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虹の国のメイシア ~タロット譚詩曲~  作者: メラニー
第四章 かの地
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41話 白い街 2/4

「…紅花さん、まったく信じていないよね……」

「うん…」

ストローが上の空で返事をした。

こいういう時、ストローは思いを巡らせている時なのだが、そんな事を知ってか知らずかウッジが絡む。

「ストロー! 紅花さんにピシッと説明してよ! 」

「…え? そういうウッジこそ、ビシッと言えばいいじゃない。」

「ウチはほら、チャルカの世話があるから…っていうか、チャルカ眠いの? 」

見ると、チャルカが目をこすりながら大あくびをしていた。今にも膝が折れて座り込んでしまいそうになっている。

「あーあ、もう立っているのも辛そうね…よく歩いたもんね…」

「誰かさんが大きくなってくれたら、問題ないんだけどなぁ

…」

ウッジのジト声に、ストローのチュニックの中から『きゃりっ』と返事が聞こえた。


「きゃり? なんの音?」

いつの間にかバケツやら手袋やらを置いて、手ぶらになった紅花が目を丸くして立っていた。

「紅花さん! …今のは……そう! ストローのお腹が鳴ったんです! 私たち、朝食を食べてから何も食べてなくて。」

メイシアの苦し紛れの発言が、ウッジにはおかしくてたまらないらしく、肩を小刻みに揺らして笑いをこらえた。

「…なんで、いつもオラだけ…」

「あら、そうなの? ごめんなさい、気が付かなくて。 でも、まずは役所を通らないといけない決まりになっているから、先に行ってもいいかしら。もうちょっと我慢できる? 」

メイシアはそんな紅花を見ながら、きっと本当に優しい心の方なんだろう、と思った。紅花が心底気の毒だという表情でこちらを見てくるものだから、こっちの心が痛んでしまう。

「はい! 全く問題ないです! ちょっとくらいお腹減ったのなんて我慢できるよね、ストロー!」

「ひゃーーー! ほんとメイシア、それ以上は勘弁して!」

我慢できずに噴き出したウッジの横で、ストローが小さい声で、はい、と返事をした。


「そう。良かったわ。…それにしても、チャルカちゃん、すごく眠そうね。」

そういうと紅花は、家の扉を開けて叫んだ。

「ゲオルクーーー! ごめーん、ちょっと手伝ってほしいんだけど! 」

呼ばれるまま、ゲオルクがやって来た。

「チャルカちゃんがね、とっても眠そうなのよ。役所まで行くの抱っこして付いてきてくれない? 」

「あぁ。いいぞ。」

「そんな…申し訳ないですよ! もし荷物をここに置かせてもらえたら、ストローが抱っこしていきますよ! 」

と、ウッジが焦ってストローの荷物をおろそうとした。

「…別にいいけど、なんでオラが…。なんか、ウッジ性格変わったよね…」

しぶしぶストローが、荷物を降ろそうと肩に手をかけた時、

「それが、ダメなのよ。持ち物も検疫されるから、持って行かないダメなの。ゲオルクなら大丈夫よ。なんたって力自慢なんだから! ね。」

紅花がそういうと、ゲオルクが任せろと言わんばかりの笑顔になった。

「おいで。」

ゲオルクが今にも眠ってしまいそうなフニャフニャのチャルカを抱き上げた。

チャルカは、もう限界だったのか、抱きかかえられると完全に眠ってしまった。

「このままで大丈夫ね。」

紅花はそういうと、家の中にむかって「行ってきまーす!」と声をかけた。

「じゃ、行きましょうか。」


役所というのは、町のはずれにあった。

丘から見た時はコンパクトな町に見えていたのだけど、斜面に建てられた坂の町なので起伏の激しい作りになっており、入り組んだ路地の連続で、実際の道のりはけっこうな移動距離だった。

しだいに建物がまばらになって町を抜けたころ、その"役所"といわれる場所に着いた。

そこは洞窟だった。

崖の一部がぽっかりと空いていて、その奥に明かりがぽつりと浮かんでいた。


「あそこよ。思ったより時間がかかってしまったわね。急ぎましょ。時間外だと一切受け付けてもらえないから。心配だし、私ちょっと先に行って話してくるね。」

そういうと紅花が走り出した。

「どうしよう…私たち役所なんて行っても大丈夫かな? 」

「大丈夫だよ。だって話は通したって、アレハンドラさんだって言っていたし。」

「…でももし、手違いで不法入国なんて事になっていたら…ウチらは…。それに、ウチ、斧なんて持っているから怪しまれないだろうか…」

「その斧、確かに普通は持ち歩かない荷物だもんねぇ…。でも不法入国だなんて… 私たちはただ、ロード様に会いに…」

「ロード様に会いに…」

いきなり後方からゲオルクの声がしたので、三人ともびっくりした。

あまりに長い間ゲオルクが黙ったまま後ろを付いてきていたので、存在を忘れていたのだ。聞かれてはいけないことを聞かれてしまったかもしれない。

「え、オラたち、何か変な事言いました…? 」

「……。」

振り向くとゲオルクの顔から笑顔が消えている。出会ってから、にこやかなゲオルクしか見ていなかったので、笑顔の消えている事に、恐怖にも似た不安にかられる。

数秒の沈黙ののち、ゲオルクが口を開いた。

「…今から、一切その名前を出してはいけない。そうでないと入国が認められないかもしれない。」

「どういう事ですか? 」

「いいから、言う通りに。」

その言葉を最後に役所と言われる洞窟内の建物についてしまった。


役所の中から私たちが着いたのを見つけて、紅花が満面の笑みで外に出てきた。

「みんな、入って! まだ受け付けてくれるって。」

紅花の出迎えに合わせたかのように、いつの間にかゲオルクも笑顔に戻っていた。


一行は、紅花に急かされるまま役所の中に一歩足を踏み入れた。

「きゃっ!」

室内に入ったとたん、目を開けていられないほどの強烈な光に襲われた。

外から見ていた室内の明るさは普通だったのに、一歩足を踏み入れた瞬間、あまりにまばゆい室内に一瞬視界がホワイトアウトしたのだ。

耳鳴りがするほどの強い光。時間が止まったかのように、動きが固まってしまう。

数秒後、耳鳴りが尾を引いたままではあるが、何とか明るさには慣れて来ると、目を細めた状態で室内を見渡した。

そこは受付カウンターで区切られた何の変哲もない大きな部屋だった。

カウンターの中は数人の職員と思しき人々が働いているのが見えた。


紅花が手招きをしてカウンターに出てきてくれたのは、肌の色が黒く唇の厚い、ふくよかな体系の女性だった。

髪は黒く紅花とは対照的にチリチリに癖がかかっていた。それが彼女の醸し出しているダイナミックな印象にとても良く合っていた。年齢は…若いのか、そこそこ上の方なのかわからない。

女性がにっこりとほほ笑んだ。

やっと目が、この室内の明るさに馴染んで来たのか徐々に耳鳴りが和らいでくる…


「ーーーへようこそ。初めまして。ソニアよ。朝、ここを通ったんでしょ。気が付かなくてごめんなさいね。」

「ソニアは私の友達なの。良くしてくれるから、安心して大丈夫よ。」

紅花が紹介をすると、ソニアは一段とほほ笑んだ。

三人とも今の言葉のどこをどのようにとらえたらいいのか、混乱したまま、ただ青ざめた。

問いにどう答えていいのか…いや、それも問題なのだが、聞き取れなかった所を聞き返したいのだが、その質問は許されるのか…行く先も知らずに入国をしたと思われると、怪しまれるんだろうか…色んな思いがめぐるのだけれど、黙ったままになってしまうのは、さっきのゲオルクの一言が耳の中で繰り返されているからだ。

今一番避けたいことは、入国ができないという事。


幸か不幸か、ソニアと紅花は、三人の右も左もわかっていない状況を知ってか知らずか、スルーして話は先に進む。

「今から入国の審査をはじめます。今は混乱してわからないことがたくさんあるでしょうが、もう大丈夫ですよ。では、まずお名前からお伝えしましょうか。」

そういうとソニアは手元に黒い革のファイルとペンを用意して、カウンターの引き出しから大きな虫眼鏡のようなものを取り出した。そして、そのレンズ越しに一行を覗く。

すると不思議なことに、ソニアの口から順番に名前を告げられた。そして流れ作業で、それをファイルに書いていく。


「メイシア・フーリーさんと、ウッジ・エンプレイスさんね。あと、ストローさんは…変わった表記ね。こんなの初めて見たわ。ストロー・プリセズ…メリー…メリーはどこに付ければいいのかしら?」

メリーという名前が出て来て、一瞬にして三人とも凍り付いてしまう。

ソニアがストローの隅々を虫眼鏡越しに念入りに舐めまわす。その動きが、ストローのお腹で止まり、そこに集中し始めたので、ストローが慌てて弁解を始めた。

「あぁ、それは…えーっと、ミドルネームがメリーなので…。ストロー・メリー・プリセズです…!」

「なるほど、なるほど…」と言いながらソニアがメモを取っている。

とっさの出まかせだったが、ソニアは人を疑らない性格なのか、すんなりと受け入れた。

「あとは…その子は…」

「あぁ、この子、疲れて寝てしまっているのよ。このままでも構わないでしょ? 」

眠っているチャルカの顔を覗き込んだソニアに、紅花が口添えをしてくれた。

「…んもぉ、紅花にはかなわないわねぇ。」

「チャルカ、起こしましょうか…? 」

少々渋っている表情のソニアに、見かねたウッジが恐る恐る発言した。


「まぁ。私いま、この子の名前言った? 」

急にソニアが驚きの表情で目を真ん丸に見開いた。ソニアには「目を真ん丸に」という表現がぴったりで、今にも目玉が落ちてきそうなほど瞳が大きく開かれるので、驚きがすごく伝わってくる。

一同は何かおかしな事を言ってしまったのではないかと、ドキドキが倍増されて心臓が飛び出そうになった。

「言っていたような…。チャルカ・ストレングスですよね? 」

再びストローが、暴れ出しそうな心臓がばれないように落ち着き払った声で、一か八か言ってみる。


「……まぁ。」

そこでソニアが再び、控えめな感嘆を上げた。一層、心拍数が上がる。

「ね、びっくりでしょ! 実は彼女たちってね、」

紅花がそれにかぶせて、キラキラした目で話し始めた。

「…紅花。みんな疲れているから、早くしてあげよう。」

するとゲオルクが優しい声で割って入って、審査に話を戻してくれた。

ソニアと紅花にとって、何がびっくりなのかはわからないままだが、ゲオルクはとりあえずは味方でいてくれるようだった。


それから荷物の検疫を受け、この時ばかりは三人とも…とりわけメリーを隠し持っているストローは身体検査でもされてしまったらどうしようと気が気ではなかったが、ウッジの斧にも触れられる事無く、驚くほどすんなりと検疫は終わった。

検疫の間、ソニアは黒いファイルとは別の台帳のようなものを見て首をかしげていたが、最後はニコニコとして「いいでしょう。」と言っていた。


「ねぇ、ソニア。私たちの家の隣が空き家なのよ。彼女たちの住まい、そこに割り振ってもらえない? 」

「そうねぇ。でも、まだ職業も決めていないし…職場から便利なところの方がよくないかしら? 」

「それもそうね。残念だわ…お友達になれると思ったのだけど…そうだ! あなたたち、私とゲオルクの畑の手伝いをしてもらえないかしら。今、チェリートマトも収穫の時期で人手が足りないのよ! 」

「まぁ、紅花それは名案ね! 皆さんはどうしますか? 」

一瞬にしてテンションの上がったソニアと紅花とは対照的に、三人は目を合わした。一応に答えに困りっている。

どうと言われても、ここへは移住しに来たのではないのだ。しかし、何をしにここへやって来たという事を口にするわけにもいかない。ゲオルクにロード様の事は口にしないように釘を刺されたからだ。


「あの…実はオラたち、」

ストローがここで言わないと大変なことになるかもしれないと判断したのか神妙な面持ちで口火を切ったが、ゲオルクがそれを遮った。

「それでいい。彼女たちの事は、この町に慣れるので俺が引き受ける。」

「ほんと?! だからゲオルク大好き! 」

紅花がゲオルクに抱き付いた。

「おい、紅花! この子が起きてしまうだろう、」

ゲオルクがやんわりと叱ったが、紅花はまったくなんとも思っていないようで、ゲオルクに抱き付いたまま、ソニアに「ね、いいでしょ! 」と花を咲かせた。

「みなさんもそれでいいですか? 」


今この状況下で、ゲオルクは唯一味方だと思うので、その彼が言っているならそれが最善なのかもしれない。

ストローが、そう結論を出したのか「はい」と返事をした。

ストローがそういうならと続けてとメイシアとウッジも肯定の返事を返した。

「では、そのようにいたしましょう。ゲオルク、こちらにサインを。」

ソニアが黒皮のファイルをこちら向けにしてカウンターに置いた。

ゲオルクにペンを渡し、ゲオルクは片腕にチャルカを抱きかかえたまま、ソニアが指さした場所にサインを書いていた。


「…それではこれが、あなた方の家の鍵です。部屋の数は充分でしょう。もし手狭なら、またこちらへいらしてください。…しかし、ここ最近空き物件がほとんどなくて広い物件は紹介できないかもしれませんが、何とかします。そのほかの事は、ゲオルクが身元引受人として面倒を見てくれるので、ゲオルクから聞いてください。」

ソニアが説明を終えると、鍵を差し出した。それを受取ろうとメイシアが手を伸ばした時……


「待って、メイシア。」

今すぐにでもここから離れたい気持ちなのは、みんな同じなのだが、ストローが意を決してその場の空気に待ったをかけた。

「あの…お家を貸してもらうのはありがたいのですが、オラたちはお金がないのです。」

メイシアが、そうだった…と手を引っ込める。

メイシアもストローもウッジも、雀の涙ほどしかお金を持っていない。ここまで全くと言っていいほどお金を使わなくて済んだのは、奇跡と言ってもいい位なのだ。お家を借りるなんてきっと無理な話。

「まぁ。」

ソニアが、また目が落ちそうなほど真ん丸にする。

そして「お金がないんだったら…」という感じで始まるであろう次の言葉を待つ。


「紅花、本当に珍しい方たちね。」

「でしょ! 」

しかし予想とは違う言葉が耳に届いた。どういうことか、反応なのか困惑する。

「家賃なんていただきませんよ。すべてはロード様のご加護です。」

…?


疑問が追いつかなくて黙ってしまう。家賃が要らないという事も疑問なのだが、さっきゲオルクがロード様の名前は出さないようにと言っていたのに、こんな簡単にソニアがその名前を口にした。

その他にもモヤモヤする事ばかりで、考えることを停止しそうになってしまうが、とりあえずは、このままヘマをしないでここから出られたら、じっくりと考えられるのかもしれない。

三人はぐっと堪えて、円満にここから出られる瞬間を待つ。

こうなったら、最優先事項は、ここから何事もなく出ること。


「あぁ、そうでした。注意事項をお伝えするのを忘れていました。」

ソニアが今までとは違う真剣な声で話し始めた。

今までと雰囲気が違う事に何事かと三人は息を飲んだ。

「まず一つ目。これは肉体的に無理だとは思いますが、海で深く潜らいないでください。この海域には大きな海蛇がいて、刺激すると命はありません。」

「あー、もう、ソニアは心配性ね。大丈夫よ。ゲオルクと私がついているんだから。」

「それもそうね。では身元引受人のいう事をよく聞くように。以上です。それでは鍵をお渡ししますね。」

メイシアが不意に紅花と目が合うと舌をペロッとだした。

「それでは、こちらからは以上です。ロード様のご加護があらんことを…」


ソニアから鍵を受け取り、洞窟の外に出た時には辺りは青い虹の時間…いや、ここでは虹は見えないのでただの夜だ。

いつもは頭上に浮かんでいる青い虹がどこにもない。いつもあると思っていたものが無いという事がどれだけ不安になるのかという事を三人は痛感していた。

メイシアは心細い思いから逃れるように、水平線の先に目を移した。

そういうば、ソニアは「海」だと言っていた。やっぱり、あれは海なのだ。

今その海が凪いでいる。水平線がぼんやりと青白く光り浮かび上がっていて幻想的な景色だった。

帰り道、疲れとゲオルクから要らないことを話すなという無言の圧力を感じて、三人ともほとんど黙ったまま歩いた。



紅花から食事のお誘いがあって、お言葉に甘えることにした。

町の事も分からないし、どこかで食事を済ますにしても、自炊をするにしても、今晩はそんな余裕もなので、ありがたい話だった。


一向に割り当てられた家は、紅花宅の隣家の一戸建てだった。

とりあえずソニアから受け取った鍵で、自分たちの家の玄関扉をあけた。

玄関からドアを一つ中に入ると、外から見て想像していたよりも広い空間が広がっていた。奥のリビング部分は天井が高く開放感満点だった。

「わぁ!」

思わずウッジ声を出した。部屋の奥からこちら側に階段がかけられてあり、メゾネットになっている。

玄関から入ってすぐのメゾネット下はキッチンになっていてコンパクトだが使いやすそうで、カウンターを挟んで対面式になっていた。


リビングの一番奥はテラスに出られる大きな掃き出し窓になっていて、左右の壁にはドアがあった。そのドアの一つをウッジが空けて、テンションの高い声を上げた。

「ここは寝室だよ! 」

メイシアも負けじと反対側の壁のドアをあけて、普段よりワントーン高い声をだした。

「こっちはお風呂!」

もうすぐにでも住める状態で、寝室にはマットレスやシーツなどもセットしてある。浴室も石鹸などが使える状態でセットしてあった。

「すごいねぇ…オラの実家と比べたら大豪邸だよ…。これがタダで貸してもらえるなんて。」

「寝室は三つあるよ。こっちに二つ、反対側に一つ。その横は脱衣所と洗面所とお風呂。トイレは、玄関のあるドアを開けたらあったよ! メゾネットのソファーはフカフカだった! 」

「早いな、ウッジ。」

素早く調査を終えたウッジが興奮さめ有らない感じで、立ち尽くしているストローに報告をした。


「ウチ、こういう家に住むのが憧れだったから、すっごく嬉しくて! ストローはよく落ち着いていれるね! 」

「私も、こんなお家住めるなんて夢みたい! 」

ウッジとメイシアが目を輝かせた。

「ちょっと待って。ここは仮住まいというか、ここで暮らすつもりはないからね。本当の目的を忘れないでね! 」

「…わかってるよ…っとに、ストローは変なところで真面目なんだから。」

「なんだよ、変なところって。っていうか、荷物を置いたら早くいかないと。チャルカを預けたままなんだから。」

「そうだった。」

寝ていたチャルカは、ゲオルクが抱いたまま、先に紅花とゲオルクの家に先に連れて行ってもらっていた。

「じゃ、とりあえず、荷物を広げるのは後にして、紅花の家にお邪魔しよう。」



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