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ぴんっ
いきなりおでこに衝撃を感じて目が覚めた。
目を開けると目の前には昨日のごつい、オレンジの人。確か、アキさん。
すごいしかめっ面。
彼にでこぴんされたことに気づくのに数秒かかった。
「……昨日、ヒロとジュンくんと話し合って、お前をレンツァまで一緒に連れて行ってやることにした。」
ジュンくんというのがどうやらあの、金髪の人のことのようだ。
え、アキさんの言ってることってつまり。
「え……一緒にって!」
「おう、まぁ仲間も分かれてて馬車もすいてるし。お前みたいなちんまいのが、強盗はできないだろうって。」
喜んでいいのか悪いのか。
「ありがとうございます!」
私がそう言って頭を下げるとアキさんは立ち上がって、片手を上げて、馬車からでていった。
馬車の外からもう日が差し込んでいる。夜明けからかなり時間は経っているみたい。外からおいしそうな香りがしてお腹がぐーっとなった。
私がそのまま座っていると、ヒロさんが馬車に入ってきた。
「おはよう、ライちゃん。よく眠れた?」
優しそうな微笑み。
私は思いっきり頷き、慌てて毛布をたたんだ。
「ありがとうございました!」
ヒロさんはふふっとわらって受け取る。
「アキもジュンも納得してくれたから。一緒にレンツァまで行こうね。」
「本当にありがとうございます。」
私がふかぶかと頭を下げると、ヒロさんはまた笑って私の肩にぽんっと手を乗せて優しく言った。
「朝ごはんができてるよ。アキの飯はほんとにおいしいから。身支度整えて、早くおいで。」
そういわれると、お腹がものすごく空いていたことに気づき、急いで支度を整えて、アキさんの作った本当においしい雑炊をいただいた。
紫の髪の優しげなヒロさん
オレンジの髪のいかついアキさん
金髪のミステリアスなジュンさん