手紙を書くのなら
魂の端から端まで震わせて
一緒に泣いてくれるのなら
細雨の中に雷を打って
玄関のポーチで
手紙を待っている
最後のサインに
「愛を込めて」と書くひとを
風見鶏は
素っ気なく揺れて
私の涙を冷やす風を
なんてことない、と笑うけど
嘆く声は先行する稲光
それなのに
灰色の雲は弱い雨ばかり落とすわ
隣の家の窓に灯る
あたたかな明かり
でも私は玄関のポーチで
疎らに通るヘッドライトばかりを
目で追っている
ラベンダー色の便箋で
もしあなたが私に手紙を書くのなら
最後に一言
「愛を込めて」と添えてほしい
蠍座の黒猫さん主宰、詩のサークル参加作品。
テーマは「音楽」
Janis Joplinの「Little Girl Blue 」を聴きながら。