I.W--sweet dream;Dory--
私は田所 夢埜。
南高校二年生の図書部。
以外のスペックは、無い。
「行くか…」
此処は図書準備室。
隣では後輩の早山由布夏と同級生の見風陽翔が騒いでいる。
私は彼らとは顔を会わせない。
それには理由もない。
それよりも、最近突然私の想像に現れたI.Wへ行くのだ。
I.Wでの私は魔法使い。
現実では地味な傍観者。
(悲しくなるな)
私以外が歪なヒトな世界で走る。
そして目を閉じた…
今日も適当にプラプラするか。
と、歩き出せば、目を疑うような人がいた。
「見風くん…?!」
勇者の格好をした見風陽翔がいた。
(なんで見風くんが此処に…?!声、掛けて良いのかな…?)
でも何て言う??
「貴方は」
うわぁ…怪しいよ、私。
「誰だ!?何者だ!?」
「私は…」
一瞬考える。
私は…私は…
夢埜…夢…
「ドリ」
そう発してみた。
見風くん、貴方は私を知らないよね。
だけどね
今、決めたよ。
私はドリ。
ドリとして君に近付く。
そう決意した私の目に、不思議そうな見風くんの顔が映った