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第169 話  魔化せば誤魔化すほどドツボにハマるのはどうしてなのか

この度もお読み頂きまして誠にありがとうございます。


お話のストックがなくなって参りましたよ~、そして家庭のバタバタも区切りがつかなーい(泣)目標である1日3000字は余裕を持って書けているのですが、話がまとまらないので個人的に未完成判定……。


やっぱり文章って難しいですねぇ……慣れと経験だとは言いますが、成長できるまでの道のりが遠い。頑張らねば!


本日もどうぞよろしくお願いいたします。

『ええっとぉ……見て来たとかじゃなくてぇ、ハッキング能力が高いから情報を抜き出すことができて、それでまるで見て来た様に話せると言うかなんと言うかぁ……』

 

 聖はとしどろもどろで答えた。誰が見ても動揺していることが丸わかりである。動揺し過ぎだろこいつ。普段は飄々としているくせに突然どうした。


 フォローしたくてドツボにハマる典型的なパターンヤメロ。誤魔化すのへたくそか。まあ、俺もまともなフォローができないからあまり偉そうなことは言えないんだが。


「そもそも世界のデータのハッキングなんてそこらのAIに成せる技なのか。俺としてはそれが一番の疑問なんだが」


 追撃して来やがったぞ。ミハイルもミハイルだぞ、何でそんなにグイグイと追及してくるんだ。と言うか何故これを今ここで聞く!今は前長であるライアーの娘の話題だったはずだろ。いらん疑問は後回しにしろ、後回しに!


「……そのタブレットは相当優秀みたいだから。この世界の奥深くに隠された情報も簡単にハッキングして抜き出すことができるんじゃないかしら。だから見て来たみたいな態度で話ができるのだと思うわ」


 唐突で鋭いミハイルからの言葉に動揺するあまり、まともに言葉も返せず聖と俺が心臓バクバク、全身ひえっひえで固まっているとシャルム国王が助け舟を出してくれた。


 そうか。幸いなことに立場上、聖と旅をして世界を守った面々は聖の事情を知っている。これは助けてもらえる!

 

 そう思った瞬間、動揺から来る緊張で体と心臓が分離手前の心情から一変、頼りになる人物たちからの助けを期待して心に希望の光が差し込む。


「俺は完全なパワータイプだから機械関係はよくわからんが最近のタブレットのハッキング能力には目を見張るものがあるよなぁ~」


 ケイオスさんがわざとらしいほどにうんうんと頷いて言った。


「いや、この場合はクロケルのタブレットが特殊なのじゃろう。どこで入手したか知りたいレベルの有能さよのう」


 続いてシェロンさんも小刻みに首を縦に振りながら聖を称賛し、聖と言う存在を2“タブレットとして”うらやましがる素振りを見せた。


「うんうん、ペセルちゃんも優秀なAIだけど世界の奥底にあるデータのハッキングはできないならなぁ~、同じAIとしてアッくん凄いなぁって思うよ」


「そうじゃな。我は竜族であるため長らく生きているがこのタブレットは稀に見る希少な存在。ミハイルが全てを見て来たのではないかと疑問を持ってしまうほどの能力だと言うのは我も頷ける」


「パートナーであるクロケルが頼りない分、タブレットの優秀さが目立ってしまっておると言うのもあるかもしれぬな」


 ペセルさんもにこにことしながらフォローを入れてその後にシェロンさん、アストライオスさんも落ち着いた様子で聖のフォローに回った。


 この場で聖の素性が明らかになるのは流石に不味いと思ったのか、聖の事情を知る他の元神子一行の面々も口々にフォローを入れる。


 普段は点でバラバラで協調性の塊もない面々がここまで連携と団結を見せるなんて、はやり聖が隠し持つ事情は本当の本当に極秘なんだな。


 ってかアストライオスさんがさらっと俺をディスった気がする。頼りなくて悪うございましたね!こっちも自分が生きるために必死に頑張っているんですよ。と不満を口に出せるわけでもなく心の中で講義をする。


 くそ、余計なストレスを感じた。声に出すことが出来ないって辛い!っと今はそんなことはどうでもいい。本当はどうでもよくないけどそれどころではないからどうでもいいと言うことにしておく。


 それにしても生前から縁があって、親友と言いうポジションにあるせいで神子だの長だのと言った話になると非現実的に捉えてしまう。


 こう言った状況に置かれて改めて聖の立場と存在の大きさを知って、自分が知らない一面があることに改めて少しだけ、ほんの少しだけ寂しさに似た思いが心の中で燻ぶった。


 ただ何かこう……聖が特殊なAIであると言うことを印象付けようとしている感じが強いと言うかしつこいと言うか、わざとらしい感じがして逆に怪しいまであるが

「そんなことよりもミハイル、ただでさえ話が進んでいないのに余計な茶々を入れないで貰えるかしら。今はそんな話、どうでもいいわよね」


 最後にシャルム国王が冷たくミハイルを睨んで話を逸らしにかかる。自分の性格を利用したなんともスムーズで自然な話の逸らし方である。


「余計って……別に、少し気になっただけなんだが。まあ、確かにどうでもいいし別に解明したいわけでもないから流してもらってもいい疑問だがな」


 世界を守った英雄たちからの妙な圧を感じたのか、ミハイルは戸惑いながらも先ほどの“聖が色々と知りすぎている様な気がする”と言う疑問を追及することはなかった。


「ごめんなさいね、アナタに話を聞きに来たのに毎回こんな風に話をそらしてしまうなんて。この件については気にしなくてもいいから。早く話を戻しましょう」


 シャルム国王は話が逸れたことをライアーに謝罪しながら聖が神子や長について妙なまでに詳しい事実を気にするなと言う圧をかけ、半ば無理矢理に話を戻そうと提案した。


「はぁ、まあ私は娘が抱えていた事情が知りたかっただけなのでどうでもいいです。話を戻して頂けることに関しては賛成ですが」


 神子や長についての詳細を聞いていたはずのに、目の前で突如として繰り広げられた謎のフォロー合戦に戸惑いを覚えたのかライアーは困惑してはいたが、しっかりと嫌味を返して来た。


 そして聖についての追及はしてこなかったので先ほどまでの話題には特に興味を覚えなかった様で一安心である。どうでもいいと言う言葉がこんなにも有難いと思ったことはない。


 ミハイルの素朴かつ鋭い疑問のせいで思わぬ形で肝を冷やしたが予想外に発生した危機的状況は脱出できたみたいだな。無駄に疲れたわ!


『フゥ~何とか危機を乗り越えたよ。僕は困難に打ち勝ったんんだね』


 聖が口笛交じりに息を吐いて安堵の声を漏らしたが、その態度にはやはりどこか余裕が窺えて、まさかこの状況を楽しんでいるのではないかと勘繰ってしまう俺がいる。


「なあ、聖……お前、この状況を楽しんでいる訳じゃないよな」


 一応確認しておきたくて確認をすると数秒間不安かつ不穏な間が空いた後、あっけらかんとと返事が返って来た。


『やだなぁ、楽しんでなんかないよぉ。ホントに焦ったんだから』


 ……やっぱりちょっとわざとらしい。絶対この状況を楽しんでいるに違いない、間違いない。態度に不信感を抱いてしまい、いつもの如く精神的に疲労を感じた俺は脱力してため息をついた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


聖「次回予告!話は進まず、脱線し、クロケルの疲労ばかりが溜まると言う面白……過酷な状況で時間だけが悪戯に過ぎて行く……果たして解決の糸口は見つかるのか。ライアーの心境は如何に!?」


クロケル「面白い!?今、面白いって言いかけたな!バッチリ聞こえたぞっ」


聖「次回、レアリティは最高ランクだが素材がないのでレベル1第170話『それでも、私はあなたの家族です』耳ざといなぁ。確かにそう言いかけたけどぉ~クロケルの百面相面白いんだもん」


クロケル「“だもん”じゃねぇし!ヒトが苦労してる傍で面白がるんじゃねぇよ。自分だって正体がバレるか否かの危うい状況だったくせに」


聖「ねぇ、めっちゃ焦ったけど何とかなったねっ」


クロケル「くっそ、何でこいつばっかり困難から逃れることが出来るんだ」


聖「それはホラ、僕ってば主人公属性だからっ★」


クロケル「ううー!どうして俺はモブなんだぁーーーーーーっ!!」



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