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大罪の契約者  作者: 虎號
第一章 異世界召喚編
4/10

第1話 異世界からの召喚

第1章開始です。

  目を開けると、そこは自分達が見慣れている教室ではなく、薄暗く飾り気のない広い部屋だった。足元にはさっきまで光を放っていた魔方陣があった。


「え!?…ここどこなのよ!」


  愛姫は言葉を発することができたが、修次たちは驚きすぎて呆然としていた。


  周りを見渡すと、黒いローブを着た人達が自分達を囲んでいた。すると、その中の少し豪華な装飾のしてある黒ローブの男が出てきた。


「よくぞお越し下さいました、勇者様方」


  男はそう言うと深く頭を下げた。男のその行動によって正気を取り戻した修次が詰め寄る。


「ここはどこなんだ!?あんた誰だよ!?勇者ってなんだよ!?訳がわからねーよ!」


  声を荒らげる修次。男は修次の方を向き、威圧するように少し声を低くし、先ほどよりも大きな声で言う。


「勇者様。いきなり別の場所に召喚され、混乱されるのはわかりますが、少し落ち着いてください」

  「ッ!?」


  その威圧感に、修次は何も言えなくなる。それは愛姫たちも同じだった。言いたいこと、聞きたいことは山ほどあるが威圧感に押され何も言えなくなっている。


  「では、これから国王陛下の元へご案内いたします。くれぐれも失礼のないようにお願いします。では、私の後についてきてください」


  そう言うと、奥にある階段を上っていく男。どうすればよいのかもわからないので男の後を追った。



 -------------------------

 


  階段を上り終え、ドアを開くとその先は廊下だった。自分達が見知った廊下ではない。両端にはつぼが置かれていたり、絵画が掛けられており、そして床にはレッドカーペットがしかれている。


  そのまま廊下を歩いていくと大きな扉の目の前についた。その扉は、どの場所の扉よりも豪華だ。すると、その男は扉をノックした。


「失礼します、国王陛下。ご報告に上がりました」


  そう言うと、扉の向こう側から声がかえってきた。


「うむ、続けよ」

「はっ!3日前から行われていた召喚の儀式が成功いたしました」

「それは本当か!?」

「はい。つきましては、召喚された勇者様方をお連れいたしました」

「わかった。部屋の中へ通してくれ」

「はっ!では勇者様方、中へお入りください」


  男は、扉に近づき扉を開けた。ギギギィーと音がなり、開かれた。その先は、とてつもなく広い部屋で、奥には豪華な椅子に座った人がいた。おそらく…というより間違いなく国王だろう。国王の目の前までレッドカーペットがしかれており、それに沿うように、国王の近くに5人程度の人が並んでいた。


「こちらまで来てくれ」


  国王に言われるままに、部屋の中に入り、国王の目の前まで歩いた。たどり着いたときに、横から怒鳴り声が響いた。


「おい!国王陛下の御前なのだぞ!ひざまづかないか!」

「勝手にこちらの都合で召喚してしまったのだ。そのままで良い」


  その怒鳴り声に国王が答えた。


「私はディセウス・アールド・フォン・アジルスという。なにか聞きたいことはあるかな?」


  みんなの方を見ると、まだ混乱しているようだった。なので、俺が聞くことにした。


「あ、では俺…私から」

「普段通り話しているようにしてくれて構わないよ」

「そういうことなら。では俺から。ここはどこですか?」

「うむ。ここはアジルス王国。そなた達からすると、異世界というところだ」


  その言葉を聞いて、ある程度は予想していたが、心の中ではそれを否定していた。だが、直接言葉にされたら信じざるを得ない。


  すると、そこで結衣が口を開いた。


「国王様。それで、あの、わ、私達はなにをすればいいんですか?」


  その言葉を皮切りに修次たちも疑問をぶつけはじめた。


「そ、そうだよ!なにをすればいいんだよ!」

「勇者ってなんなのよ!」

「私達は、元の世界へ帰れるの!?」

「まあ待て、順番に答えさせてもらう。まず、何をすればいいか…というより、してほしいことだが、魔族と戦ってもらいたい。そして、帰る手段だが…すまないが…無い」


  ディセウスの言葉に、再び驚愕する俺達。それはつまり、この世界には魔族などの、人類の敵がいて、戦争をしているということだ。さらに、この世界から日本に帰れない。


  日本に住んでいて、戦争とは無縁の生活をおくっていた悠里達は正直、現実という実感がわかない。


「魔族!?戦う!?無理だろ!俺達は戦争なんかない世界からきたんだぞ!?戦う力なんかありっこない!」

「そなたたちの世界が、どんなところかはわからない。平和で戦ったことなどないかもしれない。しかし、そなたたちは異世界から召喚されたときに様々な能力を授かっているはずだ。力については問題ない。問題なのは、そなたたちの気持ちだ。そう簡単には決められないだろう、だから1日、考える時間をもうける。その後、答えをきかせてくれ」


  今、みんな冷静さを失っている。この場で判断はできない。だから、時間をかけて考える方がいいと思う。そして何より、帰る手段がない。戦争に参加するかどうかも含めて、この世界での生き方を話し合う必要がある。


「わかりました。みんなもそれでいいかな?とりあえずこれからのことも話し合おう。それと、国王様。」

「なにかな?」

「もし、そのお話を断った場合、俺達はどうなるのですか?」

「そのときは、当分の生活資金と家、それに仕事を用意しよう。断ったからといって待遇を悪くするとかはしないから安心してくれ」

「わかりました。ありがとうございます」

「話せる部屋を用意させよう。そこでゆっくり話し合ってくれ。寝室だが、男性用と女性用、二部屋用意してある。好きに使ってくれ」


  国王は、言い終わると立ちあがり、俺達をここまでつれてきた黒ローブの男に、俺達を、寝室と話し合うための部屋に案内するように言い、部屋を出た。


「それでは勇者様方、お部屋に案内いたします」


  そうして俺達もその部屋を後にした。



  - - - - - - - -


  複雑に入り組んだ城の廊下を歩くこと数分、俺達は寝室についた。中に入ると、ベッドとクローゼットのみのシンプルな部屋だった。それは、女性用部屋も同じようだった。


「私の名前は、レスト・マーヴィンといいます。何かあれば、私か近くにいる侍女やメイド達にお声を掛けてください。お話をするのであれば、男性用部屋の隣をお使いください。防音の魔法がかけられています。それと、[ステータス]と念じれば自分の強さを見ることができます。それではまた」


  俺達に背を向け、去っていく。俺達は、とりあえず話し合いをするために隣の部屋に移動する。


「で、みんなはどう思う?」


  俺はみんなにそう問う。


「どうって、私は帰りたいよ」

「私も帰りたいです」

「私もだ」

「俺も帰りたい、日本に」

「だけど国王が言うには、帰る手段がないらしい」


  俺の言葉にみんなは黙る。俺はかまわず続ける。


「帰る手段がない、ということを前提に話し合おう。この世界には魔物などもいると考えた方がいいだろう。生きていくためには強くなる方がいいだろう。自分達を守れるように。だから、俺は戦争に参加しないまでも戦えるようにはしておくべきだと思う」


  俺の話を聞き終わると紗綾先輩が言った。


「なぜ君は、このような事態にも冷静でいられるのだ?普通は、

 取り乱したり、私達のように呆然とし、何も言えなくなる。なぜだ?」


  紗綾先輩は俺に、その理由をたずねる。愛姫と修次がうつむく。二人はその理由を知っているからだ。


「「「「「…………」」」」」


  沈黙が続く。俺が答えるのを待っているようだ。この機会に、結衣と紗綾先輩に話しておく方がいいだろう。


「俺には、両親がいないのは二人も知っているよね?さっきの質問の答えもそこにある。俺の両親は…殺されたんだ。俺の…目の前で。しかもその後、遺体をバラバラにして…」

「「……」」

「「ッ‼」」


  修次と愛姫は黙ったまま。結衣と紗綾先輩は息をのむ。


「その事件の影響で、俺の精神は壊れたんだ。だから、俺は感情や欲が人より薄い」

「すまない、辛いことを思い出させてしまったね」

「大丈夫ですよ」


  結衣が心配そうな顔をして呟く。


「悠里さんは、その…私達と一緒にいたときに楽しそうにしていたのは、演技だったんですか?」

「いや、みんなといるときは楽しいよ。なぜかは知らないけど、みんなといると感情が強くなりやすい」

「そうですか。良かったです。悠里さんは私達のことを、なんとも思ってないのかなと思ってしまいました」

「ごめんね、今まで話さなくて。まあ、こんなこともあって俺はあまり動揺はできないんだ」

「そういうことか。まあ、今回のことでは頼もしい限りだね」


  先輩が言い終わると、俺は先ほどより真剣な表情をする。まだ一番重要なことを話し合っていないからだ。


「先ほど俺が言った、この世界で生き抜けるように強くなる、というのはどうおもう?」


  その俺の言葉で、みんな考え込む。そして最初に愛姫が口を開いた。


「私は賛成ね。この世界は魔族達もいるから、危険なことはたくさん起こると思う。私はまだ死にたくないから、強くなるという悠の意見に賛成」


  修次たちも愛姫の考えに賛成した。


「自分の強さ、[ステータス]が見れるってレストさん言ってたよね?」


  そうだ、レストさんは去り際に[ステータス]なるものが見れると言っていた。そして力も授かっているとも…。


「言ってたね。見てみようか」


  [ステータス]と念じた。するとメニューのようなものが出てきた。


 --------------------------


  佐藤 悠里(さとう ゆうり) 16歳 人間 男 ???


  LV:1


  称号:なし


  HP:150/150

  MP:???/???

  魔力:500

  筋力:20

  耐久:15

  敏捷:10

 

  魔法

  火魔法(LV.1){火炎球}

  雷魔法(LV.1){雷撃}

  無属性魔法(LV.1){身体能力強化}

 

  スキル

  {刀術:LV.1}{精神不動}

 

 ------------------------


  「みんなも確認した?」


  確認し終えた俺は、みんなに聞いた。


「ああ、確認した」

「私も平気」

「私も大丈夫です」

「私も終わったよ」


  どうやら全員確認し終わったようだ。自分のだけでなく、みんなのも知っておいた方がいいと思い、それぞれ、自分のステータスを紙に書く。愛姫達のはこうだった。


 -------------------------


  神崎 愛姫(かんざき あき) 17歳 人間 女 魔法剣士


  LV:1


  称号:なし


  HP:200/200

  MP:150/150

  魔力:300

  筋力:10

  耐久:10

  敏捷:20


  魔法

  火魔法(LV.1){火炎球}

  水魔法(LV.1){水弾}

  風魔法(LV.1){風刃}

  土魔法(LV.1){土壁}

  雷魔法(LV.1){雷撃}

  光魔法(LV.1){閃光}


  スキル

  {剣術:LV.1}{成長促進}{千里眼}


 -------------------------


 -------------------------


  高条 結衣(たかじょう ゆい) 16歳 人間 女 ???


  LV:1


  称号:なし


  HP:200/200

  MP:600/600

  魔力:1200

  筋力:5

  耐久:15

  敏捷:30


  魔法

  水魔法(LV.1){火炎球}

  風魔法(LV.1){風刃}

  氷魔法(LV.1){氷剣}

  光魔法(LV.1){閃光}

  ???(LV.0)


  スキル

  {MP回復速度三倍}{鑑定眼}


 ------------------------


 ------------------------

 

  北河 修次(きたかわ しゅうじ) 17歳 人間 男 剣士


  LV:1


  称号:なし


  HP:300/300

  MP:200/200

  魔力:170

  筋力:30

  耐久:25

  敏捷:10


  魔法

  火魔法(LV.1){火炎球}

  風魔法(LV.1){風刃}

  雷魔法(LV.1){雷撃}

  光魔法(LV.1){光槍}

  闇魔法(LV.1){纏闇}


  スキル

  {成長促進}{根性}{剣術LV.1}


 ------------------------


 ------------------------


  荊木 紗綾(いばらき さや) 18歳 人間 女 槍術師


  LV:1


  称号:なし


  HP:300/300

  MP:450/450

  魔力:350

  筋力:15

  耐久:15

  敏捷:20


  魔法

  水魔法(LV.1){水弾}

  風魔法(LV.1){風刃}

  土魔法(LV.1){土壁}

  氷魔法(LV.1){氷剣}

  光魔法(LV.1){光槍}

  治癒魔法(LV.1){治癒光}


  スキル

  {槍術LV.1}{危険察知}{成長促進}


 -----------------------


  「こんなんだけど、強いのかわからないね」


  この世界の基準がわからないので強いのかどうかわからない。


  「明日レストさんに聞いてみよう、それで、魔族と戦うか決めよう。それでいい?」

  「わかったわ」

  「はい」

  「了解」

  「わかったよ」

  「じゃあ、部屋に戻ろうか」


  そう言ってそれぞれの部屋に戻る俺達。


「おやすみ、愛姫、結衣、紗綾先輩」

「おやすみ、愛姫、結衣ちゃん、会長」

「うん、おやすみ、悠、修次」

「はい、おやすみなさい、悠里さん、修次くん」

「おやすみ、悠里くん、修次くん」


  そして部屋に入る俺と修次。


「どうしてこうなったんだろうな。本当なら、ゲーセン行って、帰って家で寝てるはずだったのにな」

「だよなー。まあ俺は修次達がいればどうでもいいけどな」


  俺は、こいつらが一緒なら正直どこかは問題ではない。


「うれしいこと言ってくれんじゃん」

「まあ本当のことだからな」

「とりあえず、寝るか。明日も、考えることやすることがあるだろうからな」

「そうだな。おやすみ」

「おやすみ」


  そうしてまぶたを閉じる俺達。俺も、思ったより疲れていたようですぐに眠りについた。



文章構成下手ですのでご容赦を。

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