を検索いたしましょうか?」
各方面からの圧と裏切りに精神を病みつつある俺に肩の上で座るアムールが耳元でそっと提案してくれた。ああ、唯一の良心がここに……。
「ありがとうな、アムール。でも多分、こういうのって自分で考えた言葉で言わないといけないと思うんだ」
困難な質問をされたことには間違いないし、困っていることも事実だが模範解答をしたいわけではない。聞かれたからには自分の言葉で意見を言うべきだ。
だから、アムールの提案は有難いと思いつつも断った。余程俺の役に立ちたかったのか、断わりの言葉を聞いた瞬間彼女はそうですか……と寂しそうに肩を落としたのでちょっと罪悪感を覚えた。
せっかく助け船を出してくれたのにごめんな。助けて欲しいって思いながら自分の意見を言いたいって我ながら矛盾してると思うし、変に真面目だよなぁと思うよ。
そんなことを考えている内にも返答待ちの視線はガンガンに感じるので俺は何とか答えを返すべく、頑張って頭をフル回転させるのだった。
なんだって俺がこんな苦労をしなきゃならんのだー!!
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聖「次回予告!正義ってさぁ、難しいよね。いつだって争いの元になるのは個々の正義なのかもしれない……儘ならないねぇ」
クロケル「おう、何しみじみと言ってくれてるんだてめぇ。こちとら板挟み状態で辛いんだよ。毎回話合いになって思うんだが、仲間同士で争う流れになるのはマジで何でなんだ。協調性がないって言うか、もしかして俺たちって人間関係的な相性最悪なんじゃ……」
聖「次回、レアリティは最高ランクだが素材がないのでレベル1第187話『板挟みが一番精神的に堪えます』うーん、僕的には楽しくやれてる方だと思うけど。本音が言い合えるのは気が知れてる証拠じゃないの?」
クロケル「ものすっごい前向きな捉え方だな。でも、まあ……そうなのか?その割にはギスギス度が高めな気がしないでもないんだが」
聖「思っていることをため込んでストレスが原因でもっとえげつない仲間割れに繋がるよりいいよ」
クロケル「えげつない仲間割れってなんだよ。不穏なこと言うなよ」
聖「味方に寝首を掻かれるのは嫌でしょ」
クロケル「え、なに。お前寝首掻かれたことあるの?」
聖「ノーコメント?」
クロケル「何で疑問系!?そこはハッキリしてくれよ」
聖「まあ、そのあたりはおいおい?」
クロケル「気になるわっ!!」