怖くない? 全然
「ツバキはどうしてこんな所にいる……ああー!」
急にレオが大声を出してきてツバキは驚いた。
「えっ、えっ、どうしたの?」
ツバキはびくびくとレオが驚いた何かに怖がった。
「さっきまではツバキの事しか見てなかったけど、部屋中すごい氷だらけ」
レオの言葉にツバキの表情が凍る。
「あっ、えっ、それは」
「そんなところに居たら、ツバキ怪我すんじゃん。いや、どこか血出てないか切れていないか」
レオの心配にツバキは顔を横に振った。
「実はこれは私のせいなの。とても悲しくて悲しくてね。その思いが私の中の魔力と空気中の魔力と結んで、氷を生み出したの。氷は絶対に私を傷つけない。レオはこんな私こわ……」
「すげーー!!! かっこぉーーーーーーい!!!」
ツバキの怖いと言う言葉をレオの感嘆の声で塞いだ。
「ツバキは氷を生み出せるのか!? すげーーーー!!!」
「すごい?」
ツバキは首を傾げた。
「すごいよ。魔力使えるなんてツバキは魔法使いだろ。しかも、あんな綺麗な氷をいっぱい出せるんだろ。すげーよ!」
レオの言葉をうまく受け入れられないツバキは質問した。
「怖くないの? こんな私、氷出せて」
ツバキは怖かった。城の人以外に自分の魔法を見せ無い事はもちろん。母親からは自分達の魔力が強いと聞かされてから、無意識に自分の魔法は危険なのかもしれないと思っていた。
「怖い? 何で?」
レオのその言葉にツバキは反応に困った。
そんなツバキの反応を見て、レオは笑った。
「氷すごい綺麗じゃん。さっきはツバキが傷つけないか心配だったけど、ツバキが魔法で出した氷だったらもっと近くで見たいよ。それに」
レオは窓にさらに顔を近づけて、ツバキに言った。
「こんなに笑顔が可愛いツバキを怖がるわけないよ。一生無いって断言できる!」
力強く断言するレオの言葉にツバキは照れながらもレオの目をしっかり見て。
「そう言ってもらって嬉しい。ありがとう」
そう言うとレオの顔は赤くなり、慌て始め、その姿にツバキはクスクスと笑った。