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堕ちた魔王…

3話と4話を合併させて誤字脱字本文の修正をしました^^:

襲撃され荒らされた城内を3人がかりで探索すること小一時間。

結局のところ城内の目ぼしい貴金属類が奪われた事がわかった。

とっくにわかっている事を再確認しただけの作業…気分的にへこむ。

だが、この事態を目撃していた貴重な生き証人がいたのだ。

それはゴーストのダビエル君。


「あれはまだ昼過ぎの事でした。

昼食後に僕は城の上空をふわふわ漂っていたんですが、その時見慣れない一団が城に近づいてきたんです。

それがあの悪名高い勇者の一団とは知らなかったんですが…。

でノックもせず呼び鈴も押さないで城門をいきなり破壊し乱入。

300人位いたのかなぁ…これは一大事だと思って城内に戻ってみんなに教えたんです。

「敵が来たよ!!」って。

そしたらみんな堰を切ったように裏口から逃げちゃって…。

城の中の物を壊したり盗んだり爆睡中のエリアスさんの顔に落書きしちゃってるし…。

(中略)

結局勇者達がお城に火をつけちゃって僕も怖くて城の外に逃げたんです。

そしたらしばらくして雷とか雨とか降ってきて…とりあえず近くの木陰に避難していたんです」

−ダビエル君の証言より抜粋−


「そうなんですか…ダビエルさんも大変でしたね」

コニがダニエル君を慰めている。

「んー…つまり結局勇者が来て私達の仲間達が逃げたって事ね。

ま、結局勇者に襲撃された事実は変わらないって事だね。

それよりも300人って…普通4人とか8人くらいじゃないの?ちょっとした軍隊じゃんそれ」

エリアスが考え込む。


「そっかぁ、みんな逃げちゃったんだ…」

ふと思い出した魔王として独立した頃の事。


半年前、魔王の軍団を結成しようと求人誌に魔王軍団募集中の広告出した時の事。

「魔王の軍団設立します。

今ならオープニングメンバーとして活躍の場がアナタを待っています!

なんと先着4名様四天王に抜擢されるチャンス!

仕事を探しているモンスターの皆様奮ってご応募ください」

あの時は多くのモンスター達が面接に来たなぁ…。


「一生懸命働きます!」と言ったまま石像になって動かなくなったガーゴイル君。

「オレ、レミィさんの為なら命がけで守ります!」と言っていた命の無いスケルトン君。

「憑依してでも一生憑いていきますね!」とレイス君は私にとり憑いたはずなのに今はいない。

他にも皿洗いをして誤って排水溝に流れていったスライム君とか。

虚弱体質で力仕事が一番苦手な頭脳派のジャイアント君とか。

その他etc…今はみんな逃げちゃったんだ…。


思い出の世界を堪能している私の肩をバン!とエリアスが叩く。

「まだ城はあるんだし、ここで引いたら魔王が廃るってもんでしょ!

よし!3日後の勝負に向けて作戦会議だ!

今は300対4だけど一騎当千の私達にはちょうどいいハンデじゃない。

その前にとりあえずレミィお前ジュース買って来い!」と最後に意味不明な事を一応魔王である私に言うエリアス。

「はぁ?エリアス…この一大事に何言ってんの?今は緊急事態じゃないの?!」

私は不服感を前面に押し出して反論してみる。

正直ジュースなんて飲んでる気分じゃないんだけど…。


「だからさぁこの一大事だからこそ一人になって考える時間をあげるって言ってんの!

いわゆる優しさってやつなんだけど」

「あ…そか…そうだよね…」粗暴な言葉使いだけど意外と他人を思ってるんだなこの子も…。

「とりあえずダッシュで買ってきてねー今持ち合わせないから金立て替えといて」

財産奪われた人間に奢れって言ってるのだろうか…?本当に私を思いやっての言葉だろうかと疑念が再び沸いて出てくる。

が、こういう大変な時こそ魔王たる器の広さを見せるべきなのかな?

みんなだって色々考えたいだろうし、飲み物でも飲んで一息つくのも悪くないのかも。

私はとりあえず城を出た。


いつの間にか外の雨は降り止んでおり晴天の空が目の前に広がっていた。

私の心とは正反対に澄んだ空。

そうだ途中の街道で放置していたリッチも拾ってこなきゃならないし、背負わせていた武器だって今の私にとってはかなり貴重な財産の一つだ。


とぼとぼと街道を歩く私。

振り向くと今にも崩れそうな城。

魔王を志したあの日以来いつかは勇者や英雄といったやつらとの壮絶な死闘があるとは思っていたけど、まさかこんな形で実現するとは思っていなかった。


エリアスは一騎当千なんて言っていた。

でも実際のところ私の城にいる子で実戦経験ある子なんて誰もいない。

平和な世界で戦闘なんてそうそう起きない現実。

私だって育成塾でカカシ相手に杖でバシバシ叩いた位で一応近距離戦闘の資格取れたくらいだし…

あと3日でどうやって300人もの勇者を相手に戦えばいいのやら、考えただけで鬱な気分になる。


お金があれば傭兵でも雇えるのかもしれないけど先立つものが無い。

世知辛い世の中である。

誰が人質になっているのか知らないけど人質さえいなければ多分私は逃げる。

300人を目の前にしたらすごい怖いんだろうなぁ…。

「はぁ…」

ネガティブな思考が頭の中を駆け巡る。

それにしても…ずいぶん歩いてきたけどリッチの姿は見えない。

不法投棄したと思われてゴミ処理業者にでも回収されちゃったのかな?

ベザレルにも勇者との戦いに参加してもらわなきゃいけないし、少し優しくしてあげたほうがいいのかな?

ここら辺に放置してきたはずだけど…きょろきょろ見回す私の目に入るものがあった。

それは積み上げられた石の山とそれに挟まっている一枚の紙。


「お世話になりました。

武器は退職金代わりにもらっていきます。

探さないでください。

            ベザレル」


「はは…あはは…」何となく笑ってしまう。

先着順で決めた四天王とはいえ逃げられちゃうなんて…おまけに武器持ち逃げって…ガクリと膝をつく。

まだゴミ処理業者に回収されていたほうが気持ち的に救われた気がする。

まさか…エリアスが私に買い物に行かせたのはあの子達も逃げるためだったりして…

後ろ向きな思考が脳裏をかすめる。


しばらく時間が流れた。

よく考えてみよう…人間どん底まで落ちれば後は上がるだけって誰か偉そうな人が言っていた気がする。

もしかして今の状況がそのどん底じゃない?

家が燃やされ荒らされ財産は奪われ仲間には逃げられ…これ以上の不幸が我が身に降りかかるとは思えない。

まさに今がどん底に違いない。

もうこれ以上の不幸は想像できない。

想像できないという事は…これでこの没落的イベントはラストだ。

ここから這い上がれば将来その苦労を本にして出版して印税生活ついでに悪の魔王らしく脱税してみたりとか?何となくよくわからない元気が出てきた。


すっと立ち上がると私は踵を返した。

「よし!」私は顔を上げた、その顔は何かをやりきった達成感の表情。

別に何も達成はしていないけど…まだ私はやれる!まずは勇者に復讐だ!自分を奮い立たせる。

現時点で勝てる要素は何一つ見つからないけど卑怯・卑劣それこそが魔王の代名詞。

気持ちが高揚してくる。


私は街道の途中にある露天でとりあえずジュースを購入。

ついでに菓子パンも買って城まで帰る。

ジュースだけのところにパンまでつけちゃう大盤振る舞いにみんな喜ぶかな?


威厳も権威も財産も地に堕ちた魔王が再び皆の心を一つにする為の出費だって思えば人心掌握の一つとして割り切れる気がする。

気持ち的には前向きになり心も体もついでにサイフも軽くなっちゃったけど…。

うまくいく保障なんてないけど今のモチベーションなら勇者との対決ですら何とかなりそうな予感もする。

城までの道のりが明るい未来へと続く道に見えてきた。

そう気持ち一つで未来も変えられるのだ。


私が城に着くと中から聞きなれない甲高い女性の声で何か話し声が聞こえた。

高圧的で甲高いその声。

「う…」呻いてみる。

もうこれ以上無いかと思っていたけど…トラブルの匂いがする…。

そっと覗くと中ではおばさんがエリアスとコニに向かって何か喚いている。

2人とも逃げずにまだいてくれたんだという安堵感と不穏な空気が入り混じる。


「あー!店長!おかえりなさい!」目敏く私を見つけたエリアスが普段呼んだことも無いよくわからない役職で私を呼ぶ。

「あのー私達じゃよくわからないので店長に聞いてもらっていいですか?」

いかにもめんどうな事を私に押し付けてきているのが見え見えだ。

それにしても店長って何?お店じゃないんだけどと思いながらも「あのー…どちら様でしょうか」とりあえず聞いてみる。


私の声におばさんが振り向く。

その派手な化粧のいかにも金持ち風のおばさんはずかずかと私に歩み寄ってきた。

「私の顔忘れたのかしら?レミィ・ランドルフさん」

「…あ!確か…大家さん…ですよね?」そうこのお城を借りる時に会った人だ。

「最近の子は派手な格好するのねぇ…恥ずかしくないのかしら?」

私の手作り魔王風コスチュームにぼそぼそとケチをつけるおばさん。


「ところでこれ覚えてるかしら?」おばさんは私の目の前に一枚の紙をピラピラと出す。

「これは確か…賃貸契約書ですね?」そう半年前に私がこのお城を賃貸契約したときの書類だ。

当然私のサインもしてある。


「さっきね、この私の大切な超高級住宅から煙が出てるって近所の人に聞いたのよ。

私も一大事だと思って見てみたら、あらびっくり煙どころか雷がこれでもかっていう位に不自然にこの超高級住宅に落ちてるじゃない。

もーびっくりしちゃってね駆けつけたって訳なの」

やたら超高級住宅を主張しているけど借りた時点で築50年を過ぎていたはず…ボロい城だったのがよりボロくなっただけだと思うけど…おばさんの目が妙に座っているのが怖くて私は反論を控える。


黙っている私を見て調子に乗ったおばさんは話を続ける。

「ここ見えるかしら?」おばさんは契約書の細かい文字の一列を指差す。


●契約物件に僅かでも損傷・破損が起きた場合いかなる状況でも借主が全責任をもって新築に立て替えして弁償する事←これ絶対

と書かれた一文、特にこれ絶対の文字が強調されている。

3ミリ程の細かい文字で契約のときにめんどくさくて読まなかった契約内容。

「でも…これは私がやったんじゃなくて…強盗に荒らされたというか…」

とりあえず私は嘘では無い程度に言い訳してみる。

「で?」だから何?みたいな突き放したような返事がおばさんから返ってくる。


じりじりと距離を詰めてくる迫ってくるおばさん。

破壊神を目の前にしている気分で膝が震える、といっても破壊神見たこと無いけど…。

「あの…とりあえずリフォーム中って事にしてみませんか?」

コニが助け舟のつもりで間に入ってくるが、小声で耳元で言うべきセリフを普通に言っちゃうところがコニらしいが今の状況では…。

当然おばさんにも聞こえて一喝されるコニ。

「それ言い訳になると思ってるの?従業員はさがってなさい!」

その暗殺者のような殺気に「ひっ…」と低く呻いてコニはすごすご下がる。


「で、どうするのかしら?

全額弁償するなら私の経営するちょっと大人の怪しいお店で働く?

昼夜を問わず貴女達3人でキリキリ働けばたったの20年位で全額弁償できるかもしれないわね。

それとも器物破損や契約違反やその他諸々くっつけて刑務所って言う新しいお家に引っ越しする?」

なんのサイドビジネスしてるのか知らないけど怪しいお店って…?

とにかく選択肢の無い選択を迫るおばさん。

「あのー…私達ただ雇われているだけなんでー関係ないです」

人事だと思ってエリアスはサラリと私を見捨てる様な事を言う。


このままだとおばさんの話は長くなりそうな予感がする。

おばさんの迫力に押されながらも私は一考していた。

ふふ…おばさん…これでも私は一応魔王なのよ。

本当の恐怖っていうモノを今から見せてあげるわ。

私が魔王という悪の権化・邪悪の化身・闇より生まれた混沌という事を叩き込んであげる。

死よりも恐ろしい恐怖を持ってお帰りなさい。

声に出すとおばさんの反撃が怖いので心の中で私はきめゼリフを語る。


その方法それは…私は小声で標準語ではなく死霊術師独特の言語を話した。

そう私はダビエル君に話しかけたのだ。

『ダビエル君このおばさんに死せる者の真なる恐怖を見せてびびらせて帰しちゃって』と。

ダビエル君は『ラジャー』と親指を立てておばさんの背後から迫る。

そしておばさんの耳元で「ここから立ち去れ…さもなくば…」そこまで囁いたところでダビエル君は弧を描いて綺麗に吹っ飛ぶ。

「うるさい!」おばさんは裏拳でダビエル君を殴り飛ばしたのだ。

「え…」下手な物理攻撃など効かない幽霊のダビエル君を殴り飛ばした…恐るべきおばさん…。

どれだけの霊力を持っているのか知らないけれど、色々な意味で真なる恐怖を見せ付けられ体を駆け抜ける恐怖。


「で?どうするの?弁償するの?それとも…」

恐ろしいおばさん…捕まるか弁償するか…逃げる手もあるけどこのおばさん目の前にして果たして逃げ切れるだろうか…?

あ…裁判って手はどうかな…そうだ…確か魔王は裁判で訴える権利が無いんだっけ…

はぁ…魔王養成塾での5年…これ以上貴重な時間を刑務所なんかで消費させたら魔王どころか普通に就職も難しくなるんじゃないのかな…おばさんのお店って言うのも怪しすぎて怖い…あぁ…前職魔王だけでも就職先見つけるの大変そうなのに…。


「わかったよ、おばさんダラダラと話しても埒が明かないでしょ?

レミィ、全額弁償しちゃいな。

ただし!おばさんの店で働かなくてもこっちでちゃんとそれ位返してやるよ!」

エリアスが勝手に話を進める。

「え?ちょ…あの…どうやって…」私は勝手に進んでいく話に動揺する。

エリアスは私に囁く。

「こういう手合いは適当に先方の話を承諾してさっさと帰ってもらうのが一番でしょ?

取りあえず適当に承諾したらあとは借金踏み倒して逃げちゃおうよ。

レミィさ、どこの世界に約束を守る魔王いるのよ」

なるほど…借りたものを踏み倒す悪事こそ魔王らしいのかも…。


「あのサインすれば終わりですよね?それならサインしちゃいます」私はエリアスの案に乗った。

「あら…そう?弁償してくれるならなんでもいいけど」

そう言うとおばさんは借用書を取り出し私にサインを求める。

ふっ…エリアスの入れ知恵で私は余裕が出てきた。

私はすっと借用書を受け取るとさらさらっとサインをして書類を返す。

「これでいいんでしょ?おばさま」踏み倒すと決まれば話は早めに終わらすのが吉。


「随分素直に承諾するのね。

あーそうそう、あなたも色々大変そうだからこれプレゼントにあげるわ」

そう言うとおばさんは茨を模ったネックレスみたいなものを取り出すと私の首にそっとかける。

「あの…これは…?」

「幸運のお守りみたいなものよ」

「あ、そうなんですか?ありがとうございます。

ところでどんな幸運があるんですか?お金?それとも恋愛ですか?」

ちょっと幸運のアイテムとかに弱い年頃の私、この人意外といい人なのかも…。


「それね、呪いのチョーカーなのよ、別名『誓約の首輪』っていうんだけどね」

「呪い…?幸運って言っていませんでしたっけ?」

「私にとって幸運なのよそれ」

「は?」全く意味のわからないプレゼント。


「それね、この誓約書とセットになっているアイテムなのよ。

誓約書にサインした相手の首に掛ければあら不思議。

期日までに支払いが無いときには、きゅっと優しく首が絞まるという約束事を尊重した呪いのアイテムなのよ。

これで取り立てに行かなくてもみんな率先して自分から支払いに来るって訳なのよね」

「え???マジですか!?」私はそのチョーカーを毟り取ろうと力を入れる。

その力に反応してなのかチョーカーはギュッと締まり始める。

「イタタ…」優しくない程度に茨の棘が首に刺さる。


「呪いのアイテムなんだから普通に取れるはず無いでしょ?」

おばさんは二コリと笑う。

このおばさんの笑顔は初めて見たけど、それは笑っている鬼神のようだ。

「じゃそういう事で毎月の支払い忘れないようにね」

そういい残すとおばさんは軽やかなステップで城から出て行こうとする。

が、最後に一言。

「あーそうそう、今日中にこの超高級住宅から出て行ってね。

明日には内装工事入るからあなた達いると仕事の邪魔でしょ?

もしここにまだ住みたいなら家賃3倍貰うからね」と言い捨てていく。


シーンと静まり返った空気。

残された私達は誰とも無く顔を合わせる。

僅かに動いているのは、おばさんの裏拳で気絶して痙攣しているゴーストのダビエル君だけ。


はっと我に返った私は捲くし立てるようにエリアスに問い詰める。

「ちょっと!エリアス!これで逃げれなくなったじゃないの!

どうすんのよ!借金に承諾しちゃったじゃない!!それも呪い付きだなんて!!」

「そんなの知るわけないでしょ!呪いのチョーカーとか計算に入れてないし!

大体私の借金じゃないから関係ないもん。」

「ちょっと!それ酷くない?!」

「結果的におばさん早く帰ったんだからいいじゃない!」

「そういう問題じゃないでしょ!一般人に呪いのアイテム付けられて弱み握られてる状態じゃないの!」

言い争いを続ける私達の間にコニが入る。

「二人とも言い争いはやめて…まず借金の総額見てから考えようよ」

確かに踏み倒すつもりだったから金額も見ないでサインしちゃったんだ。


その誓約書に書かれた金額に一同驚愕する。

普通に働いたら一生かかっても返せないほどの数字が並んでいる。

「これはすごいね…あのおばさんどんな高級高層城塞建てるつもりなんだろ…」

エリアスもびっくりしているが私は思わず意識が遠ざかっている。

まだ堕ちる余地があったなんて…魔王目指しているどころの話じゃないよ…これ…。


「レミィちゃん…なんて言っていいかわからないけど…がんばって…生きていればいい事あるから…」

アンデットであるバンシーのコニが優しく生きる事を薦めている。

なんか私が死ぬとか思われているみたいな話し方。

「レミィさこっちサイドで待ってるからね、意外と死者の世界もいい人いるしさ」と、これまたバンパイアのエリアスがよくわからない慰め方をする。

「あのさ二人とも…もう少し建設的な方向で意見もらえたりするとありがたいんですけど…」

私の落ちていく気持ちに駄目押ししてどうするのよ…。


だけどさすがに打開策が思いつかない。

まさに解散っていうか会社で言えば倒産の危機状態。

主人公的にここで挫ける訳には行かないと自分に言い聞かせてみるが、言い聞かせてみたところで何も解決策は思いつかなかった。

しかし、私達のすぐ後ろで一人の救世主が目を覚まそうとしていた。


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