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新たな自分との遭遇 PART2

目が開く。視界がぼやけておりわずかに窓から差し込む朝日を見る。またここかと思いまた絶望へと堕とされた気分になった。しかし何かがおかしい。今まで年中無休で激痛を放つ全身から痛みが消えていたのである。神経が麻痺したかとも考えたがしっかり触覚がある。つまり病が一時的に沈静化したのだ。だが同時に違和感がある。俺の腕はもう少し太かった筈だが、俺の記憶していた太さより細い。骨が収縮したのかとその時は考えた。立ち上がれるか試してみた。足が動きそのまま地面に着地することに成功した。自ら立てるようになるのは一年ぶりであり涙が溢れる。そして俺がかろうじで覚えている歩き方で一歩、一歩と前へ進む。少しおぼつかない足取りだったが今の俺からしたら充分過ぎるくらいの結果である。こうして再び地面を踏むことが出来ることがどれほど幸せか言葉では表現できない。やがてトイレにたどり着いた。その手でスイッチに触れ電気をつけた。その瞬間俺は疑問と共にパニックになった。それは俺の目の前に女性が立っていた。看護師の人ではない。患者服であった。しかしここは男子トイレ。いていい筈がないのだ。パニックになりながらもその人に声を掛けようとした。俺が近づくと彼女もこちらへと歩み寄る。久々に看護師や医者以外に声をかけるが自然と躊躇いはなかった。

「すみません、ここ男子トイレですよ?」

俺がそう言い切る前にある現実に気づき度肝を抜かれた。俺が声を掛けようとしたのは鏡でありそれは自分自身への質問だった。そう、鏡に映し出されている女性、それは俺だったのだ...

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