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始まり~プロローグ~
よろしくお願いします!
読んだ後、面白いと思ってくれる作品を目指します。
「なぁ、何でお前、こんな広い場所で一人何だよ?」
その声に振り返ると私と同じくらいの男の子が窓の外、館の外にいた。
城の外は踏み入れたことのない場所、ずっと、どんな所か空想に空想を重ねていた場所。
その場の、私には遠い場所にいる男の子が、私に声をかけた。
母様と一族以外の初めての人の声、初めての子供の声、初めての男の子の声。
久しぶりの人の声だった。
「なぁ、聞いているのか? こんなところにいないで遊ぼうぜ」
男の子は窓越しに手を伸ばしたが私はその手を取る手段が分からなかった。