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【第一幕完結】レゾンデートル  作者: 瑠樺
一章 少女と妖精
14/53

【9】

 純白のレースのカーテンの掛かる窓辺に陽光が淡く射す。

 涼やかな風に青々とした緑が楽しげに揺れる。ルミエールの村の郊外に建つ木造のモダンな家屋には、いつもと変わらない穏やかな時間が流れていた。

 冬なのにとてもあたたかい。この日当たり抜群の部屋はリゼットのお気に入りの場所だ。

 大抵の魔族は太陽の光は苦手なのだが、リゼットはこの程度の陽光ならば浴びても平気だった。


「ただいまー」


 一階の方から少年の声が聞こえる。どうやら学校から帰ってきたらしい。

 バタバタと階段を駆け上がる音がする。そしてノックの後、間を置かずにドアが開いた。

 顔を出したのは、頭に掛けた大きなヘッドフォンがいかにも今時の子供といった感じの琥珀だ。彼は学生鞄を持ったまま言った。


「リゼ(ねえ)、稽古!」

「しつこいな」


 剣の手入れをしていたリゼットは心底面倒そうに答えた。

 季節は初春の二十日。港の開港まであと十日と迫ったこの頃、リゼットは琥珀に剣術の稽古をつけるのが日課になっていた。

 午前、リゼットは斡旋所の仕事をこなし、琥珀は学校で授業を受ける。そして午後は森での稽古。

 色々な意味でリゼットは他人に剣を教えられる立場ではないのだが、琥珀は飲み込みが早いのでアドバイスする程度でぐんと剣の扱いが上達した。


「ほら、早く。掃除さっさと切り抜けてきたんだからさ」


 一体、琥珀がどのような学校生活を送っているのか見てみたい。その豊富すぎるボキャブラリーを駆使し、屁理屈を並べ立てて相手を言い負かしている様が想像できて恐ろしい。

 琥珀があまりに急かすので、げんなりしたリゼットは立ち上がり、抜き刃を鞘に納めた。


「分かった。お前の準備ができたら行こう」


 そうして十数分後。リゼットが琥珀と共に一階へ降りると、料理をしていた翡翠はきょとんとしてこちらを見た。


「あら? また稽古なの?」


 菓子でも作っていたのか、泡立て器の入ったままのボールには生クリームのようにふわりとしたものが入っていた。

 いつもは肩で揺れている金緑色の髪は、調理の邪魔にならないように、うなじの辺りで一つに纏められている。その所為か幼い口調は普段通りなのに、翡翠は大人びて見えた。


「うん、暗くなる前には帰ってくるよ」


 肩に修練剣を掛けた琥珀は、リビングにあるクローゼットから帽子を取りながら答える。


「そう、じゃあ気を付けて行ってらっしゃい」


 にこりと笑顔を浮かべて翡翠はリゼットと琥珀をそれぞれ一瞥する。

 リゼットは「ああ」と短く応えた。


「姉さん、今日の夕飯は?」

「生クリーム入りカルボナーラに、デザートはチョコレートムース。栄養たっぷりよ」

「へえー、栄養たっぷりというか、ただカロリーが高いだけだと思うんだけど」

「琥珀もリゼも細いんだから良いの。ほら、早く行ってらっしゃい」

「はいはい」


 仲の良い姉弟による日常的な会話に、自らの冷め切った兄妹関係を思い出したリゼットは胸が痛むのを感じたが、それだけだった。

 過ぎ去った過去は、最早変えられないものなのだから。






 薄雪の残ったルミエール郊外の森。

 アプロディーテ姉弟が住まう家から少し森の奥へ進んだ先には池がある。


「刃先が下がっている。気を付けろと言ったはずだ」

「はーい」


 間の抜けた返事だが、琥珀なりにしっかりと聞いていることは分かっていたのでリゼットは咎めない。

 魔術の先天的な属性が『水』のリゼットにとって、水の加護の受けられる水辺は具合の良い場所だ。

 父親が療術師(ヒーラー)だったという琥珀の治療術によって傷の方は大分良くなったが、体力はまだ回復したとは言えない。そんなことからリゼットは稽古を水辺で行っていた。


「お前のそれは上段の構えだ。中段にしろ」

「中段は相手の喉元……っと」


 相手に見立てた木を見ながら、琥珀は刃先を僅かに下げる。

 リゼットが彼に教えているのは中段の構え。所謂、平正眼と呼ばれる基本の構えである。

 平正眼は攻防に最も都合が良く、理想的な構えである。形としては、自然体の姿勢から右足を半歩前に出し、腹の前に置いた手を握り拳一つぐらい出すようにする。剣先は相手の目から咽喉部辺りにくるようにし、一足一刀の間合いに構える。


「というかさ、これって何て剣道?」

「何事も基礎からだ」

「僕はリゼ姉みたいに相手を瞬殺できるような剣術教えて欲しいんだけど」


 瞬殺する剣技を覚えてどうするのだ。そう問いたい気分に駆られつつも、リゼットは飽くまでも基本しか教えないつもりだった。


「私のは喧嘩剣法だから、お前が覚える意味はない」


 琥珀が言っているのは恐らく、廃鉱で蜘蛛の魔物を冷凍崩壊させた技のことだろう。それならば教えるまでもなく、琥珀に使うことは不可能だ。

 人が持っている魔術の先天的な属性とは一生変わることがなく、自分の持ち得ない属性の魔術は使用できないし、もし持っていたとしても素質がなければ上達しない。

 見るところ、琥珀の属性は『地』のようだ。

 『地』の特性は攻守のバランスが取れていること。軍では良く守りの役に大地使いが就いていた。彼等は自然の声を聞き、人の心を癒やす魔術を使ったりもできる。

 対するリゼットの属性の『水』は、戦略性が問われるものだ。基本的に相手を害する力が弱く、癒やす力に長けている。教会の療術師や医者などは大抵、水使いである。

 誰しも生まれ持った先天的な属性があるから、琥珀にはリゼットのように空気中の水分を抽出して扱う能力はない。

 勿論、遣り様によっては凍結よりも恐ろしい、地属性特有の重量級の魔術を剣に込めて叩き付けることもできるのだが、琥珀には必要ないだろう。


「琥珀、すぐ傍に魔物がいるようだが倒してみるか?」

「いや、いきなりそれはないんじゃない!?」


 気配からして冬眠明けのベアか何かだ。

 ベアは巨大かつ凶暴だが、動きが遅いので倒すのには難はない。


『魔物は体が大きな方が動きが遅い分、弱い。強くなりたいなら身体で覚えろ』


 まだ聖帝国にいた頃、魔物との実戦を何度もさせられた。リゼットの標的は主に人間なのだから意味がないと言ったのだが、師であるクリスティアン・ベレスフォードは容赦しなかった。

 殺人の為の剣技を教える訳にはいかない。だから、リゼットが琥珀に教えるのは基本だけだ。


「てゆーか、姉さんにリゼ姉を無理をさせるなって灸据えられているから本当に無理だって!」


 廃鉱の一件の後、物凄く怒られたから実戦は無理。琥珀は早口にそう言い、何度も頷いた。

 どうにも琥珀は血の気が足りない。噂の「出来ないことはやらない主義」とやらがある為に、ある一定からは上達しないのだ。これでは幾ら構えの形や振り方を覚えても、実戦で通用するとは思えない。

 リゼットは琥珀の正面に立つと、剣を抜いた。


「え……」


 琥珀が目を見開く。リゼットは容赦する気はなく、敵意を込めて相手を一瞥した。

 魔物との戦闘が許されないのなら、対人訓練をすれば良いだけのこと。リゼットは単純に考え、琥珀に剣を向ける。

 狼狽の色しかなかった琥珀色の瞳が、覚悟と緊張の色に塗り替えられる。刃先が、動く。


「受けて立つよ」


 声色低く、勇ましく告げる。それを受けるリゼットの双つの瞳は赤く輝いている。

 琥珀は気合いの掛け声と共に地を蹴り、一瞬でリゼットの前に迫る。


「くっ……!」


 銅色の修練剣同士がぶつかる。刃を付き合わせたまま、二人は一歩も引かなかった。


「それで押しているつもりか?」

「リゼ姉こそ……! ていうか、馬鹿力も過ぎると切ないよっ!」


 挑発の言葉と共に琥珀は一層力を込めてくる。

 しかし、リゼットはふっと笑みを浮かべた。


「低俗すぎる挑発だな」


 天に打ち上げられた一本の剣は空中でぐるりと数回転し、その勢いのまま地面に突き刺さった。


「……え……えええぇ!?」


 空になった両手を見て、琥珀は悲鳴に似た驚きの声を上げる。


「私がお前相手に本気になるものか」


 今のは巻き上げ技。払い技と同じ要領で相手の剣を下から巻き込むように回し、勢い良く押し上げる剣技だ。実戦ではあまり実用性はないし、卑怯とも言われる。

 知らずの内に手から得物を失った琥珀は唖然とするのみ。冷笑でも嘲笑でもなく、リゼットは笑んだ。


「うわ……、サディストの微笑み……」

「何とでも言え」


 琥珀の驚いた顔は見物だった。勿論そこには悪意などはなく、ただ純粋に珍しく思ったのだ。

 リゼットは笑みを消すと、地面に突き刺さった剣を取りに行き手を伸ばす。その刹那。


「ちょ、リゼ姉!?」


 リゼットは眩暈に襲われ、剣柄に手を掛けたまま背を曲げた。琥珀はすかさず駆け寄った。


「リゼ姉、大丈夫!?」

「……平気だから」


 伸ばされた手を乱暴とも取れるほどの力で払い除け、リゼットは顔を上げる。その木苺色の瞳はしっかりと焦点を結んでいる。

 苦しみを一切消した無表情のまま、抜いた剣を返す頑なな様子に琥珀は嘆息した。


「この前からだけど、本当に大丈夫なの?」

「くどい。私は平気と言っている」


 強がりではなく、本当に平気だ。

 ただの立ち眩み程度で心配する方が可笑しい。リゼットはそう思い、奥歯を噛み締める。


(鬱陶しいな)


 この眩暈は少々鬱陶しい。

 どうにも最近多いのだ。不摂生をしているつもりはないし、体調を崩す理由もないのにどうしたのだろう。

 何が何でも人の手は借りたくないリゼットの様子に琥珀はもう一度深い溜め息をつき、木の根に腰を下ろした。そして「座ったら」と勧める。

 昔もこのように隣に座れと言われ、鬱陶しいことこの上ないことを言われた気がする。琥珀の小言は兄の節介よりまだ我慢ができる。リゼットは腰を下ろす代わりに、幹に背を預けた。

 葉が落ち、枝が剥き出しの木々の間から赤い夕陽が見える。暮れ沈む太陽は溶けそうなほどに赤い。呆然と見つめていると気分が悪くなり、リゼットは目を伏せる。すると琥珀と目が合った。

 思わずきょとりとするリゼットと琥珀。視線を外した琥珀はぽつり、と訊いてきた。


「あと十日で開港するけど、リゼ姉は出て行くの?」


 一月三十一日は港が開かれる日だ。翡翠に聞いた話によると、このセレン独立国の港はルミエール村の先にある峠を越えたアーレントという町にあるらしい。

 答えぬリゼットに、琥珀は再び訊ねる。


「故郷に帰るとか?」

「私に故郷なんてない」


 故郷と呼べる場所といえば、それは聖帝国ベルリオーズだろう。しかし、リゼットにとってそこは最早気軽に帰れる場所ではない。何よりも、沢山の思い出のある国へはあまり行きたくなかった。


(私は何処に帰れば良い?)


 ここを出て何処に行こう。何処に行けば良いだろう。

 この数ヶ月の安穏とした生活で身体も心も随分と鈍ってしまったから、下手をしたら剣を振るえないかもしれない。リゼットには行く場所も、生きたい場所もなかった。


「することないなら出て行くのやめなよ」

「琥珀?」

「今の生活が嫌な訳じゃないんでしょ? 生活費のことを気にしているなら、ギルドで稼いだ分を入れてくれれば良いし」

「私は……」

「僕も剣を教えてくれる人がいると助かるし、何よりも姉さんはリゼ姉がいなくなったら寂しがるよ」


 無理だと説明する為の言葉を懸命に探してみるものの、全く見付からない。

 見付からない理由は考えるまでもない。リゼットにとって、この日常こそが【異常】だからだ。その理由が琥珀たちにとって普通ではないことだから、言えない。

 この場所にいてはいけないと、心が告げている。

 そんな自業自得による寂しい事実にリゼットは意気消沈して口を噤み、ただ一度溜め息をついた。






 開港まであと三日と迫った日の夕刻、リゼットは翡翠と森の散歩をしていた。

 森を抜け、この身が流れ着いていたという海岸へ案内された。

 あの時は痛みで景色を見る余裕がなかったが、白い砂が敷き詰められた夜の海は静かで心地良い場所だった。

 冬の海に足を浸し、冷たいと当たり前のことを言ってはしゃぐ翡翠は相変わらず無邪気で、リゼットはついつい絆されてしまう。

 浜辺に打ち上げられた巻き貝や珊瑚を拾った後、家へと帰り夕食を取った。そして湯浴みを済ませ、就寝前になってまた外へ出た。

 庭には姉弟が遠き日に遊んだ名残か、木製のブランコがあった。翡翠はそこに座って歌を口ずさむ。歌を聴くリゼットは穏やかな表情で微かに微笑み、膝の上に丸まるようにして眠る猫の頭を撫でた。

 闇夜に少女の歌声が高く、細く響く。

 今まで生きてきて、こんなに心穏やかにいられたことはあっただろうか。


「そうだ。リゼに渡す物があったんだわ」


 歌い終えて深呼吸をした翡翠は、おもむろに何かを取り出した。

 言われた通りに手を差し出すと、そこに置かれたのは見覚えがあるものだった。


「これは……」

「あなたが身に付けていたペンダント。壊れてしまっていたでしょう?」

「でも、どうして」


 そう、これはリゼットが自ら破壊し、捨てようとしたペンダントだ。

 千切れたチェーンは元通り修復され、翠色の石も心なしか輝きを増している。


「コブラン……えっと、鉱物に詳しい妖精が言ったの。これにはあなたを大切に思う気持ちが沢山込められているって」


 リゼットは言葉を失った。

 翡翠は再びペンダントを手に取ると、リゼットの首に手を伸ばした。

 あたたかい手が触れ、冷たいチェーンが首に絡まる。リゼットの胸元で夢幻の輝きを秘めたフローライトが揺れた。


「うん、やっぱり似合ってる」


 翡翠の微笑みを見て気まずくなったリゼットは、どうでも良いことをぼそりとこぼす。


「ペンダントを着けるの、上手いんだな」

「ふふ、あたし器用なのよ。リゼにそれをプレゼントした人は不器用だったの?」

「……さなあ」

「あー、不器用だったんだ。ご家族? それとも恋人?」

「う、うるさい。誰でも良いだろう」


 むきになるリゼットと、飽くまでも朗らかにからかう翡翠。暫くして、笑い声が上がる。


「リゼがそこまでむきになるなんて可笑しいわ」

「私は茶化されるのと冗談は嫌いなんだ」


 くすくす。リゼットが睨んでいるにも関わらず翡翠は微笑んでいた。

 甘い菓子を食べた子供のように。または自分を害する者が世界にはいないと信じ、安心しきったような無邪気な笑み。その純粋さをリゼットは愚かとは思わず、ただ羨ましく感じる。


「むきになると言えば琥珀もそう。あの子、すっかりあなたに懐いちゃったわね。最初はあたしがリゼに掛かりっきりだって嫌味を言っていたのに」


 懐かれたというより利用されている気がするのだが。

 琥珀は姉の相手をこちらに任せ、楽をしようと考えているに違いない。そうでなかったら、あんな言葉が彼の口から出てくることが考えられない。

 そのようなことを考え渋面を作るリゼットの前で、翡翠は立ち上がると空を見上げた。


「冬は月も星も綺麗ねー」

「琥珀も言っていた」

「それは意外ね。あの子は星なんて見ないと思っていたわ」


 同じことを言う姉弟。外見も性格も姉弟とは思えないほどに掛け離れた二人だが、間違いなく姉弟なのだろう。それは血の繋がりということではなく、過ごした年月の長さ――二人が共に育った月日の長さがそう告げている。


「ねえ、リゼ。ここにいて」


 振り向いた翡翠の双眸が一瞬だけ、かの人物の孔雀色と重なった。リゼットは目を見開く。

 そんなリゼットの手を取り、翡翠は続ける。


「あなたが何をしていた人とか、何を悩んでいるのかはあたしは分からないわ。きっと訊く権利もないでしょうね。でもね、あたしはあなたを友達だと思っているの」


 冷たい手を包み込む優しい手のぬくもりに、凍て付いた心まで溶かされてしまいそうだ。

 赤い瞳を縁取る睫毛が震えた。


(いられたら、どれだけ良いだろう……)


 最初は鬱陶しいだけだった。それなのに気付けば、二人のことをあたたかな気持ちで見守っていた。いや、見守られていたのはこちらの方だ。そんな人間的な感情、捨てた思っていたのに。


「ねえ、これからも一緒に暮らしましょう?」


 少しだけ、ほんの少しだけ、安らぎが欲しい。例え一時の夢でも構わない。

 裁かれる前に、ただ一度だけ。リゼットは翡翠の手を握り返そうとした。

 けれど。


「きゃっ!」


 膝の上にいた猫が、がさっと音を立てて一目散に走り去った。

 猫は明らかに怯えていた。

 異変を感じたリゼットは立ち上がり、翡翠はその後ろに隠れた。翡翠を庇いつつリゼットは油断なく身構え、辺りを見回す。こういう時、夜目が利かないことが非常に悔まれる。


「こんばんは、お嬢さん」


「だ、誰……っ?」


 真横の茂みから聞こえてきた声に翡翠は恐怖した。リゼットがゆっくりと振り向くと、その声の主は微かに目を見開いた。しかしすぐに平静を繕い、端正な顔に微笑を刻む。

 その顔を見て、リゼットはすうっと心が冷めていくのを感じた。


「お前は……レナード」

「麗しいお嬢さんに覚えてもらえていたなんて光栄だな」

「下らない挨拶は要らない。何故、貴様がここにいる?」

「リゼッティ・シュトレーメル……。【破壊の使徒】ってキミのことだよね?」


 それは破滅への序曲のように。

 背後から感じる少女の息を呑む気配に幻想の終焉を聞き、目の前で不敵に微笑む青年が紡ぐ言葉に現実の始まりを感じる。

 リゼットとレナード、そして翡翠の出会い。

 今日の再会がなければ良かったと、どれだけ思っただろう。

** 初出…2009年7月15日

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