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「え、アキさんってルアムハルク城で働いていたことあるんですか!?」









朝ごはんを食べ終え、出発しようと歩き出すと、ヒロさんに止められて、馬車の中に連れてこられた。


「僕ら交代で、馬車を操ったり休んだりしてるの。今日は僕とジュンが係だから、ライちゃんはアキと休んでて。」


私も馬車は操れなかったから、お言葉に甘えて、中に乗り込んだのはいいものの。


昨日の夜といい、今日の朝といい。

アキさんには怖いイメージしかなかったから、ちょっと怯えていたんだけど。









「おう!けっこう長くあの城には滞在したなぁ。あそこの厨房にはよ、すごくかわいい猫がいたんだ……ほんとだぜ?」


昨日は本当に警戒していただけみたい。今日は馬車に乗ってすぐ謝られた。


いかつい見た目とは裏腹に、動物大好き料理大好き!なようで、今までも様々な厨房に立ってきたらしい。

お喋り上手で、私も飽きないように、丁寧におもしろくいろんなことを語ってくれている。


「お前、ここであったってことは、あの城から来たのか?」


流れでさらっと言われた一言に、私は一瞬心臓が止まりそうになった。


大丈夫、大丈夫。

城から来たってだけならバレはしない。


精一杯なんでもない風に装って、頷く。


「うん、あの、城下町に住んでて。」


嘘。城下町なんて数回しかいったことがない。いつも窓から眺めてた。



「へーえ。あの城の城下町、おもしろいもんなぁ。俺は、城内住み込みの料理人だったけど、よく遊びに行ったぜ。」


大きい犬みたいに嬉しそうに笑うアキさん。騙してるのがちょっと心苦しくなってくる。


これ以上突っ込んだ話になると、バレるな、と思った瞬間、


「アーキ、ライちゃん。」

ヒロさんが馬車の入り口から顔を覗かせた。


「お、ヒロ。おつかれさん。」


片手を上げて労うアキさんに、にっこり微笑むヒロさん。


「そろそろレンツァ着くよー。支度しといてね。」


「おう。」

「はい。」


馬車からそとを覗くと、続く草原の先に、街が見える。


あれが、レンツァ。


息を吸い込んで気を引き締める。

ここからが、私の冒険。






大切な親友を取り戻すための旅がはじまる。








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