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第155話 君に、ライアーの説得を任せたい

この度もお読み頂きまして誠にありがとうございます。


何度も言います。言わせてください。話が!まとまらない!どこ、着地点どこー。自分でも見つからないんですけど!?


無計画に風呂敷を広げるからこう言うことになるんですよねぇ(遠い目)


中だるみしない、ぐだぐだしないを目標に掲げて物書きに取り組んでいるつもりですが、いやはや何かを突く作り出して形にするってやっぱり難しいですね。


あと、単純にリアル生活が忙しいっ!!(机をドンッ)1日おきの投稿って決めたのが悪かったのでしょうか?……2日ほど開けてしまう時もありますが(小声)


ですが一度は決めた事なのでなるべくコンスタンスに投稿できる様に頑張りますよぅ。どうかお付き合い頂けますと幸いです。


本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 ライアーを裏切ることはできない。そう言い切ったフィニィの言葉の後に気まずい沈黙が流れる。こちらは少しでもライアーやネトワイエ教団についての情報を手に入れたいところなのだが、例え敵でも家族を大切にしたいと言われてしまうと、そう簡単に追及はできない。


 その場の全員がフィニィの思いを受け止め、戸惑っていると一度押さえていた感情を開放したことにより想いが止まらなくなったのか、フィニィが続けてポツリポツリと語り出す。


「……覚えている?お兄様。長様は“お父様”のことを話す時だけ本当に幸せそうに話していたわよね」


「ああ、覚えている。世界を統べる長と言う立場上、あまり昔のことは話すことはなかった……と言うより思い出そうとはしなかったみたいだが、“お父様”のことに関しては稀に話してくれたな」


 フィニィに問いかけられ、前長のことを思い起こしたアンフィニも、俺に向けていた怒りをすっかり忘れてしんみりとして言った。


「懐かしそうに、それでいて悲しそうに“お父様”の話をする長様からは確かに愛を感じたわ。長様は世界を滅ぼすことに強い意志を持っていたけれど、唯一“お父様”の存在すらこの世から消してしまうことには罪悪感を持っていたもの」


「へぇ、そいつは初耳だ。俺が見る限りあの長は世界を滅ぼすのには何のためらいもない様に思えたがな」


 前長のことをよく知る2人の言葉を聞いたケイオスが意外そうに目を丸くして驚いた。それを聞いた兄妹は瞬時に不快な顔になったが、2人が文句を言うよりも先にシャルム国王が口を開く。


「それについては同意見。彼女は世界を無に帰すため、全力で戦ってきたと記憶しているし、罪悪感なんて欠片も感じなかったわ。感情を抑え込んでいる様にも見えなかったけれど……心の中のことについてはアストライオスやシェロンの方が思い当たる節があるんじゃないの」


「ワシが見えるのは未来のことだけじゃ。奴の本心などわかるものか。ただあの時は一瞬でも戦闘行動を間違えると負けると言う事態で、向こうは相当全力を出していたとしか言えん。こういうことはお主の方が得意じゃろう」


 話を振られたアストライオスさんは自分には思い当たる節がないと首を横に振り、そしてお前はどうだと言わんばかりにテレパス能力を持つシェロンさんに話を振る。


 それを受けたシェロンさんは当時のことを思い出しているのか、顎に手を当ててふむぅと唸ってから記憶を探る様にしてゆっくりと答えた。


「我が記憶する限り、当時の長の発言も行動も、心と一致しておった気がするがのぅ。特に違和感も感じなんだし、自分の心に嘘をついていたようすは微塵もなかったと思うぞ」


『そもそも長は世界と意識が繋がっているから世界に嘘はつけないんだ。つまり、自分の心に嘘をついていた場合は審判した決断は世界に受け入れてもらうことはできない。前長がこの世界の消滅を掲げて僕たちと戦えていたと言うことは、心は揺らいでいなかったことになる』


そうか、聖たちは世界を守るために前長と戦っているからその為人を目の当たりにしたんだな。でも、フィニィたちと印象が食い違っているのはなぜなんだろう。謎は深まる一方だ。


 極秘ではあるが、現長であり多少の事情を把握している聖が前長の世界を消滅させたいと言う意思はゆるぎなかったはずだと言う嫌な保証の言葉の後、その場に沈黙が流れる。


 家族である前長を悪く表現されたせいかフィニィとアンフィニィの機嫌も見るからに悪くなっていくし、空気も重苦しくてギスギスしているし、話は逸れてる上にまとまっていないし、どうするんだこの空気と思った時、シャルム国王が咳払いを1つした。


「こほん……ごめんなさい。話の腰を折ってしまってみたいね。それでフィニィ、突然前長が“お父様”想いだったと言う話を持ち出した意図は何?」


 すっかり脱線した話をシャルム国王が何とか戻し、明らかに不機嫌オーラを放つフィニィに問いかけた。


「……意図なんてないわよ。私はただ、ライアーが長様が自分の志が揺らいでしまいそうになるほど良い父親だったんだって言いたかっただけ。悪い人間ではないと、あなたたちに言いたかっただけよ」


 苛立った口調でぶっきらぼうに言いフィニィは嫌悪感丸出しで俺たちから視線を逸らした。うーん……結構和やかな関係になれたと思ったのだが、彼女の中で俺たちは敵だと言う認識は拭えないのか。


「……そうだな。俺もライアーはフィニィを利用した信用ならない奴だとは思うが、長様が大切に思っていた人間だと思うと悪だとは言い切れない」


 アンフィニも複雑そうに頷いて言った。そうだな、アンフィニから見たライアーって凄く微妙な立ち位置にあるよな。フィニィを家族の様に思いながらも、人工魔術師の実験を進め力を引き上げた挙句、理性を抽出して完全なる復讐マシーンに仕立て上げようとしていたのだから。


 いや、ライアーがしたことを思い返して見ると結構やべぇことしてるな。本当にフィニィのことを家族だと思っていたのかも怪しい行為だ。ほとんどのことはフィニィの合意を得ていたようだが、それにしても彼女の体を酷使し過ぎだと思う。


「ライアーって目的のためなら手段は選ばないタイプの奴なのか」


 思わず心の声が口から零れた。誰に言ったわけでもない、本当に小さな呟きだったのだが、フィニィは耳ざとくそれを聞き拾って俺を睨んで言った。


「ちょっと、ライアーは悪い人間じゃないって言った矢先からそう言うコトいうのやめてくれる?目的のために手段を選ばないことの何が悪いの」


「悪いとかそう言う問題じゃなくてだな。お前には悪いが俺は敵としてのライアーしか知らないんだ。信用できないのは当然だろ。俺からすればライアーは十分悪人だ」


 強気のフィニィに負けじとこちらも強気で言葉をぶつけると、彼女は強気な表情から一変。悲しそうな表情に変わり、涙を零すまいとしているのか表情に力を込めて下を向いてしまった。な、なんで突然塩らしくなるんだ、調子が狂うだろ。


 と言うか俺、女の子を泣かそうとしている真っ最中なのでは。最低かよ、俺っ。


『あー、クロケルが女の子をいじめてるぅ。いけないんだぁ』


「てっめぇまたそうやって茶々を……ヒッ」


 空中で旋回しながら俺をからかうクソタブレットに抗議しようとしたその時、刺すような視線を感じ、そして震えあがった。アンフィニィが鬼の形相でこちらを睨んでいるのだ。ファンシーなクマさんボディには不釣り合いな殺気がズモモモッと効果音付きで体から漏れている。


 原因は分かっている。俺がフィニイを泣かす寸前だからだ!や、ヤバい、このままでは殺られる。そう思った時、フィニィが声を震わせながら言った。


「短い間だけどライアーの傍で過ごして、あのヒトが長様をどれだけ大切に思っていたか伝わって来た。だって、長様と同じ目をしていたもの。家族を思う、暖かで、優しくて切なくて、悲しい瞳。私にはあれがお芝居だとは思えない」


 ライアーが悪ではないと言うことをどうかわかって欲しいと必死で伝え様とするその姿が見ていて切ないし、こちらがライアーを悪とみなして対立していることが申し訳なくなってくる。


 フィニィはそこまでライアーを信頼して、本気で家族の一員だと思っているのだ。どうあってもライアーを裏切らないと言う固い意志を貫くフィニィにこの場の全員が困り果てていると、聖が静かにゆっくりと口を開いた。


「君がライアーを裏切るつもりはないと言う意志は伝わったよ。彼の善性を信じていると言うことも。だからこそ僕はあえてお願いをしようと思う」


「お願い?」


 唐突な言葉にフィニィが怪訝に眉を顰め、味方である俺たちもこの状況で相談もなしに独断で何を言い出すつもりなのかと緊張していると聖はすっぱりと言い放った。



「君に、ライアーの説得を任せたいんだ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



聖「次回予告!複雑に事情が絡み合う中、僕はライアーに一番近しい存在であるフィニィに説得を申し出たんだけど……果たして、フィニィは僕の言葉を聞き届けてくれるのか。ちょっとハラハラドキドキするよ」


クロケル「なんだ、その微妙に軽いノリは。緊張感があるのかないのかわからんやつだな」


聖「次回、レアリティは最高ランクだが素材がないのでレベル1第156話『仲間外れはよくないんだよ!?』状況をシリアスに捉えすぎても行き詰まるだけなんだから、らく~に受けて止めて行動した方がいいでしょ」


クロケル「お前の言いたいことは分からないでもないんだが、ノリがいちいち軽いんだよ。もっとこう……いい感じにシリアスとおふざけを織り交ぜろ。俺の感覚だとお前はシリアス2おふざけ8のの行動を取っているようにしか思えん」


聖「そんなぁ~僕は割と真面目に考えてるのにぃ」


クロケル「いいか、真面目なやつは“そんな~”とか“~にぃ”とかふざけた口調にはならんのだ」


聖「言い方なんて個人差はあるでしょ」


クロケル「これに関してはあんまりないだろ」

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